アロー。
令和元年11月18日のスポーツニッポン。
少し驚いたりしてみる。気づけば令和である。そうかもう令和か。
というわけで2019年の第2回プレミア12である。翌年に控えた東京オリンピックの前哨戦、という位置づけだったが、年が明けて世界は一変してしまった。
稲葉監督の胴上げが一面。「週刊ベースボール」のプレミア12総決算号もそうだった。2009年のWBC以来の十年ぶりのトップチーム優勝だからだろうか。
四年前の第1回大会は、「東京ドームの悪夢」と呼ばれる準決勝敗退で終わり、今回はふたたび韓国との対戦となり、決勝で逆転勝ち。これ以上ない形で四年前の悪夢を振り払った。
プレミア12という国際大会の存在意義に疑問を呈する野球ファンも多いが、個人的には国際大会の決勝戦を見に行けるというだけでじゅうぶん。もちろん見に行けなくても存在意義はあるが、それは別の場所で語っているので割愛。
現地観戦していたが、逆転ホームランを打った山田哲人の打席での「やま〜だ、てつと!」コールは過去最高でドーム内に鳴り響いた。
継投の勝利の方程式は、甲斐野→山本由→山崎康である。このときの山本由伸は中継ぎの一角であったが、二年後の東京オリンピックでは侍のエースピッチャーへと成長している。
守護神の山崎康晃は、四年前の悪夢では登板すらできなかった悔しさがあり、この日のマウンドでそれを払拭することができたのである。
メジャー移籍を控えながらも稲葉監督の招集に応えたが、大会前の強化試合で負傷離脱してしまった秋山翔吾。稲葉ジャパンでは精神的支柱だった。
さて、開催国枠として予選免除の日本代表は別として、東京オリンピック予選も兼ねていた第2回プレミア12なので、消化試合のような3位決定戦も五輪出場をかけてのメキシコ対アメリカで非常に素晴らしい熱戦だった。
だが翌年の新型コロナ感染拡大の影響でオリンピックはまさかの延期となってしまった。