まず結論から言うと、侍ジャパンが好き、WBC開催中の日々が最高に楽しかった、3年後の次回WBCが待ちきれない、という人は絶対に見たほうがいい。
いずれはBlu-rayやDVDで販売されるだろうし、テレビでも放映されるかもしれないが、できれば映画館で見たほうがいい。スクリーンで見る画像の質感が、なんとも言えず良いのである。もちろん、それだけではないけど。
3年前、新型コロナウイルスの影が忍び寄ってきた頃、「侍の名のもとに」を見に行った。稲葉監督就任からプレミア12優勝までを追ったドキュメント映画だったが、号泣したさ。
だから、あの伝説の春の日々から2ヶ月以上が経っているけれども、結果を承知の上で見ても、まだ泣くのか、おまえは、というくらいに映画館で泣いていたわけだが、そんなことははじめから自明のことだったんだ。
涙って、際限がないんだ。
栗山監督の野球への情熱に、ダルビッシュ有の大きなやさしさに、大谷翔平の想像を超える存在感に、源田壮亮の熱い魂に、佐々木朗希の、いや、もう書ききれない。書いてるだけでまた泣けてくるから恐ろしい。
細かいことはやめておこう。
飽きるほど(飽きてないけど)に見たシーンもあれば、初めて見る裏側もある。べつにマイアミまで行って観戦したわけではないけど、あのとき、あの大きな輪のなかに自分は確かにいたのだ、というなぜだかわからないけど誇らしい気持ち。おそらくは多くの日本国民が同様の気持ちになるのではないか。そんな感情が沸き起こる映画である。
夢が目の前に現れた、そんな映画である。
あと、窪田等さんのナレーションがいいんだよな。静かで、感傷的ではないんだけど、やさしさにあふれたような声なんだ。
明日が来ることはわかる
昨日が戻らないのも知ってる
できれば、やり直したいけれど
それでもどこかで
今も求めているものがある
不滅のロックスター
永遠のキングは
明日をどう生きただろうか
「さよならの今日に」あいみょん
というわけで、僕は明日も働くのである。鈍くて重い足を必死に持ち上げながら歩くのである。日々はつづき、つづきはつづきをつづけていくのである。