キューバ代表編
プールA
2026年3月6日〜11日
プエルトリコ:サンファン(ヒラム・ビソーン・スタジアム)
🇵🇷 プエルトリコ
🇨🇺 キューバ
🇨🇦 カナダ
🇵🇦 パナマ
🇨🇴 コロンビア(予選通過チーム)
第4回大会まではWBC本選出場は16ヶ国で、1次ラウンドは各プール4ヶ国のリーグ戦で争われていたが、前大会からは出場が20ヶ国となり、1次ラウンドは5ヶ国で戦うことになった。
1次ラウンドは4つのプールに分けられ、それぞれサンファン、ヒューストン、東京、マイアミが会場となる。
今回はプエルトリコのサンファンが舞台となる、プールAの赤い稲妻・キューバ代表を見ていきたい。
🔽Contents🔽
キューバ代表について
WBSCランキング:10位
1982年から1997年にかけて、キューバ代表は国際試合の公式戦で151連勝を重ねた。勝利が積み上がるたび、世界はそれを異常値としてではなく、日常として受け止めるようになった。
「アマチュア最強チーム」という呼び名は称号というより、もはや前提条件だった。
その連勝を止めたのが日本代表であり、マウンドに立っていたのが上原浩治だった、という事実は象徴的だ。完全無欠に見えた神話にも、終わりは訪れる。
時代は流れ、世界は変わった。プロ選手が国際大会に参入し、各国の野球は均質化され、同時にキューバは主力選手の相次ぐ海外流出という現実に直面する。
勝つことが当然だったチームは、勝つために説明を必要とするチームへと変わっていった。
五輪が正式競技となったバルセロナオリンピック以降、日本と並んで全大会に出場してきたキューバだが、東京オリンピックでは予選敗退という現実に直面し、その系譜は途切れた。
そして第5回WBCは、キューバ野球にとっての歴史的転換点となった。これまで固く閉ざされていた亡命組──すなわちメジャーリーガーの代表招集が、アメリカ政府の判断によって可能となったのである。
それでも、キューバ野球連盟が崩さない一線がある。代表活動中に失踪した選手は、例外なく復帰不可能。
その姿勢は、時代遅れなのか、矜持なのか。少なくともそれは、勝利よりも重い何かを守ろうとする、キューバ野球の不器用な一貫性である。
国内組、NPB組、亡命組(MLB組)という分断されたチーム構成は、この国の野球そのものを映す。
統一感は幻想に近いが、それでも力は残る。キューバはいつだって、整っていなくても勝ち得る。
主な国際大会戦績
ワールド・ベースボール・クラシック
2006年 第1回WBC:準優勝
2009年 第2回WBC:2次ラウンド敗退
2013年 第3回WBC:2次ラウンド敗退
2017年 第4回WBC:2次ラウンド敗退
2023年 第5回WBC:ベスト4
オリンピック
1984年 ロサンゼルス五輪:出場辞退
1988年 ソウル五輪 予選:出場辞退
1992年 バルセロナ五輪:優勝
1996年 アトランタ五輪 :優勝
2000年 シドニー五輪:準優勝
2004年 アテネ五輪:優勝
2008年 北京五輪:準優勝
2021年 東京五輪:米大陸予選敗退
WBSCプレミア12
2015年 第1回プレミア12 - 6位
2019年 第2回プレミア12 - 10位
2024年 第3回プレミア12 - 11位
キューバ代表メンバー
投手
オシエル・ロドリゲス(15 FA)
ルイス・ロメロ(16 LMB)
ペドロ・サントス(18 FA)
ネイケル・クルーズ(21 MLB傘下)
フランク・アルバレス(22 LMB)
デニー・ラロンド(25 FA)
ダビエル・ウルタド(28 MLB傘下)
ヤリエル・ロドリゲス(29 トロントBJ)
ジョシマー・カズン(30 LMB)
E・チャップマン(34 MLB傘下)
ヨアン・ロペス(35 LMB)
フリオ・ロバイナ(38 LMB)
ダリエン・ヌニェス(62 LMB)
L・モイネロ(89 福岡ソフトバンクH)
ランディ・マルティネス(90 中日D)
ライデル・マルティネス(92 読売G)
捕手
オマール・ヘルナンデス(3 MLB傘下)
アンドリス・ペレス(17 CNS)
内野手
アレクセイ・ラミレス(2 CNS)
マルコム・ヌニェス(9 FA)
ヨアン・モンカダ(10 ロサンゼルA)
アレクサンダー・バルガス(13 MLB傘下)
イディ・カッペ(24 MLB傘下)
ヨエル・ヤンキ(33 CNS)
エリスベル・アルエバレナ(71 CNS)
外野手
ロエル・サントス(1 LMB)
ヨエルキス・ギベルト(7 CNS)
レオネル・モアスJr( 20 CNS)
A・マルティネス(40 北海道日本ハムF)
アルフレド・デスパイネ(54 CNS)
※ CNS=キューバリーグ
※ LMB=メキシカンリーグ
スタメン予想
1.(左)ロエル・サントス
2.(一)A・マルティネス
3.(三)ヨアン・モンカダ
4.(指)アルフレド・デスパイネ
5.(中)ヨエルキス・ギベルト
6.(遊)エリスベル・アルエバレナ
7.(右)レオネル・モアスJ
8.(捕)オマール・ヘルナンデス
9.(二)アレクサンダー・バルガス
注目選手
投手
リバン・モイネロ(福岡ソフトバンクH)
1995年生 30歳
モイネロの投球は、力ではなく「位置」と「間」で世界をずらしていく。
速球は150km/h前後。派手さはないが、低めに沈み、逃げ場を奪う。
スライダーとカーブは、ただ曲がるのではなく、視界の外縁から忍び込む。
キューバ投手特有の粗さは消え、いまの彼は制御された静謐そのものだ。
近年は先発として完成度を高め、2025年には防御率1点台、WHIP0点台という、疑いようのない数字を積み上げた。
三振を奪い、四球を出さず、試合の温度を一定に保つ──それは才能というより、到達点である。
この左腕には、“ 絶対的な角度 ”ではなく、“ 閉塞と解放 ”のダイナミクスがある。
瞬間瞬間、投手と打者の視点がズレてしまうのだ。
WBC2026でキューバが「まだ終わっていない」と語るために必要な声は、大きくなくていい。
この左腕が淡々と投げ続けること、それ自体が、雄弁な証明になる。
キューバのエースとして初戦から登板すると噂されている。
ライデル・マルティネス(読売G)
1996年生 29歳
──試合の終わりにだけ現れる、暴力的な静寂。彼がマウンドに立つと、試合は「続き」ではなく「結論」へ向かう。
ライデル・マルティネスは、キューバが誇る絶対的クローザーだ。
最速160km/hに届くストレートは、速さ以上に重い。回転数の高い直球が高低に散り、スライダーがその軌道を切断する。
打者は振らされているのではなく、選択肢を奪われている。
NPBではセーブを積み重ね、奪三振率は常にリーグ上位。
四球が少なく、失点は稀で、9回は彼のために用意された時間のようなものだ。
WBC2026では、キューバがリードして迎える終盤、その未来はすでに決まっている。試合を終わらせるという行為を、ここまで冷静に、確実に遂行できる投手がいるという事実。
それ自体が、この代表の強度を物語っているじゃないか。
内野手
ヨアン・モンカダ(FA)
派手な主役ではないが、彼が内野に立つだけで、試合は不用意に崩れなくなる。
静かに均衡を保つ、内野の中枢──ヨアン・モンカダは、キューバ代表における「安定」という概念そのものだ。
三塁を主戦場に、柔らかなグラブさばきと強肩で打球を処理する。
一歩目が速く、送球は迷わない。
守備とは反応ではなく、準備であることを、この男は知っている。
打撃では両打ち。
全盛期の爆発力は影を潜めたが、選球眼は健在で、甘い球を逃さず、流れを切らさない一打を放つ。彼の安打は、歓声よりも先に「安心」を連れてくる。
若さと再生を掲げるキューバ代表において、モンカダは攻守の接合点として機能するだろう。
勝敗の決定打ではなく、勝敗が成立するための土台。その静かな存在感こそが、このチームの輪郭を確かなものにしている。
外野手
アルフレド・デスパイネ(54 CNS)
1986年生 39歳
彼が打席に立つと、キューバ野球そのものが、少しだけ過去に引き戻される──時間を背負って、なお振り切るアルフレド・デスパイネ。その名前は、才能ではなく「記憶」と結びついている。
豪快なフルスイング。
引きつけて叩き、打球は角度を持って夜へ消える。
全盛期の爆発力は抑えられたが、スイングには無駄がなく、いまは一振りで流れを変えるタイミングを知っている打者だ。
国際大会で幾度も主軸を担い、WBCでも五輪でも、彼は常に「キューバの4番」という役割を引き受けてきた。
数字以上に価値があるのは、その存在がベンチに与える重さだろう。
若返りを進めるキューバ代表の中で、デスパイネは過去と現在をつなぐ、最後の確かな輪郭としてそこにいる。
彼が放つ打球は、点以上の意味を持つ。
それは、この国の野球が積み重ねてきた時間そのものだ。
1次R キューバ代表日程(日本時間)
プールA
ヒラム・ビソーン・スタジアム(プエルトリコ)
3月7日(土) 01:00
🇨🇺 キューバ vs パナマ 🇵🇦
3月9日(月) 01:00
🇨🇴 コロンビア vs キューバ 🇨🇺
3月10日(火) 08:00
🇨🇺 キューバ vs プエルトリコ 🇵🇷
3月12日(木) 04:00
🇨🇦 カナダ vs キューバ 🇨🇺
決勝ラウンド日程(日本時間)
準々決勝
ダイキン・パーク
2026年3月14日(土) 9:00
POOL B 1位 ー POOL A 2位
2026年3月15日(日)
4:00 POOL A 1位 ー POOL B 2位
※アメリカが進出した場合はPOOL Bでの順位に関わらず、3月14日(土)に試合が行われます。
ローンデポ・パーク
2026年3月14日(土) 7:30
POOL D 1位 ー POOL C 2位
2026年3月15日(日) 10:00
POOL C 1位 ー POOL D 2位
※日本が進出した場合はプールCでの順位に関わらず、3月15日(日)に試合が行われます。
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準決勝
ローンデポ・パーク
2026年3月16日(月) 9:00
準々決勝 勝者 ー 準々決勝 勝者
2026年3月17日(火) 9:00
準々決勝 勝者 ー 準々決勝 勝者
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決勝
ローンデポ・パーク
2026年3月18日(水) 9:00
準決勝 勝者 ー 準決勝 勝者