侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。基本的には月曜、木曜更新です。

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【2020年の侍ジャパンU-18代表】

この異常事態における侍ジャパンU-18代表


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先日、埼玉西武ライオンズvs北海道日本ハムファイターズの試合で、侍ジャパンU-18代表の仲間たちが三人揃った。今井と堀と鈴木将平の三人が揃ったのだ、ということを書いたが、その後の試合でも同様に揃った。お得感が薄れた。そういうことではないのだけれども。

この夏は各都道府県で独自大会が開催中の高校野球である。10日月曜日からは甲子園で選抜出場高による交流試合がはじまる。今日からは五郎が住む埼玉県でも夏季大会が始まった。いきなり非常に馴染みのある蕨高校武南高校の対戦である。これは蕨ダービーである。べつに住んでるわけでも出身高校でもないが、馴染みがあり。
で、9月に台湾で開催予定だったBFA U-18アジア選手権は、12月に日程が延期された。ということはすでにお伝えしている。今年の12月に日本が、世界がどうなっているかは不明だが、果たして日本がこの選手権に参加するのかどうか。慎重に話し合うべきだろう。だが参加すべきか辞退すべきかの選定は秋くらいにすることにして、ここでは参加することを前提にして書いていきたい。

これは2014年、2016年、2017年と3度にわたり、コーチとして侍ジャパンU-18代表を支えた享栄高等学校硬式野球部・大藤敏行監督による、異常事態である今年の侍ジャパンU-18代表への指南である。

今年は夏の甲子園大会が中止、であることから今までにない選手選考になるだろうが、逆に新しい形を模索することができるわけでもある。例年だと、日本代表は甲子園が終了後にチームを編成、直後に始まるU-18ワールドカップアジア選手権に出場するのだが、準備の時間が足りないわけである。その点においては、甲子園が中止となったことで準備期間をじゅうぶんに取れるわけである。
例えば木製バットへの対応である。WBCにおけるメジャーボールへの対応のように、高校生は金属バットから木製バットへのアジャストを求められるのである。その準備が今年は例年より長く取れるというわけだ。
夏の甲子園中止という高校球児にとって何よりも大きな喪失感も、U-18代表に限って言えばプラスに働くかもしれない。甲子園が終わって、いつもと違う代表メンバーでの海外遠征は、燃え尽き症候群もあり、修学旅行のような気分になるのも18歳では無理もない。だが、今年は甲子園がなく、燃え尽き症候群どころか不完全燃焼の想いが強いだろう。甲子園の分も、代表チームで暴れてやる、と例年とは違うモチベーションをもって大会に臨むのではないか。
これらの好条件が揃うが、これを機に見直すべき面もある。2018年以降はアジア選手権で3位、2019年もU-18ベースボールワールドカップで5位という結果に終わった。特に、昨年は本職がショートの左打ち内野手を6人招集。慣れない守備位置にコンバートしての起用に、8試合で9失策と持ち前の守備が影を潜めた。国際大会、短期決戦で限られた人数で戦うにはユーティリティ選手は重宝するが、集めすぎも破綻を招くことが証明されてしまった。本職がいないのも問題なわけである。

日本がとるべきチーム編成とはどのようなものなのか。大藤監督は今井達也投手(埼玉西武)、藤平尚真投手(東北楽天)、堀瑞輝投手(北海道日本ハム)ら屈指の好投手を擁した2016年のチームが目指す形ではないかと語った。2017年のチームは清宮幸太郎内野手(北海道日本ハム)や中村奨成捕手(広島東洋)、安田尚憲内野手(千葉ロッテ)といった長距離砲が複数いたが、結局は本大会ではつながらなかった。国際大会になればアメリカや韓国以外でも、チームに1人は150キロを投げる投手がいる。それをいきなり不慣れな木製バットで打つのは困難である。やはり打線は計算できないと考えた方がいい。
また、選手選考にはもう1点、戦力以上に重要視される要素がある。それは、チームをまとめるリーダーの存在だ。そしてそれこそが、甲子園中止の影響が最も懸念される点でもあるという。
全国から選ばれた選手たちは、ほぼ初対面となる。さらに、それぞれ地元では注目を浴びるスターたちなのだから、これをまとめるのは至難の業だ。例年であれば甲子園で活躍した選手、マスコミ報道の多い選手を中心にして、自然とチームが形成されていくらしいが、今年はそんな圧倒的な個性を持つ選手が生まれにくい状況である。
メディアで取り上げられている選手は周囲からも一目置かれ、本人も注目されることに慣れている。短期決戦であればあるほど、監督・コーチではなく、選手内でリーダーシップを取れる選手の存在が重要になってくる。いわゆる甲子園のスターが不在の中で、強烈なリーダーシップを放つ選手をどう発見し確保するか。これも重要な課題である。

 

一人一人がそれぞれの場所で踏ん張るんだ!でもがんばらない!怠けないこと!