ビッグニュースは夜中にやって来る。
ポール・スキーンズ、22歳。
昨年MLBに出現した剛腕。100マイル(約161キロ)超の豪速球を武器に、23試合で11勝3敗、防御率1.96という圧倒的な成績で新人王を手にした最強右腕であれ。
今シーズンもその勢いはとどまることを知らず、開幕前からサイ・ヤング賞の最有力候補と目され、9試合で3勝4敗、防御率2.63。
数字以上に、その存在感が示すものは、投手としての完成度をはるかに超えた「次代の象徴」である。
そのスキーンズが、来年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、アメリカ代表として参戦することを表明したのだ。
アメリカ代表にはすでにニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジがキャプテンとして名を連ねており、「打のジャッジ」に続く「投のスキーンズ」の参戦表明は、王座奪還を目指すチームUSAにとって大きな追い風となるだろう。
前回2023年大会――侍ジャパンとの決勝戦で敗北し、準優勝に終わったアメリカ代表。
その戦いぶりは「最強」と称されつつも、打線の豪華さに比して投手陣は見劣りすると指摘されていた。
特に、故障リスクに対する保険の問題でドジャースのクレイトン・カーショーら有力選手の出場が見送られたことは、大きな痛手だった。
しかし、今回は違う。
スキーンズの参戦は、ただの一投手の名が加わること以上の意味を持つ。
まだ22歳にしてその圧倒的な才能を開花させた彼が、アメリカ代表のユニフォームを纏う。その瞬間、彼の存在はWBCという舞台をさらに熱く、そして深く刻み込むだろう。
ジャッジとスキーンズ── 現在のMLBが誇る「最高」が揃い踏みしたチームUSA。
彼らを中心に、これから続々と発表されるであろう豪華なメンバー。
2026年には、WBC歴代アメリカ代表で最強で最高峰のチームが生まれる可能性がとてつもなく高い。
王座奪回を目指すアメリカ代表、その挑戦はすでに始まっている。