侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームに関する二、三の事柄

【世界野球プレミア12の課題と提案】


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世界野球プレミア12の課題

最終順位は以下のようになった。日本の優勝で幕を閉じたわけだが、やはりこの大会を継続していくのに課題は山積みのように思う。

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https://premier12.wbsc.org/ja/2019

 

まずは興行面。千葉、東京での日本戦で空席が目立っていたことは大会中にもよく報道されていた。原因はいくつかあるだろう。まずはタイミングだ。プレミア12開幕前といえば、日本はラグビーW杯に夢中だった。ぼくもその一人である。いわゆるにわかファンというやつだ。ラグビー熱の余波なのか、浮動票ともいえる層がプレミア12には流れてこなかった。また、今年の日本シリーズの福岡ソフトバンクホークスの圧勝で野球熱のが冷めてしまった、というのもあるかもしれない。さらには不透明な辞退者の多さでゲンナリした、というのもあるだろう。

あとは開始時間の遅さがかなりのネックだったのではないか。テレビ放送との兼ね合いで日本戦が19時開始というのは13WBCからの流れだが、WBCではともかくプレミア12では通用しなかったようだ。野球はいつ終わるかわからないスポーツなのでこれはよくない。
高額とも言われるチケット料金だが、WBC1次R、2次Rの東京ドームでの試合と比較するとプレミア12のスーパーラウンドに限っていえばだいぶ安い。ただ、一部のWBCや今回のプレミア12決勝は2試合共通券だったので、2試合を観戦すれば特にプレミア12決勝戦のチケットはむしろ割安ともいえる。

 

2017WBC1次2次Rチケット 
指定A 10000円
指定B 7000円
指定C 4000円

2019プレミア12決勝戦・3位決定戦チケット
指定A 8000円
指定B 5000円
指定C 3400円

2019プレミア12SRチケット
指定A 6000円
指定B 4500円
指定C 2800円

 

しかし、週末はともかくコアな野球ファン以外からすれば、この代金で平日の19時開始の試合に足を運んでくれるほどの魅力ある大会ではなかったということだ。まずは日本戦の開始時間の再考だろう。
あとは今回のオープニングラウンドはメキシコ、台湾、韓国での開催でスーパーラウンドは日本だったが、それでいいのかという問題もある。とはいえ持ち回りで一国開催としてみても開催可能な国は限られている。それに、たとえば日本で開催するとして、オープニングラウンドを福岡、大阪、札幌、スーパーラウンドを東京としてみても、メジャーリーガー不在では侍ジャパンが入ってないグループのラウンドは集客が見込めない。そうなるとやはり現行システムのままが収益を考えれば妥当かもしれない。

 

魅力ある大会ではなかった、というのはもちろんメジャーリーガー不在も大きな要因の一つだろう。これは現状ではどうしようもない。メジャーリーガー出場が望めない以上は、やはりMLBに次ぐプロ野球リーグをもつ日本がイニシアチブをとって魅力的な大会を運営していくべきである。だが、当然なことにそこは公正な運営を求めたい。日本開催のスーパーラウンドでは全試合日本が後攻だった。貴重な収入源であることはわかるが、テレビ放送ありきの大会スケジュールも興ざめである。こういうことをされるとファンは冷める。
メジャーリーガーが参加する大会がWBC、参加しない大会がプレミア12という単純な色分けではあまりにも寂しいし、意味がない。アメリカや中南米諸国のチームは、メジャーリーガーが参加してないというだけで本気度が低いと思われてしまう。実際はそんなことはないだろうし、3位決定戦のメキシコ対アメリカなんかは最高の試合だった。でも、イメージとしてメジャーリーガー不参加でもトップチームを組めるアジア諸国のチームとはどうしても温度差があるように見られてしまう。今大会は東京五輪予選も兼ねていたので前回とは違う熱量を感じたが、それは次回の四年後には望めない。メジャーリーガー不参加の大会をどうやってWBCと差別化していくかが重要な課題だろう。

 

世界野球プレミア12への浅はかな提案

よく目にする提案として多いのがプレミア12に年齢制限を設ける、というやつだ。この案が現時点では最も妥当であり現実的だと思われる。それでは何歳以下に設定すべきかといえば、23歳以下がいいと思う。WBSC主催の国際大会はU-12、15、18、23のW杯、プレミア12とあってU-23W杯はすでに開催されているのだが、U-23を廃止してプレミア12と統合すればいいのではないか。U-23の大会が最も存在意義が薄いからだ。
メリットとしては、年齢制限のないWBCとの差別化を図れる。メジャーリーガー不参加によるアジアとアメリカ大陸との温度差が解消される。
デメリットとしてはまずは興行面だろう。トップチームではない野球の国際大会にどれだけの集客力があるのかは未知数ともいえる。そこで日本である。次のプレミア12開催は2023年だが、ここから5年間のU-18代表を基盤にしてプレミア12に向けてチームづくりをしていけばいいのではないか。そのためにもプレミア12を最終目標として、5年間のU-18代表とU-23代表の監督を兼任してもらう。となるとU-18代表監督はプロ野球監督OBに任せるべきではないか。今年のU-18代表でも監督の人選が色々と問題視されていた。そろそろ高野連主導のU-18代表を見直すべきではないのか。
日本では高校野球、甲子園の人気が非常に高いため、U-18代表は侍ジャパントップチームに次ぐ注目度の高さである。U-23代表をその世代のトップレベルのメンバーで組めば、かなり魅力的なチームができるのではないだろうか。たとえば今年のプレミア12をU-23代表で戦ったとするなら、5年前のU-18代表から対象となる。

 

2014年U-18代表
高橋光成(西武)、岡本(巨人)、浅間(日ハム)。代表外では甲斐野(ソフトバンク)、上茶谷(横浜)、辰巳(楽天)など。
2015年U-18代表
小笠原(中日)、高橋純平(ソフトバンク)、森下(明治大→広島)、宇草(法政大→広島)、平沢(ロッテ)、オコエ(楽天)など。
2016年U-18代表
今井(西武)、堀(日ハム)。代表外では山本由伸(オリックス)など。
2017年U-18代表
清宮(日ハム)、中村奨成(広島)、安田(ロッテ)。代表外では村上(ヤクルト)、種市(ロッテ)、平良(西武)など。


どうだろうか。当然、2018年のU-18代表も候補になるが、この世代は次の2023プレミア12を目指す世代になる。根尾、藤原、小園、吉田らと、記憶に新しい佐々木、奥川、西、森、石川らの世代が中心となる。

すでに所属チームのレギュラー、代表トップチームレベルの選手もいれば、実際に今年のプレミア12で大活躍した選手もいる。彼らを中心にしたチームをつくれば話題性も高く、いい代表チームになりそうである。話題先行では困るが、彼らが将来のメジャー候補であるアメリカやカリブ諸国の同世代選手たちと戦うのはなかなか楽しみである。
もちろん問題もある。プレミア12が4年ごとの開催なのでチームづくりは困難だろう。ようはU-18以上U-23以下の代表を常設するということだ。そこで定期的な大学代表との交流戦、プレミア12の中間年に開催されるアジアCSへの出場、春と秋の侍ジャパンシリーズのどちらかを若い世代の強化試合にするなどでチームづくりをしていくのもいいのではないか。

とまあ、長々と書き連ねてきたがすべては絵空事である。実現するとは思えない。仮に今後のプレミア12がU-23の大会になったとしても、侍ジャパンはベストな代表にはならないだろう。これまでのU-21、U-23でもベストチームとはいえなかった。だが、2014年のU-21代表には田口(巨人)、上沢、近藤(日ハム)、山岡(オリックス)、鈴木誠也(広島)などが選出されている。日本野球界が本気で取り組めば、将来のトップチームの基盤となるような代表をつくることができるだろう。やってよ。