
MLBという巨大な物語装置の内部に、またひとつ新しい異物が滑り込んだ──エリー・デラクルーズ。
その名が示すのは、単なる有望株の到来ではなく、2020年代という時代そのものの変調が形を取ったような存在感だ。
196センチの長身に収まるはずのない身体能力が、なおも外側へ溢れ出し、パワー、スピード、肩といった古典的な“ツール”の概念を軽々と押し広げていく。
2024年、遊撃手として史上初めて25本塁打67盗塁を同時に記録したのは、単なる数字の話ではなく、野球という競技の内部に刻まれた物理法則への再交渉だった。
そのデラクルーズが、WBC2026のドミニカ共和国代表に選ばれたという報は、世界地図の上に新しい緊張を落とす。
もし順調に1次ラウンドを駆け抜けることができれば、準々決勝で侍ジャパンと交差する可能性が生まれる。
両国はWBCの歴史においてまだ一度も対峙していない。その“未経験”という空白が、不意に巨大な磁場を生んでしまうのだ。
いざ実現したなら、もう仕事なんかしていられない。いや、世界のほうが一瞬だけ、こちら側の時間に歩調を合わせてくれるかもしれない──そんな錯覚すら抱かせる。
👇️ドミニカ代表 歴代WBCメンバー👇️