アロー。
平成20年8月23日サンケイスポーツ。
大一番である準決勝に弱い侍ジャパン、というイメージはこのあたりから植え付けられたような気がする。だが、プロ選手が出場したシドニー五輪以降に限れば日本代表の決勝での勝率は10割である。
WBC2006、WBC2009、アジチャン2017、プレミア12 2019、東京オリンピック、WBC2023、アジチャン2023と、決勝に進出した国際大会では全て優勝しているのである。1984年のロス五輪以降では、ソウル五輪とアトランタ五輪のみ決勝戦で負けている。
決勝には強いが準決勝には弱い。なんだか矛盾しているが、決勝進出さえすれば、というチームなわけである。だがファンからすると決勝で負けるより準決勝で負けるほうがダメージが大きい気がする。決勝で負けてないのでなんとも言えないが、あと一つ残して負けるほうが辛い。
ということで今日は北京五輪準決勝。
やはりまた星野監督が一面である。「申し訳ない」と野球ファンに謝る星野仙一。
辛い。
予選リーグでも敗れた韓国に、大一番でまたも敗れ去った星野ジャパン。最後のオリンピック(当時)での金メダル奪取が最重要課題だった日本球界であったが、実現には至らなかった。
準決勝の韓国戦では、日本代表伝説のプレーが生まれた。
8回裏のG.G.佐藤伝説の落球である。これほどオリンピックの恐ろしさを体現したプレーはないだろう。G.G.佐藤が特別に守備のうまいプレイヤーだとは思わないが、慣れないレフトとはいえ平凡なフライを落球したのである。4回裏にも失点につながるトンネルをしているG.G.佐藤。
西武ドームで中島、涌井とともに北京五輪への意気込みを語り日本代表に合流していったG.G.佐藤を現地で見送ったライオンズファンからすると、あまりにも辛すぎる瞬間だった。
同点の8回裏に勝ち越しの2ランホームランを打った李承燁。オリンピックでの韓国戦といえば李承燁である。とにかく李承燁にやられている。