侍ジャパンU-18壮行試合
高校日本代表vs.沖縄選抜
沖縄 3 ― 4 U18
U18 002 011 0 4
沖縄 000 010 2 3
(18)末吉、森下、西村、早瀬、下重、奥村頼、辻 ― 横山、大栄
(沖)新垣有、新垣元、村吉、大城、久高、鈴木 ― 宜野座、山城
高校日本代表
1. (遊) 岡部 飛雄馬
2. (左) 藤森 海斗
3. (三) 為永 皓
4. (中) 阿部 葉太
5. (捕) 横山 悠
6. (二) 奥村 凌大
7. (一)捕 大栄 利哉
8. (指) 川口 蒼旺
9. (右) 坂本 慎太郎
(投) 末吉 良丞
沖縄高校選抜
1. (二) イーマン 琉海
2. (遊) 眞喜志 拓斗
3. (指) 比嘉 大登
4. (捕)左 宜野座 恵夢
5. (中) 砂川 誠吾
6. (三) 安谷屋 春空
7. (右) 福本 琉依
8. (一) 新垣 瑞稀
9. (左) 譜久里 樹
(投) 新垣 有絃
U-18代表vs.沖縄選抜
チケット完売、観衆17,969人。
数字の羅列が現実を伝えるより先に、蒸し暑い夜気と雨の匂い、指笛の音が人々の記憶に焼きつく。
落下する雨粒によって試合開始は30分押しの18時半、ただの遅延ではなく、天候が「舞台装置」として試合を演出する導入だった。
侍ジャパンU-18代表の先発は、左腕・末吉良丞、対峙する沖縄高校選抜は右腕・新垣有絃。
共に沖縄尚学を夏の頂点へと牽引した二人だ。観衆の視線が投手板に吸い込まれるのは必然だった。
U-18代表の藤森海斗(明徳義塾)が内野安打で一塁を踏んだのも束の間、為永皓(横浜)の打球は二塁手イーマン琉海(エナジックスポーツ)の掌に吸い込まれ、併殺。得点は許されないまま、雨の幕間のような静寂が広がった。
末吉は初回のマウンドで二つの空振り三振を奪い、躊躇のない直球と落差のある変化球を重ねた。
2回、被安打はあったが、なおも三振で切り抜ける。2回3安打無失点無四球。
「一番楽しめて投げられた。自分の投球を集大成として、見せることができた」と末吉はふり返った、
沖縄選抜の比嘉公也監督(沖縄尚学)は言った。「やはりストレートとスライダー、落ちる球がストライクに入ると厄介ですね」
試合の均衡が動いたのは3回。
新垣に四球、そして藤森と為永の連打。4番・阿部葉太(横浜)が放ったセンター前の打球は、得点を待ち望んでいた群衆の期待を現実に変えた。
さらに横山悠(山梨学院)が犠牲フライで2点目。森下翔太(創成館)、西村一毅(京都国際)ら投手陣は次々にバトンを受け取り、三者凡退、三者連続三振と、舞台を引き締めていく。
5回表、大栄利哉(学法石川)が押し出し四球を選んで加点したその直後、雨はついに試合を止めた。
21時10分、再開時にはルールが変更され、7イニング制へと縮小。「7イニング制、22時を超えたら新しいイニングには入らない」というルールが追加された。
スポーツが、現実の制約に従う瞬間。
再開後、沖縄のイーマンがレフト線へ二塁打を放ち1点を返す。
だがU-18代表は阿部が再び左前に弾き返し、反撃を遮断する。
最終回、石垣元気(健大高崎)が登板。
イーマンのタイムリー内野安打で詰め寄られるも、最後は150キロ超の直球とフォークで空を切らせた。
両チーム無失策、スコアは紙一重。
観衆の拍手は、勝敗を超えた「沖縄の夏の風景の完成」に向けられた。
それは、雨と光、歓声と沈黙、そして若い腕が投げ込み、打ち返す白球の軌跡が、ひとつの夜の物語を描いたからだ。