侍ジャパンの新たな11人の先行者たち
3月に始まるWBC2026へ向けて、侍ジャパンは、まだすべてを明かさないまま、新たに11人の名前を差し出した。
発表というより、静かな確認作業のようでもあった。
その中で、MLB組として追加されたのは菅野智之、ただ一人。
オリオールズからFAとなり、所属先が宙に浮いた状態での選出だ。
それでも、代表首脳は迷いを見せなかった。本人と話し、こちらの思いと本人の意思が、同じ方向を正しく向いていることを確かめた。
向こうで1年を投げ、結果を残したという事実が、その判断を後押しした。
所属先よりも、時間の方が重要だったのだろう。
一方で、前回大会の象徴とも言える名前は、まだここにない。
ドジャースの山本由伸、ホワイトソックスの村上宗隆、ブルージェイズの岡本和真。
意思は届いているが、正式な手続きは届いていない。待つしかない、というより、待つ時間もまた代表活動の一部なのだ、という言い方のほうが近い。
前回が投手中心だったのに対し、今回は野手が多い。それは補強というより、物語の配置換えに見える。
初選出の佐藤について語られたのは、数字ではなく距離だった。
飛距離。
日本球界で最も遠くへ届く可能性を持つ打球。そこに昨季、確実性が加わったという評価は、未来形の期待として十分だった。
源田は、すでに証明を終えた選手だ。
ケガを抱えながら出場した前回大会の記憶が、まだ新しい。守備は日本の頂点。打撃は派手ではないが、消えない。
しぶとさ、という言葉が、ここでは最も正確だ。
11人の名前が発表されたが、完成図はまだ見えない。ただ、輪郭だけが、少しずつ濃くなっていく。
残された枠はあと11。
WBC2026は、すでに始まっている。
グラウンドではなく、言葉と沈黙のあいだで。
侍J 先行発表メンバー第2弾
投手
菅野智之(19 FA)
松本裕樹(66 福岡ソフトバンクH)
捕手
坂本誠志郎(12 阪神T)
若月健矢(4 オリックスB)
内野手
佐藤輝明(7 阪神T)
牧秀悟(2 横浜DeNA)
牧原大成(5 福岡ソフトバンクH)
源田壮亮(6 埼玉西武L)
外野手
森下翔太(23 阪神T)
近藤健介(8 福岡ソフトバンクH)
周東佑京(20 福岡ソフトバンクH )