侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

WBC2026 1次ラウンド・プールB展望 メキシコ代表編:情熱を衝動に変えて──野球界の温度を上げる震源国が、再び動き出す

メキシコ代表編

プールB

2026年 3月6日〜11日

アメリカ/ヒューストン(ダイキン・パーク)

🇺🇸 アメリカ

🇲🇽 メキシコ

🇮🇹 イタリア

🇬🇧 イギリス

🇧🇷 ブラジル(予選通過チーム)

 

前大会まではWBC本選出場は16ヶ国で、1次ラウンドは各プール4ヶ国のリーグ戦で争われていたが、今回からは出場が20ヶ国となり、1次ラウンドは5ヶ国で戦うことになった。

1次ラウンドは4つのプールに分けられ、それぞれサンファン、ヒューストン、東京、マイアミが会場となる。

今回はアメリカのヒューストンが舞台となる、プールBからアミーゴ!かつて、マカロニ・ウェスタンの舞台によく使われた、メキシコ!

 

                        🔽Contents🔽

 

 

メキシコ代表について

WBSCランキング:6位

 

メキシコという国は、いつも「野球の周縁」に置かれてきた。少なくとも、そう扱われてきた。

だが、その周縁は、いつのまにか中心を鋭く刺す刃を隠し持つ場所になっている。

1925年に産声を上げたLMB──メキシカンリーグは1世紀の歴史を持つ。

WBCの歴史を振り返ると、メキシコは決して一直線ではない。第1回、第2回大会で2次ラウンドに進みながら、その後は1次ラウンド敗退が続いた。

期待され、忘れられ、また期待される。

そんな揺れ方を繰り返してきた。だが、前回大会で、その時間は確実に終わった。準々決勝でプエルトリコを撃破し、準決勝へ。そこで立ちはだかったのが日本だった。結果だけ見れば敗戦だが、あれは「負けた試合」ではなく、「終わらせにきた試合」だった。

最後まで、日本はメキシコを振り切れなかった。

 

そしてこの国は、ときどきアメリカを本気で困らせる。

アテネ五輪予選で、アメリカの五輪出場を阻み、2006年の第1回WBC2次ラウンドでアメリカを叩き、日本の準決勝進出を間接的に後押しした。2013年のWBCでもアメリカに勝っている。

その一方で、イタリアやカナダに足元をすくわれる。強さと脆さが、同じ顔で同時に存在しているのがメキシコだ。

 

そして、WBC2026。

1次ラウンド・プールB。またしても、アメリカと同居する運命だ。

メキシコ代表は、もはや“番狂わせ”を狙う側ではない。番狂わせを、予定に組み込んでくる側に立っている。

 

 

 

主な国際大会の成績

ワールド・ベースボール・クラシック

2006年 第1回WBC:2次ラウンド敗退

2009年 第2回WBC:2次ラウンド敗退

2013年 第3回WBC:1次ラウンド敗退

2017年 第4回WBC:1次ラウンド敗退

2023年 第5回WBC:ベスト4

 

オリンピック

1992年 バルセロナ五輪:米大陸予選敗退

1996年 アトランタ五輪:米大陸予選敗退

2000年 シドニー五輪:米大陸予選敗退

2004年 アテネ五輪:米大陸予選敗退

2008年 北京五輪:米大陸予選敗退

2021年 東京五輪:6位

 

WBSCプレミア12

2015年 第1回プレミア12:4位

2019年 第2回プレミア12:3位

2024年 第3回プレミア12:7位

 

 

 

メキシコ代表メンバー

投手

タージ・ブラッドリー(1 ミネソタT)

ヴィクター・ヴォドニック(11 コロラドR)

サミー・ナテラJr(17 MLB傘下)

B・バーナルディーノ(22 コロラドR)

アレックス・カリージョ(24 MLB傘下)

ルイス・ガステラム(27 MLB傘下)

ジェラルド・レイエス(33 LMB)

A・アルメンタ(35 福岡ソフトバンクH)

ヘスス・クルス(49 LMB)

ダニエル・ドゥアルテ(53 MLB傘下)

ロバート・ガルシア(62 テキサスR)

ホセ・ウルキディ(65 ピッツバーグP)

アンドレス・ムニョス(75 シアトルM)

ハビエル・アサド(77 シカゴC)

T・ウォーカー(99 フィラデルフィアP)

 

捕手

アレクシス・ウィルソン(26 LMB)

アレハンドロ・カーク(30 トロントBJ)

 

内野手

ルイス・ウリアス(3 FA)

J・オルティス(7 ミルウォーキーB)

ジョナサン・アランダ(8 タンパベイR)

ニック・ゴンザレス(13 ピッツバーグP)

ラモン・ウリアス(29 FA)

ジョーイ・メネセス(32 MLB傘下)

ラウディ・テレズ(44 FA)

ジャレッド・セルナ(59 MLB傘下)

 

外野手

アレック・トーマス(5 タンパベイR)

ジャレン・デュラン(16 ボストンRS)

アレハンドロ・オスナ(19 テキサスR)

ジュリアン・オルネラス(31 LMB)

ランディ・アロザレーナ(56 シアトルM)

 

※LMB=メキシカンリーグ

 

 

スタメン予想

1.(右)ジャレン・デュラン

2.(左)ランディ・アロザレーナ

3.(一)ジョナサン・アランダ

4.(捕)アレハンドロ・カーク

5.(指)ラウディ・テレズ

6.(三)ルイス・ウリアス

7.(二)ニック・ゴンザレス

8.(中)アレック・トーマス

9.(遊)ジョーイ・オルティス

 

 

 

注目の選手

 

投手

アンドレス・ムニョス(シアトルM)

1999年生 27歳

メキシコ代表のブルペンには、ひとつの“暴力的な静寂”が待機している。

2019年、19歳にして両リーグ3位となる最速165km/hを計時したハードボーラー。まだ輪郭の定まらない若い身体から放たれたその速度は、未来そのものの予告編だった。

パドレス時代は全投球の約67%を4シームが占めていたが、マリナーズ移籍後の2022年、約65%をスライダーが占める新たな設計図を描いていた。

被打率.126、被長打率.176。数字は冷酷で、そして美しい。

4シームの平均球速は約161.3km/h、速さは捨てられたのではない。研ぎ澄まされたのだ。

剛速球と鋭角のスライダー。

直線と断絶。その二項対立を一人の右腕が内包する。短期決戦において、継投とは物語の句読点である。メキシコ代表の守護神は、その一球で文脈を断ち切る。歓声も、反撃の芽も、時間さえも。

 

 

捕手

アレハンドロ・カーク(トロントBJ)

1998年生 27歳

メキシコ代表の円陣の中心には、激情ではなく、揺るがない“重心”がある。

アレハンドロ・カーク。

丸みを帯びた体躯。だが、その奥にあるのは緻密な計算と、異様なまでのコンタクト能力だ。

2022年には打率.285、出塁率.372を記録し、オールスターにも選出。小さなテークバックから、最短距離でバットを出す。

所属するブルージェイズでは、若い投手陣を束ねる司令塔としても存在感を示してきた。フレーミング技術はリーグ上位級。ミットのわずかな角度、親指の返し、その一瞬の所作がストライクを“生む”。

捕手というポジションの本質──試合の流れを設計する者──を体現している。

強肩で威圧するタイプではない。

短期決戦において、捕手はもう一人の監督だ。感情が振り切れがちな国際大会の舞台でカークは熱を吸収し、整流する。

派手な身振りはない。ただ、淡々とミットを構える。その姿がチームにとっての基準点となる。

 

 

内野手

ジョナサン・アランダ(タンパベイR)

1998年生 27歳

所属するレイズは、数字と合理性を信奉する球団だ。その環境でアランダは、四球を選び、甘い球だけを叩くという姿勢を磨いてきた。マイナーでは打率3割超、出塁率4割前後を何度も記録。

派手なフルスイングは少ないが、ストライクゾーンの管理能力に優れ、投手に「投げさせる」打者である。

長打力も備えるが、本質はコンタクトと選球。ボールを長く見る。崩されない。

一打で世界を変えるタイプではないが、9回を通して相手の計算を狂わせる。

メキシコ代表が再び上位進出を狙うなら、必要なのは昂揚だけではない。

攻撃を“つなぐ”者。流れを断ち切らず、むしろ延命させる者。

アランダは、その静かな接続詞である。

 

守備位置は主に二塁、一塁、三塁。内野を横断する柔軟性は、短期決戦において大きな価値を持つ。スターが光を浴びるその裏で、ポジションの隙間を埋める存在。

試合終盤、代打やスタメン変更が頻発する国際大会では、その可動域こそが武器になるはずだ。

 

外野手

ランディ・アロサレーナ(シアトルM)

1995年生 31歳

 

ポストシーズンで歴史的な数字を刻み、一躍“10月の主役”となった外野手。2020年にはポストシーズン10本塁打を放ち、新人最多記録を更新。

2023年のWBCではメキシコ代表の中心打者として躍動。勝負どころでの一打、そして観客を巻き込むパフォーマンスは、国の熱量そのものを体現していた。

守備でも強肩と俊足を兼備し、外野の広いレンジで失点を未然に防ぐ。

 

アロザレーナの強みは合理性と勝負強さの両立だ。長打力だけでなく、四球を選び、盗塁を決め、局面に応じて役割を変える柔軟性。感情的に見えて、実は計算高い。

短期決戦は、理性だけでは勝てない。

最後にものを言うのは、空気を変える力である。アロサレーナはスタジアムの温度を一段引き上げる。

歓声を自らの燃料に変え、相手には沈黙を強いる。

メキシコ代表が再び世界を揺らすなら、その震源地はきっとこの男だ。

派手さの奥にある、勝負への異様な執着とともに。

 

ジャレン・デュラン(ボストンRS)

1996年生29歳

加速という才能。

打球が外野へ抜ける、その刹那にはもう三塁を狙っている。俊足と大胆さ。だがそれは決して無謀ではない。

2023年以降、打撃フォームを簡潔に整え、強い打球と高い出塁率を両立させてきた。二塁打を量産し、塁上で圧をかける。数字以上に、守備側の思考を乱す存在だ。

 

レッドソックスでは、広大なフェンウェイの外野を駆け抜け、レンジの広さを証明してきた。中堅も左翼も守れる柔軟性。

強肩というよりは、送球の速さと正確性で刺すタイプ。守備でも攻撃でも、“間”を与えない。

かつては粗さも指摘された。

だが粗さとは、未完成のエネルギーだ。それを制御し、方向づけたとき、爆発力は武器へと変わる。

 

短期決戦において、スピードは戦術を超える。内野安打一本で流れが変わり、盗塁一つで配球が歪む。デュランは、メキシコ代表にとっての導火線である。

試合が停滞しかけた瞬間、その足が物語を前へと押し出す。

 

 

 

1次ラウンド メキシコ代表日程(日本時間)

ダイキン・パーク(米・ヒューストン)

3月7日(土) 03:00

🇲🇽 メキシコ vs イギリス 🇬🇧

 

3月9日(月) 10:00

🇧🇷 ブラジル vs メキシコ 🇲🇽

 

3月10日(火) 09:00

🇲🇽 メキシコ vs アメリカ 🇺🇸

 

3月12日(木) 08:00

🇮🇹 イタリア vs メキシコ 🇲🇽

 

 

決勝ラウンド日程(日本時間)

準々決勝1

ダイキン・パーク

2026年3月14日(土) 9:00

POOL B 1位 ー POOL A 2位

 

2026年3月15日(日)4:00

POOL A 1位 ー POOL B 2位

 

※アメリカが進出した場合はPOOL Bでの順位に関わらず、3月14日(土)に試合が行われます。

 

準々決勝2

ローンデポ・パーク

2026年3月14日(土) 7:30

POOL D 1位 ー POOL C 2位

 

2026年3月15日(日) 10:00

POOL C 1位 ー POOL D 2位 

 

※日本が進出した場合はプールCでの順位に関わらず、3月15日(日)に試合が行われます。

 

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準決勝

ローンデポ・パーク

2026年3月16日(月) 9:00

準々決勝 勝者 ー 準々決勝 勝者

 

2026年3月17日(火) 9:00

準々決勝 勝者 ー 準々決勝 勝者

 

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決勝

ローンデポ・パーク

2026年3月18日(水) 9:00

準決勝 勝者 ー 準決勝 勝者