侍ジャパン歴代サード
WBC2026開催が近づいてきたので、色々とまとめ記事を作っている。
今回は野球日本代表、すなわち侍ジャパンの歴代サードをまとめてみた。
一塁と同様にスラッガータイプが多いが、必ずしもそうというわけでもない。
いつも通り、今回も1984年ロス五輪以降の主要国際大会を対象にしている。
🔽Contents🔽
1984ロス五輪
浦東 靖(新日鉄堺)
4試合 14打数 4安打 0打点 打率.286
全5試合中4試合でスタメン出場。主に8番を打ち、準決勝の韓国戦で2安打、決勝アメリカ戦で1安打と大会終盤に活躍した。
バックアップの三塁手には後に巨人入りする上田和明がいた。
1988ソウル五輪
葛城弘樹(東芝)
5試合 15打数 0安打0打点 1盗塁 打率.000
ほとんどの試合で1番サードでスタメン出場したが、ヒットなしで大会を終えた。
オリンピック前年の都市対抗で若獅子賞を受賞している。
1992バルセロナ五輪
若林重喜(日本石油)
9試合 33打数 13安打 6打点 2本塁打 打率.394
中軸の5番打者として打線を引っ張った。33安打はチーム2位だが、打点6は物足りなかった。
佐伯鶴城高校では野村謙二郎と同期で三遊間を組んでいた。
1996アトランタ五輪
福留孝介(日本生命➜中日D)
9試合 32打数 9安打 2本塁打 8打点 打率.281
ほとんどの試合で9番サードでスタメン出場。予選リーグキューバ戦でホームランを放っている。
五輪出場時点の年齢は19歳で、当時のオリンピック野球日本代表の最年少記録であった。前年のドラフトで近鉄バファローズに指名されたが拒否して日本生命入りした。
2000シドニー五輪
中村紀洋(大阪近鉄B)
9試合 39打数 12安打 2本塁打 8打点 打率.308
プロ・アマ混成代表チームで不動の4番として全試合でヒットを放ち、チーム1位の打点を稼いだ。三振数も1位だった。
この年、代表チームに招集されながらもパリーグ本塁打王のタイトルを獲得。文句無しの日本の4番である。
2004アテネ五輪
中村紀洋(大阪近鉄B)
9試合 30打数 7安打 2本塁打 8打点 打率.233
全試合で5番サードで出場した。松坂大輔と共に五輪2大会連続出場である。
8打点のうち、7打点が予選リーグ第4戦までのものであり、チームを勢いづけた面はあるが、重要局面での1本が出なかった。
2006WBC
岩村明憲(東京ヤクルトS)
6試合 18打数 7安打 0本塁打 3打点 打率.389
アナハイムでの2次ラウンドまでスタメン出場して、毎試合ヒットを打ったが、決勝ラウンド2試合は今江が三塁を守った。
安定した活躍ではあったが、期待された長打は三塁打1本のみだった。
翌年、メジャー移籍を果たした。
2008北京五輪
村田修一(横浜B)
8試合 23打数 2安打 0本塁打 0打点 打率.087
アジア予選につづき、日本のホットコーナーを任されたが、何もできなかった。
オリンピック前の強化合宿で体調を崩し緊急入院するなど、万全の状態で戦うことはできなかった。
とはいえ同年のセリーグ本塁打王である。
初戦のキューバ戦は宮本慎也、準決勝の韓国戦は中島宏之が三塁を守った。
2009WBC
村田修一(横浜B)
7試合 25打数 8安打 2本塁打 7打点 打率.320
北京五輪につづいて日本代表の三塁は村田修一に託された。
4番として出場し、安定した成績を残したが、国際大会とは相性が悪いのか、2次ラウンド韓国戦で肉離れを起こし負傷退場。無念の帰国となった。
代役は片岡と川崎が務めた。
2013WBC
松田宣浩(福岡ソフトバンクH)
7試合 21打数 7安打 1本塁打 5打点 打率.333
前年の強化試合キューバ戦でトップチーム初招集となり、WBCでも9番打者として活躍した。
ここから長年に渡り、侍ジャパンのサードは松田宣浩に任されることになる。
2次ラウンド初戦の台湾戦のみ、鳥谷敬が守った。そう、あの伝説の盗塁を決めた試合である。
2015プレミア12
松田宣浩(福岡ソフトバンクH)
7試合 24打数 6安打 2本塁打 7打点 打率.250
侍ジャパンが常設化され、春と秋に強化試合が組まれて試合が増えたことにより、これまでのように大会ごとにメンバーが大きく変わるのではなく、ある程度はメンバーは固定されるようになった。
2015年シーズンはキャリアハイとなる35本塁打を放ち、小久保ジャパンでも三塁の座は譲らなかった。
2017WBC
松田宣浩(福岡ソフトバンクH)
7試合 24打数 8安打 1本塁打 7打点 打率.333
坂本勇人と共に小久保ジャパンの中心メンバーとなった松田宣浩。
だが雨の準決勝アメリカ戦、8回表にジョーンズのサードゴロをファンブルし、致命的な失点となってしまった。日本のストロングポイントである堅守が崩れ敗戦となってしまった。
1試合のみ、田中広輔が三塁を守っている。
2019プレミア12
松田宣浩(福岡ソフトバンクH)
8試合 24打数 6安打 2本塁打 13打点 打率.250
松田宣浩が侍ジャパンとして出場した最後の国際大会となった。
決勝戦での円陣声出しでは、前夜にドン・キホーテで購入した必勝ハチマキを頭に巻いてチームを鼓舞した。
東京五輪前哨戦のような大会であったが、新型コロナの影響でオリンピックが1年延期となった。その影響もあり、稲葉ジャパンの集大成となった東京五輪には出場できなかった。
2試合だけ、ユーティリティプレイヤーの外崎修汰が三塁を守った。
2021東京五輪
村上宗隆(東京ヤクルトS)
5試合 15打数 5安打 1本塁打 6打点 打率.333
サード松田時代が終わり、後に侍ジャパンの4番を打つ村上宗隆が登場。
全試合8番サードで出場。決勝のアメリカ戦では殊勲の先制ホームランを打った。
五輪イヤーに本塁打王、翌シーズンには史上最年少で三冠王となった。
2023WBC
村上宗隆(東京ヤクルトS)
7試合 26打数 6安打 1本塁打 6打点 打率.231
4番サードで1次ラウンド全試合に出場したが、12打数2安打の打率.167、0本塁打、1打点と調子が上がらず、準々決勝のイタリア戦から5番に下がった。
この試合では二塁打を2本放ち、復調の兆しが見えた。
だがマイアミでの準決勝メキシコ戦では3打席連続三振と振るわず、1点ビハインドの9回裏無死1・2塁のチャンスでは代打かと思われたが打席に立った。
侍ジャパン史上最高の逆転サヨナラ打はこうして生まれた。
2024プレミア12
栗原陵矢(福岡ソフトバンクH)
6試合 23打数 6安打 5打点 打率.261
東京五輪以来の代表招集。オリンピックでは代打で犠打の1打席のみの出場だったが、プレミア12ではレギュラー出場。
中軸の5番で打線を引っ張った。
バックアップでは、紅林と清宮がそれぞれ1試合ずつ三塁スタメンで出場している。
2026WBCの正三塁手は誰だ?
順当に行けば村上宗隆一択だが、WBC日本代表の場合、メジャー移籍という難題が存在する。
WBC開催年とメジャー移籍が重なった場合、ほとんどが移籍1年目のスプリングキャンプでの調整を優先するためにWBCを辞退するのである。
唯一の例外が、2023WBCのときの吉田正尚である。
村上宗隆は2025年シーズンオフで、メジャー移籍が決定しているので、2026年のWBCに出場するかどうかは微妙なところである。
村上以外の他の最有力候補は岡本和真と佐藤輝明になるが、岡本和真もまた、メジャー移籍の可能性がある。
そうなると佐藤輝明だろうか。問題は三人が揃って選出された場合である。一塁と三塁をこの三人で守ることになるだろうが、三塁村上、一塁岡本で佐藤輝明が控えというのも贅沢、というかもったいない。
次回WBC三塁手問題はなかなか難題である。
