くたばれコロナ!とりあえず小さくたって大きな声で叫ばなければ気がすまぬ。昨日も今日も。
表紙に「北京五輪まであと21日」とあり、カウントダウンが掲載されている。とある国際大会開幕へ向けてのカウントダウンは過去にも、未来にも例がない。もしかすると東京五輪が今年開催されていたら同様のことが表紙でなされていたかもしれないが。そして星野監督。やはり表紙を飾るのはこの男である。
北京五輪野球日本代表24人が決定し、発表記者会見か再録されている。北京五輪とは関係ないが、メジャーリーグの開拓者・野茂英雄が現役引退を表明したことの記事が掲載されている。野茂も元日本代表である。
オリンピック開幕まで1週間。1年以上前から星野ジャパンの特集を組んでいたことを考えると、遂に来たか、と万感の思いである。表紙は遂に選手である。川崎宗則と西岡剛。2006WBCの王ジャパンでも二遊間を組んだコンビである。本番では川崎は早々に姿を消してしまうが。
まずは上原浩治インタビュー。そして川崎と西岡のスペシャル対談。日本代表選手名鑑、試合日程。直前合宿のリポート。代表で国際大会の経験がある選手の、国際試合全成績はなかなか貴重なデータである。他にも出場国完全戦力分析、オリンピック野球競技の軌跡など、かなりの充実ぶりである。否が応でも盛り上がること必至。
遂に、遂に開幕した北京オリンピック。表紙はまたしても星野監督。星野ジャパンとはいえ、ダルビッシュや上原浩などいくらでも画になる男たちはいくらでもいたと思うのだが。
当然のことにオリンピックの記事である。北京オリンピック特報として、予選リーグのリポートに各試合のハイライト。また伊東勤の「プロフェッショナル配球考」では予選リーグ初戦の成瀬善久とデスパイネの対戦を取り上げている。また「イチロー4000安打への道」という特集が載っている。張本勲のプロ野球記録を更新する、日米通算3086安打達成が見えはじめたシーズンである。
北京オリンピック総決算特集である。「週刊ベースボール」史上最も哀しい表紙ではないかと思っている。ここがWBCとオリンピックの違いである。同じ準決勝敗退でもかなり違う。佐藤隆彦の右肩にやさしく置かれた手が辛い。辛い。東京オリンピックではこうはならないことを祈っている。祈っている。
星野JAPAN、なぜ負けた!である。
準決勝と3位決定戦のリポートは「日本代表密着ドキュメント 屈辱の2日間」と題されている。とにかく、これでもかと多角的に敗戦分析である。負けたのだから当たり前だが。
伊東勤の「プロフェッショナル配球考」では準決勝の岩瀬仁紀と李承燁の対決を取り上げている。2009WBCのときに監督人選問題の中心人物となる星野監督だが、この時点では石田雄太の「星野監督には、WBCの指揮官を引き受ける責任がある」というスペシャルリポートが掲載されている。半年後には思い切り逆風か吹くわけだが。とにかく重い。
オリンピックでの敗北は洒落にならない事態であることがよくわかる。
2008 北京五輪野球観戦ガイド
オリンピックでよく見る観戦ガイド。普段は見ない競技でもオリンピックになると見るのである。それがオリンピックの魔力。
つまりは野球のことはよく知らないが、オリンピックなので見てみようという日本国民に向けた本というわけだ。
内容としては公式プログラムのようなものである。星野監督、宮本慎也のインタビューに過去の五輪戦士たちのエールなど。
五輪開幕前なので、「星野ジャパン金メダル獲得計画」など、当然のことに夢と希望に溢れた内容となっております。
2008 北京五輪決算号
観戦ガイドから一気に地獄へ突き落とされる。この落差がたまらない。
「日本代表はなぜ敗れたのか―」というストレートな言葉が中央に鎮座している。ここまで敗者日本代表を前面に出しての決算号というのは珍しい。日本代表としてはWBC2013の決算号も同じ立ち位置のはずだが、ここまで重いカラーに支配されてはいない。オリンピックというのは恐ろしい、ということがよくわかる、そういう意味では希少価値のある一冊と言える。
とにかく、とにかく暗くて重いビジュアルに支配されているのであった。金メダルどころか、メダル無しで終わってことを考えれば当然なのだが、果たしてこれは売れたのだろうか?