第6回U-15ワールドカップについて
第6回WBSC U-15ワールドカップは、8月16日から25日までコロンビアのバランキージャとカルタヘナ デ インディアスで開催される。
出場チームは5大陸から計12チーム。12チームは16日から20日にかけて戦われるオープニングラウンドで、2つのグループに分けられる。
オープニングラウンド終了時の順位上位3チームがスーパー ラウンドに進出する。スーパー ラウンドの1位と2位は決勝戦へ進み、3位と4位は3位決定戦へ進出する。
この大会(前身のAAワールドカップを含む)の歴史上最も多くのタイトルを獲得しているアメリカは大陸予選から不参加、キューバは予選敗退で今大会には出場しないため、タイトルをめぐる争いは熾烈な戦いとなりそうである。
グループA
日本(世界ランキング1位)
ドミニカ共和国(9位)
プエルトリコ(12位)
コロンビア(13位)
イタリア(14位)
グアム(33位)
日本は1989年と1990年の最初の2大会で優勝したが、再びタイトルを獲得することができていない。この大会で計5回の表彰台に上っているが、最後の表彰台は2016年日本開催の準優勝である。
ドミニカ共和国は4度目の出場となる。同国が初めて出場したのは1994年のメキシコ大会で、初出場で決勝まで進んだが、キューバに敗れた。
以降は2011年にメキシコで11位、2016年にパナマで6位となった。今回のアメリカ大陸予選では決勝でプエルトリコに4対5で敗れた。
アメリカ大陸予選全勝優勝のプエルトリコは、U-15ワールドカップへの出場は2度目となる。2022年にメキシコ大会で初出場し、5位に終わった。
コロンビアは開催国として、ワイルドカードを獲得した。U-15ワールドカップへの出場は3度目となる。2016年の日本大会で初出場し6位、2022年メキシコ大会では9位だった。
ヨーロッパ大陸代表のイタリアは、10年ぶりのU-15ワールドカップ出場となる。前回出場は2014年メキシコ大会で、12位に終わった。
ヨーロッパ予選では決勝でオランダに14対4で敗れ、準優勝しであった。
グループAで最もランキング下位のチームはオセアニア代表のグアムである。オセアニア予選でニュージーランドに3戦先勝で勝利し、2年連続でU-15ワールドカップ出場権を獲得した。
2022年には、開幕戦で南アフリカを10対8で破り、U-15ワールドカップで初勝利を収めている。
グループB
メキシコ(世界ランキング2位)
台湾(5位)
ベネズエラ(6位)
オランダ(7位)
ニカラグア(20位)
南アフリカ(34位)
メキシコは、U-15ワールドカップに13度目の出場となる。メキシコ代表の最高位は2009年の台湾大会での3位である。
アメリカ大陸予選では3位となり、本大会への出場権を獲得した。
台湾は、U-15ワールドカップで1991年のオーストラリア大会で優勝、さらに準優勝5回、3位には4回なっている。
本大会への出場は17回目で、総出場回数では日本に次ぐ記録となっている。
アジア予選では日本に6対4で勝利し、本大会出場の切符を獲得した。
ベネズエラは11度目の出場で、2012年に優勝、2001年に準優勝、1998年と2014年に3位になっている。
オランダは、ヨーロッパ大陸予選でイタリアに14対4で圧勝し優勝、本大会への出場を決めた。
オランダは、U-15ワールドカップで初の表彰台に上ることを狙っている。最高成績は、2011年のメキシコ大会での7位である。
ニカラグアは、2012年のメキシコ大会での6位入賞以来、2度目の出場となる。アメリカ大陸予選では3位決定戦でメキシコに敗れたが4位となり、本大会出場を決めた。
今大会で最も下位のランクがアフリカ大陸を代表の南アフリカである。
南アフリカは8度目のU-15ワールドカップ出場となるが、2018年の中国戦5対3での勝利が唯一の白星である。今大会では歴史的2勝目を目指す。
侍ジャパンU-15代表対高校生
第6回 WBSC U-15ワールドカップ(コロンビア)で優勝を目指す侍ジャパンU-15代表の直前合宿が千葉県のNTT東日本グラウンドで行われた。
初の実戦(7イニング制)の相手は春の選抜ベスト4の中央学院高。野球界にとって、実に大きなマッチアップである。
U-18代表候補選手強化合宿にも招集された颯佐心汰ら多くの3年生がスタメンを占めるフルメンバー相手にU-15代表は、サヨナラ負けとなったが、3対4という互角の試合を展開した。
さらに翌日には、千葉県を代表する強豪校であり、昨年春夏と甲子園出場の専大松戸と7イニング制(+1イニングの延長タイブレーク練習)で対戦した。
新チーム(1、2年生)の主力野手と3年のプロ注目バッテリー(梅澤翔大と中山凱)という専大松戸に対し、2対6と善戦したU-15代表。
井端監督の尽力によって実現したU-15代表と高校生の交流戦を今回だけの一過性のものとせず、高校代表と大学代表のように定期的な対戦になってほしい。
また、昨年まで率いたU-12代表同様に「一切バントせずに打ち勝っていきたいです」と井端監督は語っていて、その真意を問われると「僕はバントするタイプの選手でしたが、中学生の時はしていませんし、バントや小技は“こういう選手になりたい”という強い意志が無いと身につかないものなので」と説明していた。
前大会ではスーパーラウンドのキューバ戦で、球数オーバーの規定違反があり没収試合となり、さらには3位決定戦を前にしてチーム内に7人の新型コロナウイルス感染者が出たことで、棄権となり悔しい終わり方だった。
是非とも今回は悔いのないよう、フルスイングで打ち勝ってほしい。