メキシコのプロ野球リーグであるLMB(メキシカンリーグ)は1925年に設立され、MLB、NPB、KBOに次ぐレベルと言われている。
オリンピック予選にはバルセロナ五輪のアメリカ大陸予選から出場している。2019プレミア12で3位となり、東京五輪で悲願のオリンピック初出場を果たしている。
WBCでは第1回と第2回大会では2次ラウンドに進出したが、その後は1次ラウンド敗退である。
アテネ五輪予選でアメリカのオリンピック出場を阻んだり、第1回となる2006WBC2次ラウンドでアメリカを撃破し、日本代表の準決勝進出をアシストしたりとアメリカに対しては力を発揮することがある。2013WBCの1次ラウンドでもアメリカに勝利しているが、イタリアとカナダには負けている。
つまりWBCではメキシコはアメリカに通算で2勝1敗で勝ち越しているのである。2019年のプレミア12でも3位決定戦でアメリカにサヨナラ勝ちで東京五輪行きを決めている。
今大会でもやはり、その対アメリカの強さを発揮し、1次ラウンドで勝利している。
WBCでは強豪チームを撃破することが多いのだが、逆に格下チームにやられることも多い。
今回の代表チームは侍ジャパン同様に過去最強チームと言われている。打線も強力だが、そこはやはり他国に比べ、投手陣の層が厚いからだろう。
特に先発3本柱とも言えるフリオ・ウリアス、ホセ・ウルキーディ、タイフアン・ウォーカーは強力ラインナップだ。
準決勝では大谷翔平のチームメイトのパトリック・サンドバルの先発が明言されている。
準決勝でのメキシコの強みといえば、1次ラウンドでアメリカ、準々決勝でプエルトリコと強豪国と対戦し勝利してきていることだ。
そこが侍ジャパンとは異なる点で、大きな強みだろう。プールA・Bから出てきたチームと、プールC・Dを勝ち抜いてきたチームとでは大会を通しての経験値が違う。侍ジャパンがこの差を埋めることができるかどうかが大きなポイントではないだろうか。
侍ジャパンとの対戦成績
WBC
2006 2次ラウンド 🇯🇵 6 ― 1 🇲🇽
(日)松坂、和田毅、薮田、大塚
― 里崎
プレミア12
2015 オープニングラウンド 🇯🇵 6 ― 5 🇲🇽
(日) 前田、西、大野、牧田、増井、澤村
― 嶋 、炭谷
2019 スーパーラウンド 🇯🇵 3― 1 🇲🇽
(日)今永、甲斐野、山本由伸、山崎康晃
― 會澤
オリンピック
東京五輪 オープニングラウンド 🇯🇵 7― 4 🇲🇽
(日)森下、伊藤、平良、栗林
― 甲斐
注目選手
投手
パトリック・サンドバル(ロサンゼルスA)
大谷翔平とチームメイトの左腕投手。
昨シーズンは6勝9敗と負け数が先行したものの、防御率2.91と安定のピッチング。97球完封のマダックスも達成した。
タイフアン・ウォーカー(フィラデルフィアP)
昨シーズンはメッツで12勝5敗の好成績。
MAX160km/hのフォーシーム、ツーシーム、140km/h台のカッター、スプリッターの速球系にカーブ、チェンジアップを組み合わせる。
ジョバニー・ガジェゴス(セントルイスC)
ヌートバーのチームメイト右腕。
昨シーズン14セーブ・24ホールド。
カージナルスでセットアッパー、もしくはクローザーとして活躍。2大会連続で代表入り。
内野手
ジョーイ・メネセス(ワシントンN)
元オリックスBで、29歳でメジャーデビューのオールドルーキー。
1次ラウンドのアメリカ戦では2本塁打を含む3安打、5打点の大当たり。準々決勝までの大会通算打率は、.391と好調。
ロウディ・テレス(ミルウォーキーB)
昨シーズン、35本塁打を放った代表チームの4番打者。
外野手
ランディ・アロサレーナ(タンパベイR)
1次ラウンド・プールCのMVP。
キューバからメキシコへ亡命した選手。2021年シーズン新人王。2020年のポストシーズンでは10本のホームランを放っている。さらには単独ホームスチールを決めるなど、パワーとスピードを兼ね備えている、メキシコ代表の絶対的中心選手。
アレックス・ベルドゥーゴ(ボストンRS)
走・攻・守が揃った外野手。20歳のときに侍ジャパンとの強化試合で来日経験がある。
また、救援投手として二刀流挑戦を表明している。