侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄

侍ジャパンと、ユニフォームと

【侍ジャパンの歴史・記憶 07アジア選手権】明日が薔薇色に染まってしまった星野ジャパン12月の台中の死闘。

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2007年アジア選手権台中大会

日本代表メンバー

監督          
77 星野仙一       
コーチ         
88 田淵幸一       
80 山本浩二       
72 大野豊       
投手           
11 川上憲伸 中日
13 岩瀬仁紀 中日
14 小林宏之 千葉ロッテ
16 涌井秀章 西武
18 ダルビッシュ有 北海道日本ハム
19 上原浩治 読売
27 藤川球児 阪神
28 長谷部康平 愛知工業大学
60 成瀬善久 千葉ロッテ
捕手           
10 阿部慎之助 読売
22 里崎智也 千葉ロッテ
39 矢野輝弘 阪神
内野手         
6 井端弘和 中日
7 西岡剛 千葉ロッテ
17 荒木雅博 中日
25 新井貴浩 広島
39 宮本慎也 東京ヤクルト
52 川崎宗則 福岡ソフトバンク
55 村田修一 横浜
外野手          
5 和田一浩 西武
9 大村三郎 千葉ロッテ
23 青木宣親 東京ヤクルト
29 森野将彦 中日
41 稲葉篤紀 北海道日本ハム


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「週刊ベースボール」アジア選手権特集号


決勝リーグ第1戦

日本vsフィリピン

   1 2 3 4 5 6 7 R
PHL 0 0 0 0 0 0 0 0
JPN 5 0 0 0 1 4 X 10

(日)涌井、小林宏─阿部、矢野
【本】稲葉1号

決勝リーグ第2戦

韓国vs日本

   1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
JPN 0 2 1 0 0 0 0 1 0 4
KOR 1 0 0 1 0 0 0 1 0 3

(日)成瀬、川上、岩瀬、上原─阿部、矢野
【本】

決勝リーグ第3戦

台湾vs日本

   1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
JPN 1 0 0 0 0 0 6 0 3 10
TWN 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2

(日)ダルビッシュ、藤川、上原─里崎
【本】新井1号

基本オーダー

1 2B 西岡
2 SS 川崎
3 CF 青木
4 1B 新井
5 C 阿部
6 DH 村田
7 RF 稲葉
8 LF 大村
3 3B 森野


野球は北京オリンピックでの開催が最後となることが決定し、最後の五輪で絶対に金メダル、ということになった星野ジャパン。もちろんその前にオリンピック出場を決めねばならぬ。そのためのアジア地区予選大会であるのが2007年アジア選手権である。
2007年1月に日本代表監督に星野仙一の就任が決定。これまでの国際大会とは異なり、早い段階でのチームづくりを目指していた。とはいえ現在のように定期的な侍ジャパンの強化試合があったわけではなく、人選のために監督らが各チームを視察するのと他国の情報収集くらいしかすることはなかった。もちろん無駄ではないが。
代表メンバーは4番候補であった小笠原道大、3番候補の高橋由伸、貴重な先発左腕である杉内俊哉が手術やケガで辞退。戦力ダウンは明らかだった。

1次リーグにフィリピン、タイ、香港、パキスタンの4ヶ国が出場し、1位のフィリピンが決勝リーグに進出した。ちなみにタイの総監督には江本孟紀が就任していた。北京五輪への出場権は1位の国のみ。負ければ世界最終予選にまわらなければならない。世界最終予選は翌年のシーズン開幕前という厳しい日程であり、星野ジャパンとしてはこのアジア選手権で北京五輪出場を決めたいところであった。
決勝リーグ、日本代表の初戦はフィリピン戦。以前の代表チームなら初戦は上原浩治である。だが上原は所属チームでの諸事情により先発から抑えに配置転換されていた。というわけで星野ジャパンでも抑えを任せられ、松坂大輔はメジャー移籍で招集されず、日本代表の先発陣は世代交代を迎えることになった。
フィリピン戦の先発は涌井秀章である。6回を1安打無失点の好投。打線は初回に4番新井の3塁打で先制。阿部、村田もつづき5得点。だがその後は打線がつながらず、5回に稲葉のホームランでようやく追加点を奪う。6回にようやく打線がつながり4得点。7回コールド勝ちとなたった。

決勝リーグ第2戦は大一番の韓国戦。試合前から波乱が起きる。韓国のスタメンは、一時間前に交換したスタメン表とはまるで違うメンバーであった。だがこれは、あくまで大会前の監督会議で結んだ紳士協定であり、IBAFのルールではプレイボール前に監督同士で交換するメンバーが最終決定ということでルール違反ではない。ようは韓国にしてやられたのだ。
先発は成瀬善久。初回にホームランを打たれて先制を許すが、2回表に大村三郎のタイムリーで同点。韓国のエラーで逆転する。3回表には阿部慎之助のタイムリーで2点差をつけた。先発成瀬は4回に2点目を失い、川上憲伸にリレー。シーズン中ではあり得ないが6回途中から8回までを岩瀬が熱投。最後は上原で締めた。4対3というロースコアながら試合時間は4時間を超える死闘であった。五郎もテレビ観戦していたが、観ているこちらも胃が痛くなるような試合だった。

最終戦の台湾戦、先発はダルビッシュ有。勝てば北京五輪出場決定である。初回に新井のタイムリーで先制。だが6回まで追加点を奪えず、逆に6回裏にダルビッシュは台湾の主砲・陳金鋒に逆転ホームランを打たれてしまう。直後の7回表、無死満塁のチャンスでまさかの大村三郎のスクイズで同点。そこから打線がつながり大量6得点で試合を決め、北京五輪出場も決めた。

たかだか3試合の地区予選だが、試合数が少ないからこそ1敗が命取りとなる。点を取らなければ勝てないが、打線は水物である。特に短期決戦では計算できない。やはり投手力が重要であることを再認識するような大会だった。3ゲームとも投手陣が炎上することなく試合をつくった。これは先発ピッチャーの状態はいうまでもないが、やはり継投が重要ということだ。
星野監督は男気の監督である。これはポジティブな面もあれば、ネガティブな面もある。アジア地区予選ではこの星野監督の二面性がポジティブな面で、すべてがいい方向に転がったといえる。だが、逆に何かしらの課題が提示されていればと思わないでもない。たとえば韓国戦での岩瀬の起用法などは結果オーライではなかったか。もちろん当時はそんなことを考えることなどあるわけもなく、北京でも星野ジャパンはやってくれるはずだと、薔薇色の明日を何も疑うことなく信じていたわけだが。


出せ!小さくたって大声を