侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

【侍ジャパン歴代最強チーム・ランキング】

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侍ジャパン歴代最強チーム、最強メンバーはどれだ?ということを考えてみた。

精緻なデータによる総合的な判断での順位決定、ということではないことはご理解いただけると思う。とても、ものすごく、エゴイスティックなほどに独断である。なんとなくである。気持ちである。

だが、それがこのブログの基本姿勢だ。ミーハー精神だ。侍ジャパンを好きになったんですケド、侍ジャパンを応援したいなあ、なんて、侍ジャパンの試合を見に行きたい、侍ジャパンのことを色々と知りたい、そんな人のためのブログだ。

難しいことは抜きだ。楽しくやろうぜ。

というわけで侍ジャパン歴代最強ランキングは独断で、なんとなく、ってやつで、ベスト17というなんとも中途半端な数なわけだがそこはゆるく見てほしいちゃむ。

で、はじまりはいつものとおり、ロス五輪日本代表としています。


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          🔽Contents🔽

 

 

 

17位 2000年

シドニー五輪 4位

監督 太田垣耕造

1(遊)沖原佳典

2(中)飯塚智広

3(左)田口壮

4(三)中村紀洋

5(指)松中信彦

6(一)田中幸雄

7(右)梶山慶彦

8(二)平馬 淳

9(捕)鈴木郁洋

  (投)松坂大輔、黒木知宏、杉浦正則

 

日本代表初のプロ・アマ混成チーム。だが、結果はオリンピックでは初のメダル無しという最悪の結果となった。チーム力というのは、単純な足し算ではないということを証明してくれたチーム。

4ヵ年計画でオリンピックを目指すアマチュア日本代表に、プロ選手を混ぜ合わせたとて、ということである。とにかく準備期間が短すぎた。もちろんそれだけのことではないのだが。

ただ、古田敦也が招集されていたらどうなっていたか。どうもなっていなかったかも。知らんけど。

 


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16位 1992年

バルセロナ五輪 銅メダル

監督 山中正竹

1(二)大島公一

2(遊)十河章浩

3(右)佐藤真一

4(一)徳永耕治

5(三)若林重喜

6(左)小久保裕紀

7(指)小島啓民

8(捕)高見泰範

9(中)坂口裕之

  (投)伊藤智仁、小桧山雅仁、杉浦正則

 

社会人中心で、大学生は小久保裕紀のみ。伊藤智仁と小桧山雅仁の2大エースを擁したチーム。

予選リーグ、準決勝で台湾のエース郭李を二度も攻略することができなかった。これはかなり大きいマイナスポイントだが、アメリカには2回勝っているのは大きい。

 


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15位 1984年

ロス五輪 金メダル

監督 松永怜一

1 (二) 正田耕三

2 (捕) 嶋田宗彦

3 (中) 熊野輝光

4 (右) 荒井幸雄

5 (一) 福本勝幸

6 (指) 広沢克己

7 (左) 森田昇

8 (三) 浦東 靖

9 (遊) 森田芳彦

   (投)伊東昭光、宮本和知、吉田幸夫

 

大会直前でのキューバ代表の出場辞退により出場権を得た日本代表。急造といえば急造チームである。だが結果的には敵地アメリカでアメリカをやっつけての金メダル。特に投手三本柱の伊東、宮本、吉田のフル回転が大きい。

急造だが、五輪アメリカ代表の母体となるアメリカ大学代表と日米大学野球で対戦してきた広沢ら大学生らと、厳しい予選を戦った社会人との融合が力を発揮したのかもしれない。

そこは急造チームを短期間でまとめ上げた監督松永怜一の力によるものだろう。侍ジャパン黎明期における、奇跡のようなチームである。

 

 

14位 1996年

アトランタ五輪 銀メダル

監督 川島勝司

1(右)高林孝行

2(左)西郷泰之

3(中)谷 佳知

4(一)松中信彦

5(捕)大久保秀昭

6(指)佐藤友昭

7(遊)井口忠仁

8(二)今岡 誠

9(三)福留孝介

  (投)杉浦正則、三澤興一、川村丈夫

 

崖っぷちから這い上がったチームは強い。

エース杉浦正則中心のチームだが、右足肉離れの杉浦に中継ぎの森が肘を痛め、予選リーグ序盤で早くも3敗を喫し窮地に陥る。

だが予選リーグ後半からは、満身創痍の投手陣に代わって打線が爆発する。負けられない試合となったニカラグア戦に、右足が完治していない杉浦が先発。これがチームを変えた。

準決勝では、予選リーグでコールド負けを喫したアメリカ代表に打ち勝ち、決勝のキューバ戦では中盤に6点差を追いつくなど善戦した。

 


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13位 1988年

ソウル五輪 銀メダル

監督 鈴木信義

1(三)葛城弘樹

2(遊)西 正文

3(右)筒井大助

4(一)中島輝士

5(指)大森 剛

6(左)松本安司

7(二)小川博文

8(捕)古田敦也

9(中)前田 誠

  (投)石井丈裕、野茂英雄、潮崎哲也、渡辺智男

 

アマチュア日本代表歴代最強と言われるチーム。

とにかく投手陣がすごい。後に西武に入団する石井丈裕、潮崎哲也、渡辺智男、鈴木哲に、7年後にはメジャーリーガーとなる野茂英雄である。その投手陣を束ねるのが古田敦也だ。

中島、大森は国際クラスのパワーヒッターで、力で世界をねじ伏せる野茂英雄。栗山監督がWBCで目指したスモールベースボールからの脱却、世界基準のパワーベースボールを35年前に体現していたとも言えるチームだった。

 

 

12位 2008年

北京五輪 4位

監督 星野仙一

1(指)西岡 剛

2(二)荒木雅博

3(中)青木宣親

4(一)新井貴浩

5(右)稲葉篤紀

6(遊)中島裕之

7(捕)阿部慎之助

8(三)村田修一

9(左)G.G.佐藤

  (投)ダルビッシュ有、涌井秀章、成瀬善久

 

最後のオリンピック(当時)で念願の金メダルを穫るために、メジャーリーガー以外は制約なしのトップチームで挑んだが、まさかのメダル無しという最悪の結果に終わった星野ジャパン。

決して金メダルを穫れないチームではなかったはずだが、星野采配の、ある意味弱い面が全面に出てしまったのが主な敗因だろうか。

 

 

 

 

 

11位 2013年

第3回WBC ベスト4

監督 山本浩二

1(二)鳥谷敬

2(指)井端弘和

3(右)内川聖一

4(捕)阿部慎之助

5(中)糸井嘉男

6(遊)坂本勇人

7(左)中田翔

8(一)稲葉篤紀

9(三)松田宣浩

  (投)前田健太、田中将大、牧田和久

 

WBC三連覇を目標に掲げたが、選手会によるWBC不参加表明、二転三転する監督選考など、大会前に色々ありすぎた。さらにはメジャーリーガーが一人も参加できず、国内組のみのチーム編成になってしまった。

監督が8年ぶりの復帰となる山本浩二だったのが、やはり大きかったのではないか。

2次ラウンド台湾戦での劇的な勝利もあったが、決勝ラウンドでは完全に実力不足を露呈した。阿部慎之助に主将、正捕手、4番のすべてを任せてしまったのも敗因の一つかもしれない。

 


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10位 2007年

北京五輪アジア地区予選 優勝

監督 星野仙一

1(二)西岡剛

2(遊)川崎宗則

3(中)青木宣親

4(一)新井貴浩

5(捕)阿部慎之介

6(指)村田修一

7(右)稲葉篤紀

8(左)大村三郎

9(三)森野将彦

  (投)ダルビッシュ有、涌井秀章、成瀬善久

 

北京オリンピック代表チームの母体となったチームなわけだが、予選チームのほうがチームとしての結束を強く感じた。

もちろん予選にはキューバもアメリカもいないわけだが、北京五輪出場権獲得は相当な重圧だったはずだ。そのプレッシャーを退けて勝利した星野ジャパンに輝く未来を見たものだ。

なぜあんなことになってしまったのか。

 


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9位 2015年

第1回プレミア12 3位

監督 小久保裕紀

1(中)秋山翔吾

2(遊)坂本勇人

3(二)山田哲人

4(指)中村剛也

5(左)筒香嘉智

6(一)中田 翔

7(三)松田宣浩

8(右)平田良介

9(捕)嶋 基宏

  (投)大谷翔平、前田健太、菅野智之

 

準決勝韓国戦、すなわち「東京ドームの悪夢」の記憶しかない大会。

中村剛也、筒香嘉智、中田翔を並べ、小久保監督が目指したパワーベースボールのプロトタイプチームとなるはずだったが、中村がまったく機能しなかった。ここに柳田悠岐や打者大谷翔平がいればどうなっていただろうか、と語る以前にやはり小久保監督の監督としての資質が問われた。

色々と早すぎたチームだったのかもしれない。

 

 

 

 

8位 2019年

第2回プレミア12 優勝

監督 稲葉篤紀

1 (一) 山田哲人

2 (二) 菊池涼介

3 (左) 近藤健介

4 (右) 鈴木誠也

5 (指) 浅村栄斗

6 (遊) 坂本勇人

7 (中) 丸 佳浩

8 (捕) 會澤 翼

9 (三) 松田宣浩

 (投)今永昇太、高橋礼、山本由伸

 

東京五輪日本代表の基盤となったチーム。

大会直前でチームの中心メンバーである秋山翔吾が負傷離脱したが、プレミア12初優勝を成し遂げた。

東京オリンピック金メダル獲得を目指すチームであるため過渡期のチームだが、稲葉監督のもと、結束力のあるいいチームだった。

 

 

7位 2017年

第4回WBC ベスト4

監督 小久保裕紀

1(指)山田哲人

2(二)菊池涼介

3(右)青木宣親

4(左)筒香嘉智

5(一)中田翔

6(遊)坂本勇人

7(三)松田宣浩

8(捕)小林誠司

9(中)秋山翔吾

  (投)菅野智之、千賀滉大、石川歩

 

WBCでありながらメジャーリーガーが青木宣親一人というチーム編成となった、小久保ジャパンの集大成となったチーム。

柳田悠岐、大谷翔平不在となり、小久保監督が目指した世界基準のパワーベースボールは中途半端な形になってしまった。それでも2次ラウンドまでは全勝で勝ち抜けるチーム力。つまりは東京ラウンドと決勝ラウンドでは次元が違うということなのだ。

だが、日本が投手力を中心としながらも、個々の力量でパワー勝負をすることができる、脱スモールベースボールへと舵をきった小久保監督は評価しておきたい。

 

 

6位 2004年

アテネ五輪 銅メダル

監督代行 中畑清

1(右)福留孝介

2(遊)宮本慎也

3(中)高橋由伸

4(捕)城島健司

5(三)中村紀洋

6(左)谷 佳知

7(一)小笠原道大

8(指)和田一浩

9(二)藤本敦士

  (投)松坂大輔、上原浩治、黒田博樹

 

オリンピックを前にして、チームの精神的支柱とも言える長嶋監督が病魔に倒れる事態に。チーム編成も12球団2名ずつ選出という制限があった。それでも投手陣は後のメジャーリーガーが並び、イチロー、松井秀喜らを除けば最強ジャパンと呼べた編成であった。1番に福留孝介を据えるあたりに最強感をひしひしと感じる。

アテネ五輪は最大のライバルであるアメリカ、韓国が予選敗退で出場を逃し、日本は金メダル確実と思われたが、初のオールプロによるオリンピックでのオールプロ日本代表は、国際大会での経験値がアマチュア以下であったことが露呈された。

個々の力はかなりのものだが、ゲームメイクがあまりにも脆弱だった。

 


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5位 2021年

東京五輪 金メダル

監督 稲葉篤紀

1. (指) 山田 哲人

2. (遊) 坂本 勇人 

3. (左) 吉田 正尚

4. (右) 鈴木 誠也

5. (一) 浅村 栄斗

6. (中) 柳田 悠岐

7. (二) 菊池 涼介

8. (三) 村上 宗隆

9. (捕) 甲斐 拓也

 (投)山本由伸、森下暢仁、田中将大

 

悲願のオリンピック金メダル獲得を成し遂げた歴史に残る代表チーム。

新型コロナ感染拡大という事態によりオリンピックが延期となり、チームは再編成を余儀なくされたのだが、結果的にはプレミア12のチームへの新戦力融合が成功し、個々の選手がそれぞれの役割をまっとうする、理想型のチームとなった。

いい選手を集めるのではなく、いいチームをつくることを念頭においた稲葉監督の選考は当初は非難もされたが、結果でねじふせた。とはいえ、一歩まちがえれば敗因の種にもなりかねない、際どいチームメイクもあった。これはドライに成りきれない日本人の特性だろうが、良い面でもあるのだろう。


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4位 2003年

アテネ五輪アジア地区予選 優勝

監督 長嶋茂雄

 

1(遊)松井稼頭央

2(二)宮本慎也

3(中)高橋由伸

4(捕)城島健司

5(右)福留孝介

6(左)谷 佳知

7(指)井端弘和

8(一)小笠原道大

9(三)二岡智宏

  (投)松坂大輔、上原浩治、和田毅

 

日本球界初の、オールプロによるナショナルチームはまさにドリームチームとなった。率いるのはミスタープロ野球の長嶋茂雄。

このチームの特異点は、スタメンに、所属チームではショートを守る選手が4人も名を連ねていることだろう。松井稼頭央、宮本慎也、井端弘和、二岡智宏の四人である。

MLB組不在のトップチームでは最強チームだったのではないか。東京五輪代表チームと甲乙つけがたいとは思うのだが、全選手が万全の状態で、さらには投手力が長嶋ジャパンのほうに軍配が上がるのではないかと思われ、長嶋ジャパンを上にした。

 


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3位 2006年

第1回WBC 優勝

監督 王貞治

1(右)イチロー

2(二)西岡剛

3(中)福留孝介

4(指)松中信彦

5(左)多村 仁

6(三)岩村明憲

7(一)小笠原道大

8(捕)里崎智也

9(遊)川崎宗則

  (投)松坂大輔、上原浩治、渡辺俊介

 

いよいよベスト3である。

第3位は、メジャーリーガー参加の初の国際大会である、ワールド・ベースボール・クラシックの第1回大会に出場した野球日本代表チーム。監督は日本が世界に誇るレジェンド・王貞治。

オリンピックにプロ選手は参加すべきではない、という主張をもちつづけオリンピックには出場しなかったイチローが遂に、日本代表のユニホームを着た。それだけでとにかく興奮して興奮して興奮したことは覚えている。つまりはとても個人的に思い入れの強いチームということだ。

投手陣は世界基準以上のレベルだったが、攻撃陣は松井秀喜の辞退もあり、イチローを中心としたスモールベースボールに徹した。だがそれにより野球がベースボールに勝利した瞬間に、日本国民は立ち会うことができたのである。日本の野球は間違ってなかったことが証明されたわけである。

 

 

2位 2009年

第2回WBC 優勝

監督 原辰徳

1(右)イチロー

2(遊)中島裕之

3(左)青木宣親

4(三)村田修一

5(指)稲葉篤紀

6(一)内川聖一

7(中)福留孝介

8(捕)城島健司

9(二)岩村明憲

  (投)松坂大輔、岩隈久志、ダルビッシュ有

 

たどり着いたベスト2。

第2位は、前大会王者として「守るのではなく、奪いに行く」という姿勢で臨んだ、第2回ワールド・ベースボール・クラシック。監督は原辰徳。

昨年までなら侍ジャパン最強ランキング、堂々の1位に君臨していたであろうチームだ。日本野球が掲げたスモールベースボールの理想型であり、最終形態ではないだろうか。

世界最高レベルの投手陣に、絶対的司令塔の城島健司。野手陣は、前回同様にイチローを中心としたスモールベースボールだが、肝心のイチローの調子が上がらなくても、他の選手がそこをじゅうぶんにカバーできる力を備えていた。

春の日の幻のやうな、奇跡のチームだった。

 


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1位 2023年

第5回WBC 優勝

監督 栗山英樹

1(中)ラーズ・ヌートバー

2(右)近藤健介

3(投)大谷翔平

4(三)村上宗隆

5(左)吉田正尚

6(一)岡本和真

7(二)山田哲人

8(遊)源田壮亮

9(捕)中村悠平

 (投)大谷翔平、ダルビッシュ有、山本由伸、佐々木朗希

 

いよいよですね、いよいよですよ、始まりますね、始まりますよ。侍ジャパン心のベスト17第1位は当然のこのチーム。

まだまだ記憶に新しい、WBC2023の優勝チームである。新型コロナ感染拡大の世界が通常の日々を取り戻した2023年の春、代表初の二刀流出場や日系メジャーリーガー参戦と過去の代表チームとは比較が困難であり、昭和・平成の言葉で語ることは拒絶されてしまいそうな、まったく新しい侍ジャパンが誕生したのである。

小久保監督と稲葉監督が成し得なかった新しい世界を、栗山英樹と大谷翔平は提示して見せた。

マンガのような、映画のようなとは現実に対して失礼な表現だが、そう言うしかないチームであったことは間違いない。

投手力、打撃力ともにパワーで世界に対抗できることを証明した。その上で日本が強いのは、パワーだけでなく、日本野球の魂と呼ばれる、先達の選手たちから連綿と受け継がれてきた心・技・体を放棄することなく内に秘めているからだろう。