第2回WBSCプレミア12
🔽Contents🔽
スーパーラウンド
スーパーラウンド開幕
世界はひとつの舞台として存在する。
野球という劇場で繰り広げられる筋書きのないドラマ。
その序章、オープニングラウンドでは、グループAのメキシコとアメリカ、グループBの日本と台湾、そしてグループCの韓国とオーストラリアが次なる幕開け、スーパーラウンドへの切符を手にした。
オープニングラウンドがただの予選リーグではないことは、次のステージへの伏線が張り巡らされていることでも明らかだろう。
オープニングラウンドでの直接対決の勝敗がそのままスーパーラウンドへと引き継がれるという設定だ。
ゆえに、メキシコ、日本、韓国は1勝を、アメリカ、台湾、オーストラリアは1敗を背負い、物語の次章に足を踏み入れることになる。
そして、舞台は変わる。
台湾、韓国、メキシコという戦場を経た後、物語の中心は日本へと移動する。
移ろう舞台、変わらぬ緊張感。各チームが織りなす競演は、時に観客を沸かせ、時にため息を誘い、そして常に心を揺さぶるのだろう。
第1戦:ZOZOマリンスタジアム
日本 vs. オーストラリア
🇦🇺 0 0 1 1 0 0 0 0 0 2
🇯🇵 0 0 0 1 0 0 1 1 X 3
(日)山口、田口、岸、甲斐野、山崎 ー 小林、會澤
【本】鈴木3号
侍ジャパン史に残る、伝説となるべきプレーが飛び出た試合である。
7回裏、1点ビハインドの日本はヒットで出塁の5番吉田に代走周東。
周東二盗、三盗からの源田のセーフティバントで周東が生還して同点に追いついた。鳥肌が立った。
2死からの三盗とセーフティである。普通はやらない。これは恐らく日本にしかできないプレーだ。
いや、周東と源田にしかできなかったプレーだ。侍ジャパン初だという鈴木の4試合連続打点が霞むほどだ。源田が一塁にヘッドスライディングしているのも見逃してはいけない。
とはいえ、すんなり勝てない侍ジャパンである。オープニングラウンド1勝2敗のオーストラリアに辛勝というのはさすがに苦しい。2失点ではあるが2点ともニ死からの失点であった。打線の爆発があまり期待できないだけに不安が残った。
中継ぎ以降、とくに甲斐野→山崎のリレーが完璧なだけに先制してリードする展開で中盤以降にもっていきたいところだろう。
第2戦:東京ドーム
日本 vs. アメリカ
🇺🇸 0 1 1 0 1 0 1 0 0 4
🇯🇵 0 0 0 1 0 1 0 1 0 3
(日)高橋、山岡、嘉弥真、大野、山本、中川 ー 甲斐、會澤
侍ジャパンの先発は高橋礼。
前回のプエルトリコ戦のような安心感はまるでなかった。いや、高橋の出来が悪いわけではなく、まあいいというわけでもないが、アメリカの対応力が高かったように思えた。
ほとんど外野にすら打球が飛ばなかったプエルトリコに対してアメリカはポンポン飛ばしてた。とにかく振れてるアメリカ打線であった。
結果として4回2失点の高橋礼。
打てない日本打線を考えればよろしくない。
中継ぎも踏ん張れなかった。不用意な失点もある。大野がアデルに打たれたホームランなどは好投していただけに、本当にもったいなかった。
とにかく侍ジャパンの生命線は投手陣である。慎重に、慎重に、慎重にいくしかないのだ。
打線は、ただただ浅村だった。お誕生日おめでとうの浅村が3打席連続タイムリーで3打点。
だがその後がつづかない。1点差に詰め寄るのだが直後にアメリカにまた離されるという笑えない展開。あと一本が出ない。取られてはいけないところで取られる。
1点を追う最終回の攻撃もなんの工夫も見られなかった。チャンスすら作れなかった。侍ジャパンは一度もリードすることなく惜敗である。
第3戦:東京ドーム
日本 vs. メキシコ
🇲🇽 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
🇯🇵 2 1 0 0 0 0 0 0 0 3
(日)今永、甲斐野、山本、山崎 ー 會澤
4番の鈴木以外の打順を大幅に入れ替えた侍ジャパンは初回に打線が繋がった。
坂本がヒットで出塁すると、3番に入った浅村は三振に倒れるが頼れる4番鈴木誠也がタイムリー。さらに外崎!がつづき、近藤のタイムリーで2点目を入れた。2回裏には坂本にタイムリーが出て1点を追加した。幸先のいいスタートである。
先発は今永。
素晴らしいピッチングでメキシコ打線を圧倒した。6回を1安打8奪三振!許した1本がホームランだったのはアレだが、ほぼ完璧な内容である。
つづく甲斐野、山本、山崎は1安打も打たれることなく試合をつくった。
ルーキーとは思えない甲斐野のピッチング。山本の149キロのフォークはもはや魔球である。
ここまで全勝のメキシコ打線が沈黙するほど、侍ジャパンの投手陣は最高だった。
唯一の安打は今大会絶好調の1番ジョーンズの2試合連続ホームランだった。
どうでもいいがメキシコ代表のキャップは日本でも人気の'47ブランドである。
侍ジャパンは2回以降は追加点を奪えなかったが、不満はあっても不安は感じなかった。それだけ輝いていた侍ジャパンの投手陣というわけだ。
先制点を取って逃げ切る。これが侍ジャパンの勝ち方だろう。
第4戦:東京ドーム
日本 vs. 韓国
🇰🇷 0 0 1 5 0 0 2 0 0 8
🇯🇵 0 1 6 0 2 0 1 0 X 10
(日)岸、大野、山岡、嘉弥真、大竹、田口 ー 會澤、甲斐、小林
侍ジャパンの先発は岸。韓国は次期代表エース候補である李承鎬が先発である。
試合は日本が2回裏に會澤、菊池の連続安打で先制点を奪うが3回表に韓国が同点に追いつく。
そして侍ジャパンのビッグイニングである。鈴木、浅村の連続タイムリーから押し出し、犠牲フライで一挙に6点を追加した侍ジャパン。
だが、この試合は日韓戦。
すぐに韓国は4番朴炳鎬のタイムリー、韓国の大谷と呼ばれる将来の4番候補で二刀流の姜白虎もつづき、侍ジャパン岸に襲いかかる。
楽勝ムードの侍ジャパンだったが1点差にまで詰められた。だが同点、逆転されなかったのは大きい。 5回には交代した大野が、三人の打者に一度もバットを振らせることなく連続四球で無死満塁とした。が、姜白虎の犠牲フライで1点を取られるころを、鈴木、外崎の美しいバックホームで阻止。
その裏には侍ジャパンは山田哲人、丸のタイムリーで3点差とした。 でもまたすぐに韓国は姜白虎の2点タイムリーで1点差にまで追いつく。
が、侍ジャパンは押し出しの死球で再び点差を広げる。最後は大竹、田口のリレーで試合を締めた。 点差を詰められながらも同点、逆転までは行かせなかったのはやはり大きい。
決勝ラウンド
決勝戦:東京ドーム
日本 vs. 韓国
🇰🇷 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3
🇯🇵 1 3 0 0 0 0 1 0 X 5
(日)山口、高橋礼、田口、中川、甲斐野、山本、山崎 ― 會澤
【本】山田1号
トップチームの国際大会決勝進出は実に10年ぶりである。2009WBC以来で、奇しくも対戦相手はやはり韓国だった。
侍ジャパンの先発は山口。韓国はW左腕エースの梁玹種である。
山口は立ち上がりにいきなり韓国打線につかまる。というかストライクが入らない。初回に2本のホームランを打たれて3点を先制された侍ジャパン。
よく3点で済んだな、というくらいに状態の悪い山口だった。
侍ジャパンはその裏にすぐに反撃、頼れる4番鈴木のタイムリーで1点を返す。2回からは山口に代えてピッチャー高橋礼。この投手交代で流れが日本にきたと思う。
過去最高の山田哲人コールが東京ドームに響きわたった2回裏、山田哲人の3ランホームランで侍ジャパンが逆転!
試合はここから投手陣が安定して両チームともに得点なく、7回裏の侍ジャパンの攻撃。浅村のタイムリーで侍ジャパンが待望の追加点!
ラスト3回は甲斐野、山本、山崎の鉄壁のリレーで韓国を封じ込めて侍ジャパン10年ぶりの世界一!
プレミア12初制覇!
そして4年前の悪夢を振り払った!


プレミア12の課題
その曖昧な存在意義
プレミア12── その名称には、何やら煌びやかで特権的な響きがあるが、実際のところ、その内実はどうか。
第1回大会の開催から年月を経た現在でも、この国際大会の「意味」がはっきりと形を成していないように見える。
そもそも、「国別対抗戦で世界一を決める」という役割なら、すでにWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)という、名実ともに確立された舞台がある。
それでは、プレミア12は何のために存在するのか。この問いに対する明確な答えが用意されない限り、この大会は単なる「二番煎じ」のままで終わる運命だろう。
オリンピック予選
第2回回大会では、東京オリンピックの予選を兼ねるという大義名分が掲げられた。そのため、一部には「オリンピック前哨戦」としての期待が寄せられたが、これがプレミア12の本質を語るものかと言えば、到底そうではない。
結局、大会そのものの課題── つまり「なぜこの大会は開かれるのか」という問い── は、オリンピックという祭典の陰に隠されたままだった。
次回大会がオリンピック予選と無関係であるならば、その問いは再び表舞台に引きずり出されるに違いない。
野球後進国の「目標」としての役割
プレミア12が特に意義を持つのは、野球後進国にとっての「目標」となる点だろう。
世界ランキング上位12位に入るための競争は、それなりにナショナルチームの成長を促すかもしれない。
ヨーロッパのチームにとって、北中米やアジアの強豪と戦える場が貴重な経験になるという主張も理解できる。
しかし、そうした側面だけでこの大会を「特別」と認識するのは難しい。ファンが求めるのは、ただの経験値稼ぎではなく、もっと劇的で記憶に残る何かだ。
プレミア12という名前の「軽さ」
「プレミア12」という名前自体にも問題がある。プレミアム── つまり最高級や特別感を想起させる言葉── が冠されているにもかかわらず、その実態はどうだろうか。
メジャーリーガーがいない大会を「プレミア」と呼ぶことに説得力はあるのだろうか。
むしろ、そのギャップがファンの失望を招きかねない。名称変更も視野に入れるべきだろう。
「ランキング上位12チームだけが参加できる」という仕組みがプレミアムだという主張も、一部の関係者の間では成立するかもしれないが、多くのファンにとっては、そんなことはどうでもいいのだ。
未来への問いかけ
このままでは、プレミア12がかつての「アジアシリーズ」と同じ道をたどる可能性もゼロではない。だからこそ、大会の存在意義を明確化し、名前も含めた再設計が必要だ。
それができれば、この大会は国際野球の発展に新たな価値をもたらすだろう。しかし、果たしてその覚悟が関係者にあるのだろうか。
プレミア12── その名前が持つ曖昧さの奥に、本当に輝く価値が潜んでいるのか。それとも、この大会自体が単なる「幻影」に過ぎないのか。
その答えは、今後の取り組みにかかっている。
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