さて、いよいよ7月28日に開幕する東京オリンピック野球競技。なんやかんやで無観客となってしまったが、まあ中止よりはマシである。開幕したら一体どうなるのだろうか、不安がないわけでもないのだが、だんだんと見たい気持ちが強くなってきて、やはり抑えきれない。
というわけで東京五輪野球競技に出場する国の中から、テレビ越しに熱視線を浴びせたい選手たちを紹介しておきたい。
東京五輪の注目すべき選手
アメリカ代表
トッド・フレイジャー(独立リーグ)
右投右打
MLB通算 打率.242 打点636 本塁打218
レッズやホワイトソックスなどで活躍。オールスターに2度出場している。大谷翔平が出場したオールスターのホームランダービーが話題となっていたが、フレージャーはかつて優勝している。
全盛期は過ぎているが、今シーズンも開幕はメジャー入りしていた。
シェーン・バズ(レイズ3A)
右投右打22歳
160キロのストレートに多彩な変化球で三振の山を築く剛腕ピッチャー。メジャー昇格間近とも言われていて、日本のフレッシュオールスターである、今年のフューチャーズゲームにも出場している期待の若手である。
韓国代表
李義理
イ・ウィリ(起亜タイガース)
左投左打
今年の高卒ルーキーで、19歳という若さで代表入りを果たした。制球力とキレが抜群のストレートが非常によくて、奪三振能力が高い。オリンピックでとても楽しみな選手の一人である。
李政厚
イ・ジョンフ(キウム・ヒーローズ)
右投左打
名古屋生まれ韓国育ちの安打製造機。元中日ドラゴンズで2006WBCにも出場した李鍾範(イ・ジョンボム)の息子である。
2017年のルーキーイヤーに韓国リーグの歴代新人最多安打記録を23年ぶりに更新した。これから先、韓国代表の中心選手となるであろう逸材であることは間違いない。
ドミニカ共和国代表
フリオ・ロドリゲス(マリナーズ1A)
右投右打
まだ20歳で、メジャーデビューはしていないが、近い将来のスター候補選手。彼のプレーを日本で生観戦することができるというだけで、とてつもない価値があると思っていたが、無観客での開催となってしまった。
左右に長打を打ち、強肩守備も魅力の期待の新星である。数年後に、ああ東京五輪に出てた、という選手になっていればいいね。
イスラエル代表
イアン・キンズラー(独立リーグ)
右投右打
MLB通算 打率.269 打点909 本塁打257 盗塁243
2006年に、レンジャーズでメジャーデビュー。二塁手としてゴールドグラブ賞を2回。オールスター出場4回。通算1999安打。
俊足巧打の内野手。得点圏にランナーを置いたときに勝負強さを発揮する。走塁技術も高く、また守備範囲も広い。というのもすべては現役時代の話だが、オリンピックでどれくらいのパフォーマンスを見せてくれるか楽しみである。また、マイナーリーグ中心のチームで精神的支柱になることは間違いないないだろう。どうやってイスラエル代表を引っ張っていくのかも注目である。
メキシコ代表
エイドリアン・ ゴンザレス(メキシカンリーグ)
左投左打
MLB通算 打率.287 打点909 本塁打317
2004年にレンジャーズでメジャーデビュー。その後、パドレス、レッドソックス、ドジャースなどでプレー。2014年に打点王を獲得。2018年にメッツを退団。
広角に打ち分ける左の中距離バッターである。一塁守備の評価も高い。代表への思い入れは強く、第1回からWBCに出場している。だが第4回となる2017WBCでは、運営側の不手際に対しては怒り心頭となり、二度と出ない、と宣言していたがどうするのだろうか。まあ、もう歳だが。
2021年、東京五輪出場を目指してメキシカンリーグで現役復帰した。そのことで前代表監督が東京五輪開幕2ヶ月前に解任されたりと、ゴタゴタしていたのだが、そのことがチームに悪影響を与えていないことを祈る。
元メジャーリーガーにキャッキャしつつも、将来のスター候補選手に注目してみるのが、やはりオリンピックの野球の楽しみ方の一つである。
さかのぼって、ロス五輪ではマーク・マグワイア、シェーン・マックが大学生で出場。ソウル五輪ではティノ・マルティネス、ロビン・ベンチュラが。バルセロナ五輪にはジアンビ、ガルシアパーラ、ジェイソン・パテリックらが出場。アトランタ五輪にはマーク・コッツェイらが。シドニー五輪ではベン・シーツ、マイク・キンケード。北京五輪ではストラスバーグが唯一の大学生で選出されていた。
このように過去のオリンピックでも、後のスター選手が出場している。メジャーリーガーが不参加で、さらには東京五輪では6ヶ国しか出場しない、これでは世界一を決める大会とはいえない。確かにそうだ。だから、オリンピックの野球競技はそういう楽しみ方をしても意味がない。オリンピックの野球競技は今を見つつ、未来を見る大会でもあるのだ。