侍Jシリーズ韓国戦2
祝日である。暮らす世間様は黄金週間などと浮かれ腐り、猫も杓子も外へ這い出しては、春の陽気に脳味噌を蕩けさせている。ところがどうだ。わたしは働いている。
ぎりぎりと奥歯を噛み締め、お菓子を買ったり、えびドリアを注文したりするために働くプロレタリアートである。
ふと窓の外を見れば、あな恐ろしや。職場の目の前の道路が封鎖され、そこでは「祭り」などという、実態の知れぬ狂乱が執り行われている。
向こう側は歓喜の坩堝、こちらは労働の地獄。この断絶感。この溝。もはや日本海溝どころの騒ぎではない。銀河系とアンドロメダ星雲ほどの距離がある。
さあ、ようこそ侍ジャパン・スポーツ新聞アーカイブへ。

さて、WBC2026に向けたセレクション強化試合の対韓国・第2戦である。
WBCもまだ先、大リーグの猛者たちも不在のせいか、世間の注目度はあまり高くはないのであろう、スポルツ新聞各紙、知らぬ存ぜぬの構えを決め込む中、ただ一紙、デイリースポーツだけが狂ったように一面で吠えている。
そこには森下がいた。躍動していた。紙面を突き破らんばかりの勢いであった。
侍ジャパンは、あの2015年の第1回プレミア12準決勝、いわゆるひとつの「東京ドームの悪夢」という、思い出すだに腸が煮えくり返る敗北を喫して以来、韓国には一度も負けていない。
今回も負けはしなかった。しかし、勝ってもいない。あろうことか、満を持してマウンドに登った大勢が、土壇場で追いつかれてのドロー。
強化試合とはいえ、わたしは見た。来春のWBCに垂れ込める暗雲を、はっきりと透かして見たのである。もちろん嘘である。
韓国やるよねー、危なかったねー、などと、悠長なことをぬかしていた。
発行日:2025年11月17日
新聞名:デイリー
大会:侍Jシリーズ2025
対戦カード:侍ジャパン vs.韓国
内容:試合結果と主力選手の活躍