侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

「週刊ベースボール」日本代表特集号(11)

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通常は国際大会ごとにまとめてお届けする、「週刊ベースボール」の日本代表特集号記事だが、今回は単発である。

先日、神保町の古本屋で見つけて買ったのだが、他に合わせる号が無いので単発である。

もうすぐ第45回日米大学野球選手権大会が開幕するので、単発である。

いつもの日本代表特集号に比べると寂しいのだが、これこそまさに日本代表が表紙を飾った初の「週ベ」ではないだろうか。過去記事で、シドニー五輪特集号が日本代表初の表紙でないかと書いたが違った。トップチームではなく大学代表だが、とにかくこちらが16年も前に表紙を飾った。

さらには通常号ではなく増刊号で、'84大学野球秋季リーグ戦展望号である。プロ野球ではない。ひたすら大学野球である。

第13回日米大学野球選手権大会を特集しているので買ってみたのだ。

 


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大学日本代表の広澤と、大学アメリカ代表のマーク・マクガイア!

シーズン70本塁打、通算583本塁打のスラッガーであるマーク・マクガイア。とはいえステロイド(筋肉増強剤)の使用による記録なので興醒めではあるのだが、広澤と語らうこの頃はきっともっとピュアだったのではないか。

などと勝手に想像したりして生きている。可能な限りは生きている。

 


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ゴールデンボーイ対談である。

マーク・マグワイア、いやマクガイアだ。

あくまで活字なので実際のところは不明だが、マクガイアくんは実に爽やかだ。広沢くんマクガイアくん、と呼ばれて対談は進行するのだ。

日米大学野球の日程は7月9日から7月21日までで、ロス五輪の野球競技は7月31日からである。

二人とも日米大学野球終了後にトップチームに合流して、オリンピックに出場している。

 


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というわけで1984年の第13回日米大学野球選手権大会とロサンゼルス五輪を特集した号である。

特集というほどではない、というか特報で、大学野球秋季リーグ戦展望号のためかロス五輪よりも日米大学野球のほうがウエイトを占めている。

 


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日米大学野球の熱戦ハイライト。

大学日本代表には河野博文、阿波野秀幸、秦真司、和田豊などの名前が。

結果は6勝1敗でアメリカ代表の圧勝。これだけの力量差を見せつけられると、この後のロスの奇跡がより光り輝くというわけだ。

 


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ロス五輪のメダル授与式。

ドジャースタジアムで日本がアメリカに勝った歴史的1日。そしてここからふたたび、五輪という舞台で日本代表が金メダルを手にするのに40年以上の月日が必要となるとは。

 


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オマケ。

東京大学の選手一覧。元NHKで、現在は「報道ステーション」でキャスターを務めるあの方がいます。

大学日本代表にも選ばれたことがあるんよね。

 

最後にひとつ。

日米大学野球と、ロス五輪での金メダル獲得についての全日本大学野球連盟会長・滝口宏のインタビュー記事から長くなるけど抜粋。

 

「野球をオリンピックの正式種目にしようとする。私は、こんなことはどっちでもよいと思う。主要な議題ではないはずです。しかし、日本の野球が国際試合というものになるべく出てゆくことの効果は、何であるか、というのが問題なんですよ」

「国際試合を奨励したいと私がいってるのはべつに、その国際試合でもって日の丸揚げてこい、という意味じゃないんですよ。それよりも、もっと多くの日本人が、ことに長いあいだ鎖国をやっていたんだから、それでなくとも日本人はどちらかというと、律儀者が多いし、硬すぎてね。なんか悲壮感をもって、いろいろな競技に臨んでいるでしょう。そんなことではいけないわけですよ。もっと青年の間の、よく使われているほんとの意味での、“祭典“であること。世界の野球が好きな諸君か集まってきて、そこでもって融和する、そういう方へもっていきなさいと」

 

国際大会の意義を端的に言ってしまうと、こういうことになるんじゃないかと思う。

世界のベースボールが好きな連中が集まって、競技者も、観覧者も「祭典」で融和するのだ。それが国際大会だ。

悲壮感なんかいらない。