ヤディア・モリーナ、プエルトリコ代表監督としてふたたびWBCの舞台へ
ヤディア・モリーナ──その名を聞けば、彼のキャリアの数々の栄光が、まるで映画のワンシーンのように鮮明に甦る。
MLBでの19年間という長きにわたる戦いの中、彼は数え切れないほどの瞬間を刻みつけてきた。そして今、再びその伝説が動き出す。
舞台は2026年、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。
モリーナは、プエルトリコ代表監督として二度目の指揮を執ることとなった。
セントルイス・カージナルス一筋で過ごした彼の時代は、文字通り、野球界の一時代を形成している。
通算2224試合出場、ワールドシリーズ優勝2回(2006年、2011年)、ゴールドグラブ賞9回、オールスターゲーム選出10回という、まさに栄光の連続である。
WBCの舞台でも、彼の存在感は際立っていた。
2006年の第1回大会では選手として、2013年と2017年には正捕手として、プエルトリコを準優勝に導いた。
そして2023年、引退直後の彼は監督という新たな役割を担い、チームを指揮するも準々決勝でメキシコに敗退。
しかし、その敗北は彼の物語の終わりなどではなく、次なる章の始まりに過ぎなかった。
2026年、モリーナの指揮するプエルトリコ代表は地元開催のプールAで頂点を目指した戦いに挑む。
対戦相手はカナダ、キューバ、コロンビア、そしてパナマ。
フランシスコ・リンドーアを主将に据えたプエルトリコ代表は、かつてないほどの結束を見せるだろう。
その背後には、地元ファンの熱狂的な声援が渦巻くスタジアムがあり、そこに込められた期待と希望は計り知れない。
モリーナはその中心に立ち、選手たちを導く。彼のリーダーシップは、単なる技術や戦略に留まらず、精神的な支柱としての役割を果たす。