侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

【侍ジャパンの歴史・記憶 2009WBC前篇】WBCは北京のリベンジの場ではないと、イチローは言った

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WBC2009ポスター

 

WBCと北京オリンピック

まずは代表監督の選考の段階で火花が飛び散ったのであった。
2006WBC以降、もはや一選手の発言以上の重みをもつようになってしまったイチローの言葉。それは代表監督の選考にまで影響を及ぼすレベルになってしまった。
「最強のチームをつくると言う一方で、現役監督から選ぶのは難しいでは、本気で最強のチームをつくろうとしているとは思えない」
「大切なのは足並みをそろえること。北京の流れからリベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みをそろえることなど不可能でしょう」
星野監督で北京のリベンジを、という既定路線があったと言われている2009WBC侍ジャパン監督の選考会議。だがイチローの発言、さらにはそこへ松坂も同調することになり監督選考は白紙に戻った。
最終的には日本シリーズ優勝チームの監督に要請となったが、優勝した埼玉西武の渡辺久信監督が就任1年目の経験の浅い監督であったため、セリーグチャンピオンの巨人軍監督原辰徳が就任することになった。
また、原監督の要請によって、日本代表に侍ジャパンという永続的な名前がつけられることになった。

「もう一度本気で世界一を奪いにいく。WBC日本代表のユニホームを着ることが最高の栄誉であるとみんなが思える大会に、自分たちで育てていく。シンプルなことなんですけどね」
前大会王者として臨んだ第2回WBCに対して、守るのではなく奪いにいくという姿勢を示した侍ジャパン、というかイチロー。こうして伝説となった2009WBCは幕を開けたのである。

 

日本代表メンバー

監督

83  原辰徳

    
コーチ

63  高代延博       
71  山田久志       
72  伊東勤        
73  緒方耕一       
81  篠塚和典       
92  与田剛

    
投手

11  ダルビッシュ有(北海道日本ハムF)
14  馬原孝宏(福岡ソフトバンクH)
15  田中将大(東北楽天GE)
16  涌井秀章(埼玉西武L)
18  松坂大輔(ボストンRS)
19  岩田稔(阪神T)
20  岩隈久志(東北楽天GE)
22  藤川球児(阪神T)
26  内海哲也(読売G)
28  小松聖(オリックスB)
31  渡辺俊介(千葉ロッテM)
39  山口鉄也(読売G)
47  杉内俊哉(福岡ソフトバンクH)


捕手

2    城島健司(シアトルM)
10  阿部慎之助(読売G)
29  石原慶幸(広島C)


内野手

5    栗原健太(広島C)※ 村田負傷による追加招集
6    中島裕之(埼玉西武L)
7    片岡易之(埼玉西武L)
8    岩村明憲(タンパベイR)
9    小笠原道大(読売G)
25  村田修一(横浜B)※ 第2Rで負傷離脱
52  川崎宗則(福岡ソフトバンクH)


外野手

1    福留孝介(シカゴC)
23  青木宣親(東京ヤクルトS)
24  内川聖一(横浜B)
35  亀井義行(読売G)
41  稲葉篤紀(北海道日本ハムF)
51  イチロー(シアトルM)

 

 

基本オーダー

1(右)イチロー
2(遊)中島裕之
3(左)青木宣親
4(三)村田修一
5(指)稲葉篤紀
6(一)内川聖一
7(中)福留孝介
8(捕)城島健司
9(二)岩村明憲

 

 

 

 

1次ラウンド

プールA:東京ドーム

第1ラウンドは日本・東京、メキシコ・メキシコシティ、カナダ・トロント、プエルトリコ・サンファンで開催された。第2回大会ではダブルイリミネーション方式トーナメント戦が採用された。この方式により、日本は東京ラウンドから決勝戦までで韓国戦を5試合行う事態となった。

 

 

第1戦

日本vs中国

🇨🇳  0 0 0  0 0 0  0 0 0   0

🇯🇵  0 0 3  0 0 1  0 0 0   4
(日)ダルビッシュ、涌井、山口、田中、馬原、藤川 ― 城島、阿部
【本】村田1号

 

初戦は中国戦である。先発はダルビッシュ有。投手陣は中国打線を無失点に抑えたが、日本打線もまた中国投手陣に5安打に抑えられている。4番村田の2ランホームランや中国のミスなどで4点を取り勝つには勝った、という勝ち方だ。

 

 

第2戦

韓国vs日本

🇯🇵  3 5 0  1 2 2  1   14

🇰🇷  2 0 0  0 0 0  0   2

(日)松坂、渡辺、杉内、岩田 ― 城島
【本】村田2号、城島1号


第2戦は韓国戦。先発はエース松坂大輔。東京ラウンドの大一番だが、終わってみれば7回コールドで日本の大勝である。序盤から、北京五輪で完膚なきまでにやられた韓国の左腕・金廣鉉の攻略に成功した。第4日目の時点で2敗した台湾が敗退し、1敗同士の韓国と中国が対戦し勝利した韓国と日本が最終日に1位通過をかけて対戦することになった。

 

 

第3戦

日本vs韓国

🇰🇷  0 0 0  1 0 0  0 0 0   1 

🇯🇵  0 0 0  0 0 0  0 0 0   0 

(日)岩隈、杉内、馬原、ダルビッシュ、山口、藤川 ― 城島
【本】


東京ラウンド最終日はふたたびの韓国戦である。日本の先発は岩隈久志。前回のコールドゲームとは真逆の、日韓の両先発の好投により非常に引き締まった展開となった。均衡が崩れたのは4回表、韓国が金泰均のタイムリーで1点を先制した。その後は両国ともに決め手がなく韓国が1点差で勝利した。これにより韓国が1位、日本が2位で第2ラウンドであるサンディエゴラウンドに進出した。