侍ジャパンと、ユニフォームと

野球日本代表、すなわち侍ジャパンのユニフォームなどに関する二、三の事柄。日本代表ネタ、国際大会ネタがないときは野球カードでつなぎます。お許しを。

【侍ジャパン 歴代日韓戦】

ロス五輪以降の主な日韓戦の歴史をまとめてみた。オリンピックとプロ選手が参加した大会に絞っているので、これで全てではないが、まあ、だいたいこんな感じである。
やはりすべての野球ファンの胸に刻まれているのは2009年のWBC決勝だろうか。




       🔽Contents🔽

👇侍J歴代メンバーはコチラから👇
侍ジャパン歴代メンバー検索リスト - 侍ジャパンと、ユニフォームと


1984ロス五輪

予選リーグ青組 第1戦
🇯🇵 000 100 001 2
🇰🇷 000 000 000 0

(日)吉田幸、宮本、伊東 − 嶋田
(韓)宣銅烈、朴魯俊、呉命録 − 金栄伸


まずは、当然のことに、この試合以前にも日韓戦は行われているが、このブログではロス五輪を侍ジャパンのスタート地点としていので、1984年が始まりの年である。ご了承願いたい。
予選リーグは青組と白組の2グループに分かれて行われた。青と白である。やはり時代を感じる。
日本は青組に入り韓国、ニカラグア、カナダと対戦した。 とにかくこの、初戦である韓国戦に勝ったのが大きかった。この頃の日本は韓国を苦手としていた。ひたすら負けていたのである。 それをピッチャーが完封リレー。この1勝で日本代表は勢いにのり、金メダルまで駆け登った。



1988ソウル五輪

準決勝
🇰🇷 000 000 100 1
🇯🇵 000 000 12X 3

(日)石井、潮崎、野茂 − 古田
【本】中島


ソウル五輪の準決勝。
7回途中から登板の野茂が好投し終盤での逆転を呼びこんだ。 先制された直後の7回裏に、4番中島が韓国のエース朴から同点ホームランを放つ。さらに8回には古田の犠牲フライで勝ち越すのである。
それにしても、ものすごい投手リレーである。キャッチャーは古田。ソウル五輪日本代表は語り継がれる伝説のジャパンである。


1996アトランタ五輪

予選リーグ第6戦
🇰🇷 100 003 0 4
🇯🇵 002 353 1 14

【7回コールド】
(日)杉浦、川村 − 大久保
【本】谷、松中


アトランタ五輪予選リーグの第6戦。
先発は中1日で杉浦。
初回に1点を失うが、日本は3回裏、谷のツーランホームランで逆転。さらに松中のホームランなどで追加点を挙げ、コールド勝ちを決めた。
予選リーグ序盤で3連敗を喫するというヤバい状況の日本代表だったが、 最終戦に決勝ラウンド進出の望みをつないだ。



1999アジア選手権

決勝リーグ戦3戦
🇯🇵 000 201 000 3
🇰🇷 000 103 10X 5

(日)小池、高橋薫、石川、山田 − 古田


シドニー五輪アジア地区予選最終戦。
国際大会において日本は韓国に五連敗中であったが、それでも太田垣監督は勝利よりも経験を優先し、アマ選手を多く起用した。 それが裏目に出たのか逆転負けを喫する。対韓国戦六連敗となった。
この結果が本選のシドニー五輪に影響を及ぼしたかどうかはわからない。もしかすると経験を積むべきはプロ選手の方だったかもしれない。


2000シドニー五輪

決勝リーグ第6戦
🇰🇷 400 000 100 2 7
🇯🇵 200 010 200 1 6

(日)松坂、土井 − 鈴木郁
【本】沖原


シドニー五輪予選リーグ第6戦。
初戦のアメリカ戦につづいて先発は松坂大輔。
だが松坂は初回から大乱調。イ・スンヨプのホームランなどで韓国が4点を先制。その後は立ち直り試合をつくった。 初戦のアメリカ戦同様に延長戦となるも、またも勝ち切ることができなかった。


3位決定戦
🇯🇵 000 000 001 1
🇰🇷 000 000 03x 3

(日)松坂 − 鈴木郁


シドニー五輪3位決定戦。
先発は当然のことに松坂大輔。
中3日である。 だが松坂は疲れを感じさせないピッチングで7回まで韓国を無失点に抑える。 が、8回にまたしてもイ・スンヨプに打たれてしまう。日本は9回に1点を返すがそこまで。やはり接戦に勝てなかった。



2003アジア選手権

決勝リーグ 第3戦
🇯🇵 001 001 000 2
🇰🇷 000 000 000 0

(日)和田、黒田、岩瀬、小林雅 − 城島


アテネ五輪アジア地区予選最終戦。
韓国は初戦で台湾に痛いサヨナラ負けを喫していて絶対に負けられない。台湾の最終戦が中国戦であることを考えるとなおさらである。
日本代表は先発をルーキー和田に託した。和田は5回と1死を9奪三振、無失点という文句なしのピッチングである。6回途中から黒田→岩瀬→小林雅という悶絶しそうなリレーで韓国を零封した。
打線は3回に二岡の二塁打からの宮本のタイムリー、6回には城島のヒットから福留のタイムリーで2点目を奪い、最終戦を勝利で飾りアテネ五輪行きの切符を手に入れた。同じく最終戦で中国に勝った台湾がアテネ五輪出場を決めた。







2006WBC

1次ラウンド第3戦
🇰🇷 000 010 020 3
🇯🇵 110 000 000 2

(日)渡辺俊、藤田、杉内、石井弘、藤川、大塚 − 里崎
【本】川崎


WBC2006の1次ラウンドとなるアジアラウンドの最終戦。
共に2次ラウンド進出を決めている国同士の単なる消化試合が、イチローの30年発言により、意地とプライドが激突するアジアラウンド最重要ゲームとなった。 先発は王監督から先発三本柱の一人に指名された渡辺俊介。
日本代表は初回ニ死三塁から松中の内野安打で先制、2回には川崎のホームランで2点差とした。だが4回裏に韓国にビッグプレーか生まれる。ニ死満塁のチャンスに放った西岡の長打性の当たりをライト李晋暎がダイビングキャッチ。これで流れが変わってしまった。
先発渡辺は調子は悪くなかったのだが、シンカーが抜けることがあり、避けない韓国打者に3死球で、5回に犠牲フライで1点差にされる。 藤田、杉内が無失点でつなぐが、8回表に石井弘が李承燁に痛恨の逆転2ランを浴びてしまう。
最後は朴賛浩に抑えられ、日本代表はアジアラウンドを2勝1敗で終えた。最終打者はイチローであった



2次ラウンド 第3戦
🇰🇷 000 000 020 2
🇯🇵 000 000 001 1

(日)渡辺俊、杉内、藤川、大塚 − 里崎
【本】西岡2号


WBC2006の2次ラウンド最終戦。
日本の先発は1次ラウンドと同じ渡辺俊介、韓国は朴賛浩。
球場は韓国応援団が多くほとんどアウェーで、「30年発言」の余波でイチローに執拗にブーイングが浴びせられる異様な雰囲気であった。
息詰まる投手戦、8回表に韓国が先制する。四球から途中交代の今江のミスでピンチを広げて、李鍾範のタイムリーで2点を奪われてしまった。
その裏、西岡のホームランで1点は返すが反撃はそこまで。日本代表はアジアラウンドにつづき韓国に連敗してしまった。 ゲームセット後に韓国代表がマウンドに国旗である太極旗を立てるという非礼な行為に出る。
イチローはこの敗戦を野球人生で最も屈辱的な日と語り、誰もが決勝ラウンド進出をあきらめていた。
だが、アナハイムの奇跡は起きたのである。



準決勝
🇯🇵 000 000 510 6
🇰🇷 000 000 000 0

(日)上原、薮田、大塚 − 里崎
【本】福留2号、多村3号


WBC2006準決勝。
この試合で王監督は動いた。
不調の福留を外して不動の1番であったイチローを3番に、1番に青木を初めてスタメンで起用した。この采配がドラマを生む。
試合は雨のため20分遅れでスタート。
日本の先発は上原浩治。この日の上原は完璧ともいえるピッチングだった。7回を投げ散発3安打、8奪三振、四死球0である。
日本打線も韓国投手陣をなかなか打ち崩せず重苦しく試合は進んだが、7回表に遂に動く。先頭の松中が気迫のヘッドスライディングで2塁打、多村は三振に倒れるが、今江に代わりスタメンを外れた福留孝介が代打で打席に立つ。
ここで実況のアナウンサーが祈りを込めて口にしたのが、「生き返れ福留!」だ。
その直後に福留の2ランホームランが飛び出す。これで重苦しい空気は吹き飛び、里崎、宮本、イチローにもタイムリーが出て日本代表は5点を奪う。
その後は薮田、大塚の完封リレーで日本の完勝である。わたしは福留のホームランで号泣した。



2007アジア選手権

決勝リーグ 第2戦
🇯🇵 021 000 010 4
🇰🇷 100 100 010 3

(日)成瀬、川上、岩瀬、上原 − 阿部、矢野


北京五輪アジア地区予選決勝リーグ第2戦。
試合前から波乱が起きる。韓国のスタメンは、一時間前に交換したスタメン表とはまるで違うメンバーであった。だがこれは、あくまで大会前の監督会議で結んだ紳士協定であり、IBAFのルールではプレイボール前に監督同士で交換するメンバーが最終決定ということでルール違反ではない。
ようは韓国にしてやられたのだ。
先発は成瀬善久。初回にホームランを打たれて先制を許すが、2回表に大村三郎のタイムリーで同点。韓国のエラーで逆転する。
3回表には阿部慎之助のタイムリーで2点差をつけた。
先発成瀬は4回に2点目を失い、川上憲伸にリレー。シーズン中ではあり得ないが6回途中から8回までを岩瀬が熱投。最後は上原で締めた。4対3というロースコアながら試合時間は4時間を超える死闘であった。五郎もテレビ観戦していたが、観ているこちらも胃が痛くなるような試合だった。



2008北京五輪

予選リーグ第4戦
🇰🇷 000 000 203 5
🇯🇵 000 002 001 3

(日)和田、川上、岩瀬 − 阿部
【本】新井


北京五輪予選リーグ第4戦。
先発は和田毅。 韓国の先発は左腕の金廣鉉である。
6回まで両国とも無得点で、先制したのは日本代表。6回裏に4番新井が2アウトから2ランホームランである。
先発の和田は6回9奪三振と安定していた。本来なら7回から岩瀬、藤川、上原と日本のトリプルストッパーへの継投だったが、星野監督は和田を続投させた。 だがこれが裏目に出た。
和田は7回表に先頭打者をこの試合初めての四球で歩かせると、つづく李大浩に同点2ランを打たれてしまう。9回には岩瀬がつかまり3失点。日本は厳しい状況になった。



準決勝
🇯🇵 101 000 000 2
🇰🇷 000 100 14X 6

(日)杉内、川上、成瀬、藤川、岩瀬、涌井 − 矢野

北京五輪準決勝。
先発は杉内。韓国はまたしても金廣鉉。 予選リーグの順位なんかどうでもいいのだ、準決勝に進出したからいいのだと開き直れたかどうか。
初回に西岡の内野安打から韓国のミスも重なり併殺崩れで1点先制。 3回にも日本は青木のタイムリーで1点追加。序盤で2点をリードしたものの、チャンスを広げることはできなかった。
これが終盤に響く。
杉内は調子が上がらないダルビッシュに代わっての先発。3回まで無安打に抑えるが、4回に連打を浴びて併殺崩れで1点を失い川上に交代。その後の成瀬と無失点の継投だったが、7回裏藤川が抜けたフォークを痛打されて同点に追いつかれる。
そして8回裏、岩瀬が不振の李承燁に2ランホームランを打たれ勝ち越されてしまう。
ランナーを残して涌井に代わると、ここで後世まで語り継がれるプレーが生まれる。もちろんG.G.佐藤のエラーである。さらなる失点で4点差をつけられた日本は9回表、3人でジ・エンド。 予選リーグにつづき韓国に敗れ去った。






2009WBC

1次ラウンド GAME4
🇯🇵 350 122 1 14
🇰🇷 200 000 0 2

【7回コールド】
(日)松阪、渡辺俊、杉内、岩田 − 城島
【本】村田、城島


WBC2009の1次ラウンドとなる東京ラウンド第2戦。
先発はエース松坂大輔。1次ラウンドの大一番だが、終わってみれば7回コールドで日本の大勝である。
序盤から、北京五輪で完膚なきまでにやられた韓国の左腕・金廣鉉の攻略に成功した。第4日目の時点で2敗した台湾が敗退し、1敗同士の韓国と中国が対戦し勝利した韓国と日本が最終日に1位通過をかけて対戦することになった。



1次ラウンド GAME6
🇰🇷 000 100 000 1
🇯🇵 000 000 000 0

(日)岩隈、杉内、馬原、ダルビッシュ、山口、藤川 − 城島


WBC2009の1次ラウンドとなる東京ラウンド最終戦。
日本の先発は岩隈久志。
前回のコールドゲームとは真逆の、日韓の両先発の好投により非常に引き締まった展開となった。
均衡が崩れたのは4回表、韓国が金泰均のタイムリーで1点を先制した。その後は両国ともに決め手がなく韓国が1点差で勝利した。これにより韓国が1位、日本が2位で2次ラウンドであるサンディエゴラウンドに進出した。



2次ラウンド GAME4
🇯🇵 000 010 000 1
🇰🇷 300 000 01X 4

(日)ダルビッシュ、山口、渡辺俊、涌井、岩田、田中 − 城島、石原


WBC2009の2次ラウンドとなるサンディエゴラウンド第2戦。
先発はダルビッシュ有。
松坂よりいいピッチャー、という触れ込みでアメリカでの注目度も高かったダルビッシュたが、初回に少し制球が乱れたところを韓国に狙われ3点を先制された。
2回以降は5回まで無失点6奪三振と安定を取り戻しただけに初回が悔やまれた。 打線はキューバ戦のようには打線がつながらず韓国に抑え込まれ、4対1で敗戦となった。



2次ラウンドGAME6
🇯🇵 020 010 031 6
🇰🇷 100 000 100 2

(日)内海、小松、田中、山口、涌井、馬原、藤川 − 阿部
【本】内川


WBC2009の2次ラウンドとなるサンディエゴラウンド第4戦。
2次ラウンド1位通過をかけた戦いだが、ある意味消化試合でもあるので、投手陣は主力を温存する起用となった。 先発は内海哲也で、そこから小松、田中、山口、涌井、馬原、藤川と小刻みに継投し2失点に抑えた。
打線は先制された直後の2回表に内川の特大ホームランで同点に追いつくと、片岡のヒットで逆転した。7回に追いつかれたが、すぐにまた青木、稲葉、小笠原がつないで勝ち越し。 6対2で勝利となった。だがこの試合で村田修一が右足を痛めて戦線離脱となり、日本から栗原健太が緊急招集されることとなった。



決勝
🇯🇵 001 000 110 2 5
🇰🇷 000 010 011 0 3

(日)岩隈、杉内、ダルビッシュ − 城島


WBC2009ファイナル。
今大会5度目の対戦となる韓国戦。
ここまで2勝2敗ときて、雌雄を決するにはこれ以上ない舞台である。
そしてこの決勝戦は、日本球界で永遠に語り継がれるであろう世紀の一戦となった。
日本の先発は岩隈久志である。 試合は緊迫した投手戦となり、侍ジャパンは3回表に小笠原のタイムリーで1点を先制するが、5回裏にメジャーリーガー秋信守のホームランで同点に追いつかれる。
岩隈は8回途中まで2失点で抑え、杉内につないだ。
打線は7回表に中島のタイムリー、8回に岩村の犠牲フライで計3点をとり1点差で9回をダルビッシュに託した。 だがダルビッシュはスライダーの制球が定まらず、韓国に同点に追いつかれ延長戦に突入した。 サヨナラ負けは免れたが、流れは完全に韓国に傾いていた。
その流れをイチローが引き戻した。大会を通じて不調だったイチローが、2死2、3塁でセンター前に2点タイムリーを放ち勝ち越しに成功する。10回裏は続投のダルビッシュが今度はきっちりと締めて日本はWBC連覇を達成した。



2015世界野球プレミア12

1次ラウンド グループB GAME1
🇰🇷 000 000 000 0
🇯🇵 020 011 010 5

(韓)キム・グァンヒョン、チョ・サンウ、チャ・ウチャン、チョン・ウラム、チョ・ムグン ― カン・ミンホ
(日) 大谷、則本、松井 − 嶋
【本】坂本(1号)


第1回プレミア12の1次ラウンド第1戦。
台湾開催の1次ラウンドだが、日本の開幕ゲームだけは札幌ドームで行われた。まあ、大人の事情である。
先発は大谷翔平。
トップチームとしては、伝説の2009WBC決勝以来の韓国戦である。
大谷は6回を無失点、被安打2、10奪三振という圧巻のピッチングでのトップチームデビューであった。一方の韓国代表は北京五輪、2009WBCでも対戦している左腕キム・グァンヒョン。 侍ジャパンは平田のタイムリー、坂本の本塁打などでリードを広げて開幕ゲームを勝利で飾った。



準決勝
🇰🇷 000 000 004 4
🇯🇵 000 300 000 3

(韓)イ・デウン、チャ・ウチャン、シム・チャンミン、チョン・ウラム、イム・チャンミン、チョン・デヒョン、イ・ヒョンスン ― ヤン・ウィジ
(日) 大谷、則本、松井、増井 − 嶋


プレミア12 2015準決勝。
この試合は「東京ドームの悪夢」と呼ばれ、侍ジャパン史上に残る歴史的敗戦となった。
先発は1次ラウンド開幕ゲームの韓国戦と同じく、侍ジャパンのエースと言ってもよい大谷翔平。
5者連続三振、6回までノーヒットで7回を1安打・無失点・11奪三振と初戦を上回る完璧なピッチングで韓国打線を封じた。
一方の侍ジャパン打線は、4回に中田翔、中村晃が出塁し、平田良介のタイムリーで先制、さらに韓国のエラーと坂本勇人の犠牲フライで3点を取った。 3点差としたものの、その後の7回と8回の好機に得点できなかったのが最終的には悔やまれた。
9回表、8回から登板している2番手の則本が韓国打線につかまり連続ヒットで無死1、2塁。1番チョン・グンウにタイムリーを打たれて1失点。 さらにデッドボールで無死満塁となり松井裕樹に交代するが、押し出しで1失点。
ふたたび投手交代で登板した増井が、4番イ・デホに2点タイムリーを打たれて逆転を許してしまう。
東京ドームの悪夢。
これは悪夢なのだろうか。少なくとも悪い夢なんかではなく、目の前で起きた現実である。夢ではなく現実である。
だが、夢としか思えないような、思い出すのも嫌で恐ろしい現実のたとえ。これもまた悪夢である。思い出すのも嫌な敗戦だが、この先何度も何度も思い出さなければならない。フィードバックはくり返されなければならない。



2017アジアプロ野球CS

予選リーグ
🇰🇷 000 400 000 3  7
🇯🇵 001 002 001 4x 8

(日)薮田、近藤、多和田、石崎、野田、山崎、又吉、堀 − 甲斐、田村
(韓)張現植、 具昌模、 朴晋亨、 長必峻、 金潤東、 咸徳柱、 李珉鎬 − 韓承沢
【本】金河成、山川、上林


アジアプロ野球チャンピオンシップ2017の予選リーグ。
侍ジャパンの先発は広島の薮田。
先制したのは日本で、3回裏に近藤のタイムリー内野安打で1点を奪った。 だが4回表に韓国は金河成のホームランで同点に、さらに河周錫の犠牲フライ、李政厚のタイムリーツーベースで4点を取り勝ち越した。
日本は6回裏に山川の2ランホームランで1点差に迫り、土壇場の9回裏満塁のチャンスに京田が押し出しフォアボールを選び同点に追いついた。
延長タイブレークの10回表、韓国は柳志赫などのタイムリーで3点を勝ち越した。 日本は上林の起死回生の3ランホームランで同点とすると、最後は田村のタイムリーで大会初戦をサヨナラで勝利し、稲葉監督の初陣を飾った。



決勝
🇰🇷 000 000 000 0
🇯🇵 000 132 100 7

(日)田口、 石崎、 山﨑康 − 甲斐
(韓)朴世雄、 沈載敏、 金明信、 金潤東、 金大鉉、 李珉鎬、 具昌模 − 韓承沢、 張勝賢
【本】西川 


アジアプロ野球チャンピオンシップ2017決勝戦。
侍ジャパンの先発は田口麗斗。
4回裏に日本は外崎のタイムリーで先制点を奪う。
さらに5回にも、満塁のチャンスでまたも外崎がタイムリー、西川もつづき3点を追加した。 6回には2死から山川にタイムリーが出てさらに2点を取り、7回裏にも西川のソロホームランで7点目を奪った。
投げては先発の田口が7回を無失点、つづく石崎、山崎康晃も得点を許さず完封リレーで試合を締めくくり、第1回大会優勝を決めた。



2019世界野球プレミア12

スーパーラウンド 第4戦
🇰🇷 001 502 000 8
🇯🇵 016 020 10X 10

(日)岸、大野、山岡、嘉弥真、大竹、田口 − 會澤、甲斐、小林


プレミア12 2019スーパーラウンド第4戦。
侍ジャパンの先発は岸。
韓国は次期代表エース候補である李承鎬が先発である。
試合は日本が2回裏に會澤、菊池の連続安打で先制点を奪うが3回表に韓国が同点に追いつく。
そして侍ジャパンのビッグイニングである。鈴木、浅村の連続タイムリーから押し出し、犠牲フライで一挙に6点を追加した侍ジャパン。
だが、この試合は日韓戦。
すぐに韓国は4番朴炳鎬のタイムリー、韓国の大谷と呼ばれる将来の4番候補で二刀流の姜白虎もつづき、侍ジャパン岸に襲いかかる。 楽勝ムードの侍ジャパンだったが1点差にまで詰められた。だが同点、逆転されなかったのは大きい。
5回には交代した大野が、三人の打者に一度もバットを振らせることなく連続四球で無死満塁とした。が、姜白虎の犠牲フライで1点を取られるころを、鈴木、外崎の美しいバックホームで阻止。 その裏には侍ジャパンは山田哲人、丸のタイムリーで3点差とした。
でもまたすぐに韓国は姜白虎の2点タイムリーで1点差にまで追いつく。 が、侍ジャパンは押し出しの死球で再び点差を広げる。最後は大竹、田口のリレーで試合を締めた。
点差を詰められながらも同点、逆転までは行かせなかったのはやはり大きい。



決勝
🇰🇷 300 000 000 3
🇯🇵 130 000 10X 5

(日)山口、高橋、田口、中川、甲斐野、山本、山崎 − 會澤
【本】山田


プレミア12 2019決勝戦。
トップチームの国際大会決勝進出は実に10年ぶりである。2009WBC以来で、奇しくも対戦相手はやはり韓国だった。
侍ジャパンの先発は山口。韓国はW左腕エースの梁玹種である。
山口は立ち上がりにいきなり韓国打線につかまる。というかストライクが入らない。初回に2本のホームランを打たれて3点を先制された侍ジャパン。
よく3点で済んだな、というくらいに状態の悪い山口だった。
侍ジャパンはその裏にすぐに反撃、頼れる4番鈴木のタイムリーで1点を返す。2回からは山口に代えてピッチャー高橋礼。この投手交代で流れが日本にきたと思う。
過去最高の山田哲人コールが東京ドームに響きわたった2回裏、山田哲人の3ランホームランで侍ジャパンが逆転!
試合はここから投手陣が安定して両チームともに得点なく、7回裏の侍ジャパンの攻撃。
浅村のタイムリーで侍ジャパンが待望の追加点! ラスト3回は甲斐野、山本、山崎の鉄壁のリレーで韓国を封じ込めて侍ジャパン10年ぶりの世界一!
プレミア12初制覇!
そして4年前の悪夢を振り払った!



2022東京五輪

準決勝
🇰🇷 000 002 000 2
🇯🇵 001 010 030 5

(日)山本、岩崎、伊藤、栗林 − 甲斐


東京五輪準決勝。
侍ジャパンの先発はエース山本由伸。
打線は3回に坂本の犠牲フライで1点を先制。5回には吉田正尚のタイムリーで2点目を奪った。
先発の山本は5回を2安打無失点の好投だったが、6回表に3連打で1点を失い岩崎にスイッチした。
岩崎も同点打を打たれてしまうが、後続を連続三振で勝ち越しを許さなかった。 圧巻は7、8回を投げた伊藤大海。2イニングを1安打3三振の好投。
韓国からロジンバッグの使用法にクレームをつけられるも動じることなく、それどころか「追いロジン」で返り討ちにした。
同点で迎えた8回裏、満塁のチャンスに山田哲人が左翼フェンス直撃の走者一掃のツーベースで3点を勝ち越した。
最終回は守護神・栗林が締めて決勝進出を決めた。日本代表にとっては、オリンピックでは1996年アトランタ以来の五輪決勝進出で、プロ選手参加後は初である。



2023WBC

1次ラウンド GAME2
🇰🇷 003 001 000 4
🇯🇵 004 025 20X 13

(日)ダルビッシュ、今永、宇田川、松井、髙橋宏 − 中村、大城
【本】近藤1号、E.J.ヤン2号、 K.W.パク1号


WBC2023の1次ラウンドとなる東京ラウンド第2戦。
日本の先発はダルビッシュ有。韓国は左腕の金廣鉉(キム・グァンヒョン)。
日本での登板は12年ぶりというダルビッシュは、3回表に捕手の梁義智にツーランホームランを打たれて先制を許す。
さらに韓国ナンバー1プレイヤーの李政厚のタイムリーで3点差とされる。
だが直後の3回裏に侍ジャパンは、ヌートバー、近藤、吉田正尚のタイムリーで逆転!
5回裏には近藤のソロホームランで1点を追加。 侍ジャパンは第2先発の今永が6番の朴健祐のソロホームランを打たれて2点差に詰められるが、6回裏に大谷、吉田、岡本らのタイムリーで5点を奪い試合を決めた。
序盤は緊迫した展開だったが、中盤以降は侍ジャパンの打線がつながり韓国を圧倒した。韓国はまさかの2連敗で苦しい状況に追い込まれた。



2023アジアプロ野球CS

予選リーグ 第2戦
🇰🇷韓国 000 000 001 1
🇯🇵日本 001 100 00X 2

(日)隅田、横山、田口 − 坂倉
(韓)李義理、呉原錫、崔浚鏞 − 金亨俊
【本】万波


アジアプロ野球チャンピオンシップ2023予選リーグ第2戦。
侍ジャパンの先発は隅田知一郎。韓国代表先発は李義理。
先発隅田は必殺のチェンジアップが冴えわたり、7回を3安打無失点7奪三振の好投。
打線は3回に無死満塁のチャンスに、牧の内野ゴロの間に1点を奪った。つづく4回裏には万波に待望のホームランが出て2点差とした。
その後は両チームともに無得点のまま9回へ。侍ジャパンは抑えの田口がマウンドに上がるが、2死からキャッチャーの金亨俊にホームランを打たれてしまい、1点差となった。だが最後のバッターを三振に仕留め、侍ジャパンは接戦を制した。
侍ジャパンは予選を2連勝し、19日の決勝戦進出を決めた。



決勝
🇰🇷韓国 002 000 000 1  3
🇯🇵日本 000 011 000 2x 4

(日)今井、根本 、桐敷、田口、吉村 − 坂倉
(韓)郭斌、崔丞鎔、崔俊鏞、崔智旻、鄭海英 − 金亨俊
【本】牧


アジアプロ野球チャンピオンシップ2023決勝戦。
侍ジャパンの先発は今井達也!韓国先発はWBC日本戦でも登板した郭斌。
侍ジャパンの先発今井は初回は最高のピッチングで韓国打線をねじ伏せるが、3回に四球、バント処理のエラーで無死1、2塁のピンチを招くと、韓国の4番盧施煥にタイムリーを打たれて2点を先制されてしまった。
今大会初のリードされた展開で、侍ジャパンは5回裏に牧のソロホームランで1点を返し、さらに6回裏には佐藤輝明の犠牲フライで同点に追いついた。
その後は二番手の根本が韓国打線を抑え、終盤は両チームともに得点なく、試合は延長タイブレークに突入した。
日本はルーキーの吉村に交代。ゲッツーで二死とするが、3番の尹棟熙にタイムリーを打たれ1点を勝ち越されてしまう。 10回裏の日本はランナー藤原、小園でバッター森下でスタート。森下に代打・古賀を送り犠牲バント。つづく牧が申告敬遠で、5番坂倉の犠牲フライで同点に追いつく。つづく万波がふたたび申告敬遠で満塁となり、7番門脇。前の打席で強振していた門脇だが、ここは逆らわずにレフト前ヒット!
侍ジャパン、サヨナラ勝ち!
アジチャン2連覇!



掲載した試合の成績は侍ジャパンの18勝10敗である。ある時期までは見事に均衡していた日韓戦だが、最近は日本が優勢となっている。
あらためて振り返ってみると、2009WBC決勝の記憶が強烈すぎて忘れてるのか・忘れようとしているのか、韓国戦は辛い記憶も多い、ということを再確認した。 シドニー五輪では予選、3位決定戦で負けている。
北京五輪でも予選、そして準決勝で敗戦。
前回の世界野球プレミア12では準決勝で「東京ドームの悪夢」と呼ばれる、歴史に残る逆転負けを喫した。 だが、実はこの歴史的敗戦以降、日本のトップチームは韓国に負けていないのである。日韓戦においてはこの「東京ドームの悪夢」が実にエポックメイキングな試合となったわけである。
オリンピックでは韓国に大事なところで負けてしまっていたが、東京オリンピック準決勝では見事に勝利した。
WBCでは2009年以来の対戦となったWBC2023ではコールド勝ちまであと一歩という勝利である。
対韓国を見るかぎりでは、侍ジャパン常設化の結果が出てきているような気がするのである。