侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

「Number」日本代表特集号 2014~2023編

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初めて「Number」を読んだのがいつだったか、よくはおぼえてないが、まあ小学生だとは思うが、いつもの「週刊ベースボール」とは違うなあ、と思ったことはよく覚えてる。子供のくせに生意気だが、そんなことを思ったのだ。

なんというか、「週ベ」には公平性、というかフラットな視点を感じるが、「Number」には独特の主義・主張を感じるのだ。また、「週ベ」は毎週買っているので、日々の暮らしに寄り添う、欠かせないピースなわけだが、「Number」を買うのはほぼWBC開催のときくらいである。たまに引退特集やライオンズ特集を買うこともあるが、それもたまにだ。だから僕にとっては「Number」はスペシャルな時間だ。でもスペシャルな時間だけでは人生は進まない。

さあ行こう!

 

 

「Number」865号

一発目でいきなり申し訳ないが、厳密には侍ジャパン特集号ではない。「BASEBALL FINAL」とあるように、いわゆる日本シリーズ特集号である。
とりあえず大谷翔平藤浪晋太郎が表紙なので掲載しました。
2014年の日米野球開幕前の特集で、藤浪は第4戦、大谷は第5戦に先発している。
「スペシャル対談1 新世代エース編」が、二人の対談である。次のWBC2017に一緒に出れたらいいよね、などと発言していたが、大谷の辞退により叶わなかった。9年前の記事だが、とにかく大谷翔平が若い。
「スペシャル対談2 異次元スラッガー編」では柳田悠岐糸井嘉男の超人対談。あまりジャパン色はないが、対談としてはかなり面白い。柳田はWBCとは相性が悪く出場なしである。
さらに、この時代の日本のエースと呼ぶべき投手・金子千尋インタビュー。金子もなぜかWBCとは縁がない。日本代表招集はこのときの日米野球のみである。実に惜しい。
二塁手新時代として菊池涼介山田哲人を比較し論じている。事実、このあたりから約10年日本代表の二塁手はこの二人で争われた。
最後に「野球日本代表 DREAM TEAM編成会議」で、4人のライターがWBCなどの国際大会ではなくMLBに挑戦する日本人チームを編成する。こういう企画は10年くらいして見返すと、時の流れを感じてかなり面白い。

 

 

「Number」924号

 

WBC2017特集号「侍ジャパン、激闘の記憶」である。
やはり北京五輪同様に準決勝敗退という結果だったが、北京五輪のときほどの悲壮感はない。むしろ大会前には「史上最弱の日本代表」と揶揄されていたせいか、健闘を称える声が大きい。内容もかなり充実している。
まずは「大会総括」として、小久保ジャパンの4年間を総括している。
そして準決勝リポートに、菅野智之菊池涼介千賀滉大権藤博筒香嘉智&中田翔らの取材記事。
「それぞれのWBC」では小林誠司山田哲人内川聖一を取り上げている。
決勝のアメリカvs.プエルトリコ戦レポート、「強豪国のWBC」「アジアの凋落と第三勢力」などの記事もある。
当然のことに侍ジャパンの1次ラウンド、2次ラウンドの詳細もあり、「侍ジャパンをどう見たか」では今後の課題を検討している。
最後に、西川美和の「野球の国に生まれた幸せを」というエッセイが素晴らしい。偶然にも、僕も観戦した東京ドームでの2次ラウンド・オランダ戦を見てのエッセイだが、とにかく文章が美しい。しかも次のステージへと向かいはじめた野球日本代表への的確な眼差しは鋭く、日本の野球ファンと選手との相思相愛ぶりに胸アツになる。読んでいて、まさに野球の国に生まれた幸せを僕も感じた。

 

 

 

 

 

 

「Number 」1069号

WBC2023 PREVIEW「大谷翔平とサムライの論点」である。なにやら難しそうだが、とにかく14年ぶりのWBCプレビュー号である。
まずは大谷翔平特別インタビュー「30年後の日本野球のために」だ。大谷翔平がWBCに参戦することに異常なほどに拒否反応を示し、反発する自称大谷翔平ファンに是非とも読んでほしい。己の底の浅さを感じてくれたら幸いだが、おそらくは何も感じてはくれないだろう。
さらに大谷翔平絡みの記事がいくつかあり、「ダルビッシュ塾がもたらしたもの」という宮崎キャンプレポートである。やはり大谷参戦以上に、侍ジャパンの最重要事項が、ダルビッシュ有の宮崎キャンプからの合流だ。イチローが言うように、このダルビッシュの意志は受け継がれなければならない。
さらに、ヌートバー、吉田正尚の取材記事。「栗山ジャパン5つの論点」に、個人的に最もインパクトのある記事だったのが「2017の教訓」である。前大会のスコアラー・志田宗大による衝撃的な告白であった。必読である。
そして出場20ヶ国選手名鑑&ガイド。アメリカ、韓国、キューバの現在地。そして、日本での熱狂的だが偏った報道からは見えてこないWBCの真実の一面を「WBCに熱い国と、冷めた国」で伝える。
開幕前のこの熱量に胸を打たれた。やはり第5回大会はすごいWBCになりそうだと、期待は大きくなるばかりだった。

 

「Number」1070号

WBC永久保存版「日本野球、世界を制す」である。
まずは大谷翔平。大谷翔平決勝戦最後のマウンドの裏側を栗山監督目線で語る。栗山監督と大谷翔平の不思議な関係性が垣間見える。
そこから栗山英樹監督、吉田正尚、ラーズ・ヌートバーらのドキュメントである。

栗山監督の信じ抜く力。監督が何度も繰り返し口にしていた「勝ち切る」と同様に、まさに「信じ切る」という信念が大きな力を引き寄せた。

吉田正尚「トップチームのユニフォームを着てプレーすることを目標に、ずっと自分の野球人生を進めてきた」という優勝後の発言に涙。野球界全体がこの方向に向かえばいいのになあ、と思う。

ヌートバーのインタビューも涙なしには読めない。なぜか彼が絡むと涙腺が緩むんだ。
そして決勝ラウンド3試合のリポート。

決勝アメリカ戦の解説は松中信彦、キーマンに戸郷翔征。

準決勝メキシコ戦の解説は宮本慎也、キーマンに村上宗隆。

準々決勝イタリア戦の解説は渡辺俊介、キーマンに岡本和真。
三人のキャッチャーにフォーカスした「勝利を繋いだ三位一体」を読むと、三人のキャッチャーと村田バッテリーコーチの存在がどれだけ重要だったかよくわかる。なんか泣けた。
最後に1次ラウンドを谷繁元信が総括している。

永久保存版にふさわしい、濃密な内容である。

 

 

「Number」Special Issue

「完全保存版 侍ジャパン 頂点の記憶 WBC2023 THE BRIGHTEST MOMENT」である。永久保存版の次は完全保存版である。

内容は、「THE SCENE」では全7試合をあらためて詳細リポート。「侍たちの肖像」では出場全選手を丁寧にリポートしているまさに完全版だ。
いきなり目に入る表紙の大谷翔平のショットが素晴らしいと、個人的に思っている。

決勝か、準決勝前の整列での一枚。全員(村上以外)がグラウンドを見つめているなか、なんともいえない表情でカメラを見る大谷翔平のショットである。優勝の瞬間の大谷翔平、トロフィーを持つ大谷翔平などがお決まりのなかで、最後にすごい一枚を持ってきたと思う。

大谷翔平という異次元のプレイヤーの魅力が、この一枚に詰まっている。この表紙だけでも買う価値がある、そんな一枚の写真だ。
表紙だけでいくらでも語ることができそうなくらい、さすがのグラフィックの素晴らしさである。もちろん中身も素晴らしい。ただただ眺めるだけの写真集として買いたいくらいだ。
というか、「Number」はテキスト一切なしの侍ジャパン写真集を販売してもいいのではないか。ただただ侍ジャパン最上級のビジュアルだけを集めた無言の書籍。欲しいなあ。

 

さて、思いつきではじめた「Number」日本代表特集号まとめ記事だが、第2弾は新型コロナ感染拡大があったとはいえ、足かけ10年にわたるまとめ記事でる。次の第3弾は果てしていつになるだろうか。なんてことをふと考えた。そのときにもこのブログが何らかの形でつづいてますように。

と思っていたら、2023年はまだ終わってなかった。さらに二冊、追加しました👇

 

 

 

 

 

「Number」1077号

 

侍ジャパン特集、というわけではないのだが、この二人が表紙を飾ったら買うしかないだろ。

野球に学ぶ組織論「団結力は、いかにして生まれるのか」という特集で、WBC秘話としてヌートバーの独占インタビュー、栗山監督、さらには第1回WBC王ジャパンのドキュメント記事!

ヌートバーのインタビューはチームの裏話が満載で面白かった。やはりダルビッシュは最高の男であることがあらためてわかる。

栗山監督のインタビューで「本来、起こった出来事そのものにはプラスもマイナスもないし、幸も不幸もない。それをプラスにするかマイナスにするかは、出来事の後なんです」という発言があった。源田壮亮に関係したことだが、これを読んだとき、すー、っとなった。

そして王ジャパン。王ジャパンで結束が強まった出来事といえばもちろんアメリカ戦でのボブ・デビッドソンによる世紀の誤審だろう。あれでチームだけでなく日本国民も結束した気がする。

とまあ、侍ジャパン特集ではないのだが、ファンは買うべき一冊だろう。

 

 

「Number」1086号

 

もうないかな、と思っていたら、2023年最後のふり返りで侍ジャパン!大谷翔平!

なんか色々あった2023年の「甦る死闘」だ。2023年の特集なのでやはり侍ジャパン特集ではないが、このオオタニサーン、を表紙にされたら買うしかないでしょ。

まだ隠していたのか!って感じの大谷翔平秘蔵写真を惜しみなくさらしてくれた。特に見開きの一枚はなかなかの衝撃である。この一枚のためだけでも買う価値がある。

WBC決勝「7人で繋いだ魂のリレー」は今永、戸郷、高橋宏、伊藤大海、大勢、ダルビッシュ、そして大谷翔平という決勝の投手リレーの裏側をあらためて語る、語る、語る!

他にも阪神タイガースにバスケットボール日本代表、バレーボール日本代表、ラグビー日本代表などなど、嗚呼、2023年は色々あったなあ、としみじみしたりするのさ。

 

では、今度こそ、しばしの別れだ。「Number」での侍ジャパン特集はほほWBCなので次は3年後、でも数冊たまってからのまとめ記事なので、果たしていつになるかな?