侍Jシリーズ2024:トーチュウ
井端監督になってからというもの、どうも侍ジャパンの存在感が薄い。インパクトが弱いのか。不人気なのか。いや、そんな言葉で片付けたくないけど、でも現実として紙面が静かだ。
そんな時代にあって、それでも東京中日スポーツ──トーチュウだけは違う。
ちゃんと拾う。ちゃんと載せる。井端ジャパンの記事を、一面にしてくれる。
ありがたいじゃないか。
そういう新聞が、まだ残っている。もう紙では買えないけど。コンビニから姿を消したけど。でも魂は残っている。
電子版の奥で、まだインクの匂いがしている。
それがトーチュウだ。
では、パン、パン、ご飯、食後にパン、スポーツ新聞。

で、その一面が、松山晋也。松山晋也が一面。それがトーチュウ。他紙だったら絶対やらない。
「地味」「一般ウケしない」とか言って外す。でもトーチュウはやる。松山を載せるのである。それがもうロックであり、愛であり、名古屋である。
侍ジャパンシリーズ2024。強化試合。相手は欧州代表。
強化試合と呼ぶには、日本にとってはあまりに“強化”が薄い。
でも、それでいいのだ。
強い者が弱い者を鍛える。それが伝道である。侍ジャパンは、勝つだけじゃない。見せるのだ。教えるのだ。
君たちは野球の伝道師たれ。
井端よ、松山よ、金丸よ。君たちが投げるたびに、ボールが海を渡っていくのだ。ベースボールが伝わっていくのだ。

そしてその試合。欧州代表相手に、6投手によるパーフェクトリレー。
完璧。
ひとり残らずミスなし。その先頭に立ったのが、大学生・金丸夢斗。
金丸。夢。斗。
名前からしてもう出来すぎてる。
トーチュウはそういう運命を見逃さない。
紙面の上で、インクが輝いていた。そこにあるのはニュースじゃない。
詩だ。
祈りだ。
野球という名の宗教、その福音書である。
そういうことを、トーチュウはまだわかっている。ありがたいじゃないか。
ほんとに、ありがたいじゃないか。