侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

侍Jメンバー発表 ニッカン2023年10月25日

侍ジャパンメンバー発表:日刊スポーツ

 

存在を、すっかり忘れていた。アジチャン? なにそれ? という感じで、たぶんみんなそうだった。

正式名称はアジアプロ野球チャンピオンシップ。

言葉が長い。名前だけで息が切れる。

だがその存在を思い出した瞬間、胸のどこかがチリチリと焦げる。あ、そういえば、そんな大会ありましたよね、と。

 

思い出すまでもなく、コロナ禍の混乱で消えたのだ。

開催中止。延期。無期延期。

無音のまま、空気のように消えていった。しかも過去一度きりの開催。規模は小さく、記憶も薄く、誰もその名を叫ばないまま時間の底で発酵していた。そんな大会が、6年ぶりに、ぬるっと、蘇った。

そう、まるで夢の中で見た幽霊が、朝の台所に立ってたみたいに。

 

 

 


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侍ジャパンのメンバー発表。

一面を飾るのは牧。神奈川の牧。あの牧が、である。チーム唯一のWBC組。

U-24という枠の中で、当然ながら牧が太陽であり、核であり、中心。彼を中心にチームが回る。惑星が重力に従うように。

運命が牧に吸い寄せられるように。

 

 


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そして、万波中正。WBC強化試合ではサポートメンバーとして帯同していたあの万波が、今回は正式に選出。

おお、なんともいえず、美しいではないか。努力が報われる瞬間というのは、たぶん音がする。「カチリ」と、見えない鍵が回る音がする。

そういう音がした。

それがアジチャンである。

 

国際大会だけど、4ヶ国しか出ない。日本、韓国、台湾、オーストラリア。

コンパクト。

でも、それがいい。密室的で、熱が逃げない。メジャーリーガーはいない。だが未来がいる。

未来が、そこかしこに転がっている。

 

 

 

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牧と同期の世代。佐藤輝明、今井達也、早川隆久。このあたりが、次のWBCではチームの主軸になるだろう。

その中でも、サトテル──佐藤輝明への期待は、もうほとんど神話の域だ。

タイガースの4番から、侍ジャパンの核へ。あの豪快なスイングの中に、「この時代を俺が殴り返す」という意思が見える。

覚醒という言葉が軽すぎる。

あれは、覚醒じゃない。暴発だ。

 

そして、そして。言わせてもらう。この場を借りてでも言いたい。

近頃の侍ジャパンメンバー発表前の小出し情報、あれ、ほんとにやめてくれ。やめてほしい。

もうダメ。耐えられない。

あの瞬間にしか味わえない「発表のトキメキ」を、お前たちはどれだけ台無しにしてきたんだ。あの、息が詰まるような発表の瞬間を返してくれ。半減どころじゃない。五割どころか、一割だ。

心拍数の推移で言えば、死んでる。

まったくもって、スカポンタン。