ドミニカ共和国代表編
プールD
2026年3月6日〜11日
アメリカ/マイアミ(ローンデポ・パーク)
🇻🇪 ベネズエラ
🇩🇴 ドミニカ共和国
🇳🇱 オランダ
🇮🇱 イスラエル
🇳🇮 ニカラグア(予選通過チーム)
第4回大会まではWBC本選出場は16ヶ国で、1次ラウンドは各プール4ヶ国のリーグ戦で争われていたが、前大会からは出場が20ヶ国となり、1次ラウンドは5ヶ国で戦うことになった。
1次ラウンドは4つのプールに分けられ、それぞれサンファン、ヒューストン、東京、マイアミが会場となる。
今回は、侍ジャパンとは準々決勝で対戦する可能性があるマイアミのプールD、ドミニカ共和国。
🔽Contents🔽
ドミニカ共和国代表について
WBSCランキング:12位
ドミニカ共和国という国を、地図の上で説明することはたやすい。
西インド諸島、大アンティル諸島、イスパニョーラ島の東側。九州より少し大きく、人口はおよそ一千万。共和制国家。
だが、野球の話を始めた瞬間、そのような地理的説明は急速に色褪せていく。
この国は、野球によって世界と接続されている。第3回WBCチャンピオン。
アメリカと同じように、WBCとそれ以外の国際大会では、代表チームの“質量”がまるで変わる。理由は単純だ。メジャーリーガーがいるか/いないか。それだけの話だと言ってしまえば、それまでなのだが。
ただし、アメリカとドミニカは同じではない。アメリカはトップチームBであっても結果を残す。層が厚い、という言葉では到底足りないほどに、選手があふれている。
一方でドミニカは、主力が欠けると途端に輪郭がぼやけてしまうが、完全体のときは暴力的なまでにベースボールの可能性を拡大してしまう。
WBCの舞台では、ドミニカ共和国はまだ一度も侍ジャパンと相まみえていない。
東京五輪では開幕戦で激突している。侍ジャパンは大谷翔平もダルビッシュ有も不在のトップチームBではあったが、それでも理想形に近い布陣だった。対するドミニカもトップチームB。試合は、最後まで緊張を解かなかった。
坂本勇人のバットが夜を切り裂き、サヨナラ安打でようやく初戦を拾い上げた、あの試合。
あれは、ドミニカが“完全体ではない”状態での話である。
では、WBCという最高濃度の舞台で、真のトップチームが揃ったドミニカ共和国と対戦したら、何が起きるのか。
想像は簡単で、結論は出ない。だからこそ、人はその瞬間を待つ。
今大会、準々決勝で──ついに、その問いが現実になるかもしれない。
そのとき、野球という競技が持つ暴力性と美しさの両方を、世界の野球ファンは否応なく思い知らされることになるだろう。
主な国際大会の成績
ワールド・ベースボール・クラシック
2006年 第1回WBC:ベスト4
2009年 第2回WBC:1次ラウンド敗退
2013年 第3回WBC:優勝
2017年 第4回WBC:2次ラウンド敗退
2023年 第5回WBC:1次ラウンド敗退
オリンピック
1984年 ロス五輪: 予選リーグ敗退
1988年 ソウル五輪: 米大陸予選敗退
1992年 バルセロナ五輪:6位
1996年 アトランタ五輪:米大陸予選敗退
2000年 シドニー五輪:米大陸予選敗退
2004年 アテネ五輪:米大陸予選敗退
2008年 北京五輪:米大陸予選敗退
2021年 東京五輪:3位
WBSCプレミア12
2015年 第1回プレミア12:11位
2019年 第2回プレミア12:7位
2024年 第3回プレミア12:9位
WBC2026ドミニカ共和国代表メンバー
正式発表をお待ちください。
スタメン予想
しばらくお待ちください。
注目の選手
投手
サンディ・アルカンタラ(マイアミM)
1995年生 30歳
2022年、ナ・リーグのサイ・ヤング賞。
平均で160キロに届こうかというストレートとシンカー。そこに、速度を裏切るチェンジアップと、軌道を折り曲げるスライダーを重ねる。
さらに、ツーシーム。158キロを超えながら、50センチも沈み、逃げる。打者は振り、理解する前にバットは空を切る。「悪魔級」と呼ばれたのは、誇張ではなかった。
だが、身体は一度、投げることを拒んだ。トミー・ジョン手術。復帰した2025年シーズの数字は彼の不在を正直に語る。
11勝13敗、防御率5点台。かつての支配は影を潜め、打者はもはや恐れずにスイングしてきた。
それでも、完全に失われたわけではない。8月と9月には防御率は3点台まで下がり、球は再び重さを取り戻し始めていた。支配の感触を、身体が思い出しつつあった。
もし、その感覚が短期決戦で蘇るなら。もし、アルカンタラが再び「力でねじ伏せる投手」に戻るなら。ドミニカ共和国は、アメリカ代表の強力な打線に対抗しうる、揺るぎない解答を手に入れることになる。
フレディ・ペラルタ(ミルウォーキーB)
1996年生 29歳
2025年の最多勝投手。その数字だけで十分だが、それでもなお語り足りない。
投球のほぼ半分を占めるフォーシームは、最速159キロを記録させて、打者のバットだけを空転させていく。そこにカーブ、チェンジアップ、スライダーが重く積み重なっていく。
2018年のデビューから奪三振率は4年連続で10超、さらに3年続けて200奪三振。
要するに、三振を取ることが日常になってしまった投手だ。
現役メジャーでもっとも打たれないストレート──その一球が、ドミニカ代表のマウンドに立つだけで、試合の空気を変えてしまうに違いない。
内野手
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロントBJ)
1999年生 26歳
2025年のワールドシリーズ第4戦。
大谷翔平という巨大な物語装置を、一瞬で沈黙させた逆転ホームラン。その打球によって、ゲレーロ・ジュニアは日本でも「父の息子」ではない名前になった。
デビュー以前から、彼は期待ではなく予定として語られてきた。
父が届かなかった本塁打王(2021年)と、ゴールドグラブ賞(2022年)を、20代前半で獲得してしまう。
長打力とバットスピードは父譲りだが、決定的に異なるのは「待てる」ことだ。
悪球を打ち砕いた父に対し、ジュニアは沈黙を選び、四球を選び、試合の時間そのものを支配する。野性ではなく理性で打つ強打者である。
ジュニオール・カミネロ(タンパベイR)
2003年生 22歳
22歳。
その年齢は本来、可能性という曖昧な言葉で包まれるはずだが、カミネロの場合、数字が先に立つ。2025年シーズン、45本塁打。メジャー全体で6位。その事実だけで、若手スラッガーという形容はすでに説明にならない。
彼の打撃は力だけでは終わらない。
スイングは速く、バットは迷わず当たるべき場所に当たる。
パワーとミートが同時に成立する瞬間を、ほぼ毎打席のように再現してしまう。その才能に対して、賛辞が追いつかないのではない、言葉の方が遅れているのだ。
2023年9月、メジャー初昇格の時点で、彼はMLBパイプライン全体6位という位置にいた。未来として評価される時間は、すでに十分すぎるほど与えられていたのだろう。
そして2025年、打率.264、OPS.846、45本塁打、110打点。
予測は実績に置き換えられ、プロスペクトという呼び名は静かに剥がれ落ちた。
カミネロは、これから何者になるかではない。すでに「起きてしまった出来事」として、打線の中に存在している。
マニー・マチャド(サンディエゴP)
1992年生 33歳
WBC3大会連続出場となるマニー・マチャドを語るとき、まず整った三拍子よりも、ざらついた感情の方が先に立つ。
走り、打ち、守る。そのすべてが高水準で揃っているにもかかわらず、彼は常に摩擦を連れてくる。荒い性格、乱闘、挑発。だがそれらは欠点というより、彼のプレーが持つ温度のようなものだ。
三塁、いわゆるホットコーナーでの守備は、もはや説明不要だろう。
強肩という言葉では足りない送球が、打球の速度と同じだけの緊張感で一塁へ届く。MLB随一と評されるのも、誇張ではない。
打撃は派手さよりも持続力に価値がある。
2015年から5年連続で30本塁打を超えた事実は、彼の長打力が一過性の爆発ではなく、生活習慣のように安定していることを示している。
元々の本職は遊撃手。
ブライス・ハーパーと並んで未来を語られていた時代から、彼は憧れの存在としてアレックス・ロドリゲスと比較され続けてきた。守備位置を移しても、その視線だけは変わらない。
代表でどこを守るのか。
その問いは戦術以上に、マチャドという選手がどこに立たされるのか、という物語の続きを含んでいる。
エリー・デラクルーズ(シンシナティR)
2002年生 23歳
5ツールプレイヤー。そう呼ぶのは簡単だが、その五つがすべて過剰で、しかも同時多発的に発火する選手はそういない。
スイッチヒッターには往々にして「得意な側」と「そうでない側」が生まれるが、デラクルーズにはそれがない。
長い手足が描くスイングは、右でも左でも、バットの芯がボールをとらえた瞬間、打球は現実から一段階跳ね上がる。
パワーが落ちる打席など存在しない。どちらの箱からでも、同じ爆発音が鳴り響くのである。真のスイッチヒッターとは、こういうことなのだと、彼は説明なしで証明してしまう。
だが彼の本当の異常さは、そこでは終わらない。あれほどの打力のインパクトを持ちながらも、高く評価されのは、実はスピードだという事実。
走り出した瞬間、時間の進み方が狂う。速い、というより早い。
判断より先に身体が次の塁に触れている。
そして、肩。送球はもはや「投げる」という行為の範疇を逸脱している。ショートから、あるいはサードの深い位置からボールは一直線に、何事もなかったかのようにファーストへ届く。
人間の腕が許されている出力を、少し超えてしまっているように見えるのが怖い。
彼は野球の枠内に収まっているのではない。野球のほうが、彼のスケールに追いつこうとしている。
外野手
フアン・ソト(ニューヨークM)
1998年生 27歳
フアン・ソトの打撃は、反応ではなく理解から始まっている。
広角に打ち分ける長打力、その前提にあるのは、ストライクとボールの境界線を見失わないという、ほとんど異様な感覚だ。
選球眼は、もはや能力というより体質だ。
2018年のデビューから2025年までに出塁率4割を7度、100四球を6度。新人年の79四球は、10代として歴代最多であり、記録という言葉が軽く感じられるほどの差をつけている。
2020年、ナ・リーグ史上最年少で首位打者に立ち、OPSでもリーグの頂点に立った。その年は、彼が天才であることを証明したのではない。すでにそうである事実が、ようやく公式記録に追いついただけだった。
2024年までに積み上げた769四球は、ミッキー・マントルの記録を67年ぶりに更新した。出塁率という「量」に、長打力という「質」が加わる。
フアン・ソトは、ただ塁に出る打者ではない。打撃という行為そのものの水準を、静かに引き上げ続けてきた存在だ。
メジャー歴代最高レベルの打者と評される理由は、派手さではなく、その異常な持続性にある。
フェルナンド・タティスJr.(サンディエゴP)
1999年生 27歳
タティスJr.は、「ミート力」「長打力」「走力」「守備力」「送球力」すべてトップクラスにある、いわゆる“5ツール”の完成形に近い選手である。
元々はスター遊撃手ながら、2023年以降は右翼手としてトップクラスのクオリティを見せ、守備の最高の名誉であるプラチナ・ゴールドグラブ賞を2度受賞している。
まず速い。速さとは単なる走塁の数値ではない。バットが振り出されるまでの躊躇のなさ、打球が放たれるまでの一瞬の短さ、そして守備者が理解するよりも早く次の塁へ向かっている身体の反応速度。
そのすべてが、常識より半拍早い。野球が思考のスポーツであることを、彼は肉体で否定する。
だが、タティスJr.をただのスピードスターと呼ぶのは、あまりに浅い。
彼の打撃は暴力的だ。暴力的でありながら、無秩序ではない。内角の球を、普通なら詰まるはずの高さを、彼は強引に、しかし正確にスタンドへ運ぶ。
力任せに見えて、そこには角度とタイミングの計算がある。フルスイングは衝動の表現ではなく、選択の結果だ。
そして何より、彼は隠さない。感情を、喜びを、苛立ちを、そのすべてをグラウンドに持ち込む。
バットを放り、吠え、観客と視線を交わす。それは反抗ではなく、宣言だ。
野球は管理されすぎた沈黙のスポーツではない、と。
プールDの試合日程(日本時間)
ローンデポ・パーク(米・マイアミ)
3月7日(土) 02:00
🇳🇱 オランダ vs ベネズエラ 🇻🇪
3月7日(土) 09:00
🇳🇮 ニカラグア vs ドミニカ共和国 🇩🇴
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3月8日(日) 02:00
🇳🇮 ニカラグア vs オランダ 🇳🇱
3月8日(日) 09:00
🇮🇱 イスラエル vs ベネズエラ 🇻🇪
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3月9日(月) 01:00
🇳🇱 オランダ vs ドミニカ共和国 🇩🇴
3月9日(月) 08:00
🇳🇮 ニカラグア vs イスラエル 🇮🇱
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3月10日(火) 01:00
🇩🇴 ドミニカ共和国 vs イスラエル 🇮🇱
3月10日(火) 08:00
🇻🇪 ベネズエラ vs ニカラグア 🇳🇮
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3月11日(水) 08:00
🇮🇱 イスラエル vs オランダ 🇳🇱
3月12日(木) 09:00
🇩🇴 ドミニカ共和国 vs ベネズエラ 🇻🇪