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ベネズエラ代表について
WBSCランキング:5位
ベネズエラからは、昨シーズンMLBで92人がプレーし、オールスターに3人が出場した。
また、ベネズエラ唯一の殿堂入り選手で、60年代にホワイトソックスなどで活躍したルイス・アパリシオ。70年代レッズの正遊撃手デーブ・コンセプシオン。90年代から00年代にかけて11度のゴールドグラブ賞を受賞したオマー・ビスケルなど、ベネズエラは名遊撃手の輩出国でもある。
正式名称はベネズエラ・ボリバル共和国。
南米大陸の北縁にあって、カリブ海に顔を向け、東にガイアナ、西にコロンビア、背後にブラジルを抱える国だ──と、地図的な説明を書いているあいだにも、現実のほうは落ち着かない。
年が明けて間もない1月2日、ニコラス・マドゥロ大統領がアメリカ軍に拘束されたという報が流れ、国はまたざわついた。
それでもWBCだけは、何事もなかったかのように予定どおりやって来るようだ。
野球はいつも、政治とは距離を取る。そうでなければいけない。
ベネズエラはアメリカと同じで、WBCとそれ以外の国際大会とでは、まるで別の代表チームになる国だ。
いわばトップチームAとトップチームB。
五輪にも縁がなく、プレミア12でも結果は残せていない。その理由は単純で、AとBのあいだに深い溝がある。
WBCでは毎回、優勝候補の名前に必ず入る。だが、振り返れば過去5大会で最高はベスト4。期待は常に大きく、結果はいつも届かない。永遠の優勝候補──その呼び名から、今年こそ抜け出せるのかどうか。問いだけが、静かに残っている。
野手はメジャーリーガーを中心に、強力な布陣で1次ラウンドを突破したわけだが、やはり投手陣に不安が残る。
投手の消耗戦となる決勝トーナメントで戦い抜くのは苦しいか。
主な国際大会の成績
ワールド・ベースボール・クラシック
2006年 第1回WBC:2次ラウンド敗退
2009年 第2回WBC:ベスト4
2013年 第3回WBC:1次ラウンド敗退
2017年 第4回WBC:2次ラウンド敗退
2023年 第5回WBC:ベスト8
オリンピック
1992年 バルセロナ五輪:米大陸予選敗退
1996年 アトランタ五輪:米大陸予選敗退
2000年 シドニー五輪:米大陸予選敗退
2004年 アテネ五輪:米大陸予選敗退
2008年 北京五輪:米大陸予選敗退
2021年 東京五輪:米大陸予選敗退
WBSCプレミア12
2015年 第1回プレミア12:10位
2019年 第2回プレミア12:7位
2024年 第3回プレミア12:4位
ベネズエラ代表メンバー
投手
カルロス・グスマン(20 MLB傘下)
ダニエル・パレンシア(29 シカゴC)
アンドレス・マチャド(30 オリックスB)
アントニオ・センザテラ(34 コロラドR)
エンマヌエル・デ・ジェズス(37 KT・W)
ホセ・アルバラード(46 フィラデルフィアP)
ヘルマン・マルケス(48 コロラドR)
パブロ・ロペス(49 ミネソタT)
エドゥアルド・ロドリゲス(52 アリゾナDB)
ケイダー・モンテロ(54 デトロイトT)
レンジャー・スアレス(55 ボストンRS)
アンへル・ゼルパ(61 ミルウォーキーB)
オダニエ・モスクエダ(63 MLB傘下)
リカルド・サンチェス(64 マガジャネス)
ホセ・ブットー(70 サンフランシスコG)
エドゥアルド・バザルド(83 シアトルM)
ヨエンドリス・ゴメス(94 シカゴWS)
捕手
S・ペレス(13 カンザスシティR)
W・コントレラス(23 ミルウォーキーB)
内野手
アンドレス・ヒメネス(0 トロントBJ)
ルイス・アラエス(2 サンディエゴP)
エウヘニオ・スアレス(7 シアトルM)
エセキエル・トーバー(14 コロラドR)
M・ガルシア(23 カンザスシティR)
グレイバー・トーレス(25 デトロイトT)
W・コントレラス(40 ボストンRS)
外野手
J・チューリオ(1 ミルウォーキーB)
ハビエル・サノハ(4 マイアミM)
ウィリヤー・アブレイユ(16 ボストンRS)
R・アクーニャJr(21 アトランタB)
スタメン予想
1.(右)ロナルド・アクーニャJr
2.(三)マイケル・ガルシア
3.(二)ルイス・アラエス
4.(一)ウィルソン・コントレラス
5.(指)サルバドール・ペレス
6.(捕)W・コントレラス
7.(左)ウィリヤー・アブレイユ
8.(遊)エセキエル・トーバー
9.(中)ジャクソン・チューリオ
要注意選手
投手
レンジャー・スアレス
1995年生 30歳
準々決勝で先発が予想される左腕 レンジャー・スアレス。
2018年にMLBデビュー。リリーフを経て先発へ転向し、ローテーションの一角を担う投手となった。
MLB通算は 53勝37敗、防御率3.38。
2025年は 26試合先発、12勝8敗、防御率3.20、151奪三振、WHIP1.22。
奪三振型ではないが、四球が少なく試合を崩さない。
投球の軸はシンカー。フォーシーム、カッター、チェンジアップ、カーブを組み合わせ、打者の芯を外してゴロを誘う。速球は90マイル台前半。球速よりも配球と制球で勝負するタイプだ。
ベネズエラ打線が長打力で構成される一方、スアレスは試合のテンポを整える存在である。
侍ジャパンにとっての課題は、速球への対応ではない。──同じ球速帯の球種が連続する中で、打席ごとに変化する配球を見抜けるかどうかである。
内野手
ルイス・アラエス
1997年生 28歳
今大会成績
打率.545 2本塁打 7打点
ベネズエラ代表の中で、最も特異な打撃を持つ男。それが ルイス・アラエス である。
ベネズエラの攻撃は、多くの長打力を備えた打者で構成されている。その中で、異質な役割を担うのが ルイス・アラエス だ。
左打ちの内野手。2019年にMLBデビューすると、打率という指標で突出した存在となった。メジャー通算打率は .317。
2022年から2024年にかけては 3年連続首位打者。しかもミネソタ、マイアミ、サンディエゴと、異なる球団で達成した。MLBでも例のない記録である。
彼の特徴は三振の少なさに表れる。
2024年の三振率は 4.3パーセント。22打席に一度しか三振しない計算だ。現代野球ではほとんど見られない水準である。
2023年には 打率.354、203安打でナ・リーグ首位打者。長打は多くないが、確実にバットを合わせ、出塁と単打で攻撃の流れを作る。
ベネズエラ打線において、アラエスは得点の“起点”だ。
もし彼を塁に出せば、後ろには長打力を備えた打者が並ぶ。
侍ジャパンにとって重要なのは、長打を警戒することではない。
──まず、この打者をアウトにすることである。
外野手
R.アクーニャJr.
1997年生 28歳
今大会成績
打率.400 1本塁打 2打点 1盗塁
パワー・スピード・強肩を高次元で兼ね備えたMLB屈指の5ツールプレイヤー。
強烈なフルスイングで本塁打を量産する一方、俊足を生かした盗塁と広い守備範囲で攻守に存在感を放つ。
選球眼も年々向上し、出塁能力と長打力を両立。試合の流れを一瞬で変える爆発力を持つ、チームの中心選手だ。
2023年シーズンには、217安打、41本塁打、73盗塁という異次元の成績を残し、ナショナルリーグMVPを受賞した。
昨シーズンは、前年に断裂した左膝前十字靭帯の手術、リハビリを経て5月下旬に復帰。7月には右アキレス腱炎で一時離脱を余儀なくされたものの、最終的に95試合の出場で打率.290、出塁率.417、OPS.935と健在ぶりを示した。