アジアCS決勝戦:日刊スポーツ
野球の国際大会ってやつは、どうにもモヤモヤしている。
最高峰のはずのWBCはアメリカの大会で、MLBが牛耳っている。つまり“世界一”なのに“アメリカ製”だ。
で、その下にあるのがプレミア12。名前はプレミア、でも扱いはセミ。主催はWBSC、つまり“本家”なのに“格下”という、この矛盾。存在と権威の矛盾、球と縫い目のディアレクティーク。
さらにアジア王者決定戦、アジアプロ野球チャンピオンシップ。名前だけ聞くとなんかすごそうだが、実際は日本・韓国・台湾・オーストラリアの4カ国でやってる。
地味だ。でも好きだ。
BFA(アジア野球連盟)が主催するアジア選手権は、ほぼアマチュアの大会。日本は社会人代表が出る。五輪が絡むときだけプロが出しゃばるのだが。
アジアCSはこれまで2回だけ。まだ2回。でも続けている。とりあえず続けることこそ、勝つことより難しい。
野球の神様もそこだけはちゃんと見ている。トーナメント表の裏側で、ちゃんと祈っているよ。
それでは行きます。スポーツ新聞の世界。

──そして2023年。世界一イヤーの有終の美。春にWBC優勝。夏にU-18初優勝。秋にアジアCS連覇。もう出来すぎ。こんなの脚本でも無理。だけど現実に起きた。
暗黒のコロナを越えて、人類が野球でつながった。すごい。泣ける。などと野球ファンだけは思ったり思わなかったり。
スポーツってこういうときだけ本当に人類の希望みたいな顔をする。
ずるい。でも、好きだ。

で、アジアCSの決勝。先発は今井達也。2点先制されて、どうなるかと思ったら、牧が打った。ホームラン。ソロだけど魂がこもってた。そして佐藤輝明が犠牲フライ。犠牲だよ。犠牲。あの一打に日本の美徳が詰まっていた。
このトリオは同世代。新たな侍を引っ張っる世代。さらに門脇がサヨナラ打。
ルーキーだよ。
日本は勝った。韓国に勝った。サヨナラで。球場が揺れた。井端が笑った。
侍ジャパンが、船出した。
最高だ。最高すぎる。すぎるって言うな。
──で、次のアジアCSはいつ?2026年らしい。知らんけど。
たぶんまたWBCの年の秋。
このあたりのスケジュール感のゆるさも野球の国際大会だ。まるで部活の合宿みたいなノリで決まるのだ。「まあ来年あたりやるっしょ?」みたいな感じで。
でも、それでもいいのだ。
続いてほしい。続けることが、いちばん尊い。打率よりも打点よりも、勝率よりも、続けること。それが野球であり、それが生きるということだ。