侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

【侍ジャパン・トップチーム新監督に井端弘和が正式決定!】

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侍ジャパン・トップチームの新監督に井端弘和が正式に就任した。

まあ、いつもそうだけど、大差はないのかもしれないけれども、正式発表のときに報道してもらいたい。情報漏れはなんかつまらん。

結果的に今回も、監督就任正式決定の時点ではもう、ああそうだよね、もう知っとる。となる。寂しいことになる。

 

さて、選手としての侍ジャパン井端弘和といえば、やはりWBC2013の2次ラウンド台湾戦での、崖っぷち1点ビハインド9回表2死2ストライクから放った起死回生の同点タイムリーだろう。

鳥谷の盗塁とともにこの大会のハイライトとなった伝説の一打だ。

現役引退後は2017年から2021年の東京オリンピックまで、稲葉ジャパンでコーチを努めた。さらに2022年から23年には侍ジャパンU-12代表監督に就任している。

 

現時点では2024年11月末、すなわち来年の第3回プレミア12終了までが任期となっている。以降は大会ごとに契約を継続・更新していく可能性があるということだ。つまりは2026年の第6回WBCに関しては未定ということになる。

今後10年、連年で国際大会が開催される可能性があるということで、数年のスパンではなく、各大会ごとにベストな野球ができる監督が指揮していく、という監督選考システムへシフトチェンジするようだが、これが侍ジャパンにとってベストなのかは疑問である。

このシステムで、侍ジャパン・トップチームの指針や方向性は継続していけるのか。本来なら新監督就任とともに新チームは大会ごとに作り上げられていくが、大会ごとに監督を変えていくシステムでチームの成長性は損なわれてしまうのではないか。

単に、円滑に進まない監督人事事情の解決策なだけではないか、ということである。

まあ、新しいシステムなのでどうなるかはまだわからない。うまくいくかもしれん。知らんけど。

さらに井端監督はU-15代表監督も兼務する。稲葉トップチーム元監督が、U-23代表監督を兼務したが、U-23代表も同じプロ選手だった。だが、U-15代表は当然のことにアマチュア選手、中学生である。これは初の試みである。


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井端弘和日本代表歴

選手

2001年 第34回 ワールドカップ

2002年 第15回 インターコンチネンタルカップ

2003年 第22回 アジア野球選手権大会兼アテネ五輪

                               アジア地区予選

2007年 第24回 アジア野球選手権大会兼北京五輪ア

                               ジア地区予選

2013年 第3回 WBC

 

2015年 現役引退

 

コーチ

2017年 第1回 アジアプロ野球チャンピオンシップ

2018年 第39回 日米野球

2019年 第2回プレミア12

2021年 東京オリンピック

 

監督

2022年 第6回 WBSC U-12ワールドカップ

2023年 第7回 WBSC U-12ワールドカップ

 


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井端は、今年のU−18代表の選手選考、プレースタイルに異論を唱えた。

U−18代表の馬渕監督が掲げたのは、日本野球伝統のお家芸ともいえるスモールベースボールで、スラッガータイプより、バントができる選手を選出した。これは、日本の高校生は普段のプレイでは金属バットを使用しているが、国際大会では木製バットでのプレイとなるなどの理由もあるだろう。短い準備期間でスラッガータイプの選手が木製バットにアジャストできるかどうか、ということだろう。

結果は過去のU−18代表の成績が物語っている。ワールドカップでの優勝を目指すのなら、徹底したスモールベースボールで勝負、これが今年のU−18代表の戦い方だった。そして結果を出した。

井端弘和が理想として掲げるのは、各カテゴリーの目先の勝利ではなく、U-12からトップチームまでの侍ジャパンが一本化した戦略を持つことである。

U-23、社会人代表の石井章夫監督、そしてトップチーム前監督の栗山英樹が脱スモールベースボールで勝ち切る野球を日本にもたらした。この流れを継続するのであれば、アンダーカテゴリーのチームも同様の野球をするべきではないか、と井端弘和は異論を唱えたわけである。

U−18代表の場合は甲子園大会との兼ね合いなど、クリアすべき課題も多い。だが、トップチームが世界最高水準のチームでありつづけるには、全カテゴリーでの共通認識が必要だろう。

とはいえ、井端弘和はU−18代表に大会前に臨時コーチとしてのバント指導を快諾している。全カテゴリーの侍ジャパンが名称とユニフォームだけではなく、日本の野球がどこへ向かうべきかを共有するにはどうすべきか、という時代に突入していると思うので、それを本気で考えている井端弘和の監督就任は繋ぎでもなんでもない、最適人事だと思う。

まずは約1ヶ月後に迫った、初陣となる第2回アジアプロ野球チャンピオンシップだ。