第1回プレミア12:前篇
🔽Contents🔽
第1回WBSCプレミア12開催へ
WBSC誕生
2013年、IBAF(国際野球連盟)とISF(国際ソフトボール連盟)が合併し、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)が誕生した。その経緯をひもとけば、事態は実に明快だ。
両者の目的は、オリンピック競技への復帰にある。
しかし、この壮大な目論見は、今のところ成功とは言い難い。
2021年の東京オリンピックでは、野球とソフトボールが復活を果たした。しかし、それは特例という名の幻影だ。
開催国である日本が強く望んだからこそ実現した、いわば地元限定の祭りに過ぎない。次回のパリオリンピックでは、両競技は再び姿を消すことが確定している。
ここで思う。野球とソフトボールが手を組んだこの試み、その意義をどこに見いだせばいいのか。
未来を展望しようとするたびに、現在の暗雲が視界を曇らせる。
国際野球の再編と新たな道筋
WBSCがもたらした変化の中でも特筆すべきは、国際大会の再編成だ。
MLBが主催するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が、WBSC公認の世界一決定戦に昇格したのは、象徴的な出来事といえる。
一方で、IBAFが手掛けてきた伝統の大会── 野球ワールドカップやインターコンチネンタルカップは消滅した。
新しいものが生まれ、古いものが消える。歴史とは、いつだってそういうものなのだろう。
では、その「新しいもの」とは何か。2015年、WBSCが送り出した新たなフラッグシップ大会がプレミア12だ。
その名称は聞けばいかにも華やかだが、その実態を掘り下げてみると、MLBがメジャーリーガーの参加を認めていないため、WBCの存在意義には及ばないという評価がつきまとう。
それでも、この大会が野球世界ランキング上位12チームによる、熾烈な争いを展開する場であることは間違いない。
試みとしての斬新さは認められるべきだろう。
未知なる未来、可能性のかけら
プレミア12は、まだ生まれたばかりの大会だ。その将来がどう展開するのか、誰にも分からない。
しかし、この曖昧さこそが、未来への余地を残しているともいえるだろう。
WBCがメジャーリーガーの熱気で満たされる祭典ならば、プレミア12は違う側面から国際野球の魅力を照らし出す存在になりうるというわけだ。
結局のところ、問題はいつだってシンプルだ。スポーツというものは、それを愛する人々の意識と、現実という壁の間で揺れ動く。野球とソフトボール、この二つの競技の未来に何を託すか。
それを決めるのは、私たち自身なのだ。
そしてこの、世界の野球の変革の時代に居合わせた侍たちの系譜を、さらに長い歴史の流れに接続するなら、1931年の日米野球から現在までを網羅する「侍ジャパン歴代メンバー完全リスト一覧」を参照してほしい。
日本代表メンバー
監督
90 小久保裕紀
コーチ
73 奈良原浩
79 大西崇之
80 稲葉篤紀
87 仁志敏久
88 矢野燿大
89 鹿取義隆
投手
10 松井裕樹(東北楽天GE)
11 菅野智之(読売G)
14 則本昂大 (東北楽天GE)
15 澤村拓一 (読売G)
16 大谷翔平 (北海道日本ハ厶F)
18 前田健太(広島C)
19 増井浩俊 (北海道日本ハムF)
21 西 勇輝 (オリックスB)
22 大野雄大(中日D)
24 山崎康晃 (横浜DeNA)
29 小川泰弘 (東京ヤクルトS)
30 武田翔太(福岡ソフトバンクH)
35 牧田和久(埼玉西武L)
捕手
27 炭谷銀仁朗(埼玉西武L)
37 嶋基宏(東北楽天GE)
52 中村悠平(東京ヤクルトS)
内野手
2 今宮健太(福岡ソフトバンクH)
3 松田宣浩(福岡ソフトバンクH)
5 川端慎吾(東京ヤクルトS)
6 坂本勇人(読売G)
9 中島卓也(北海道日本ハムF)
13 中田翔 (北海道日本ハムF)
23 山田哲人 (東京ヤクルトS)
60 中村剛也 (埼玉西武L)
外野手
7 中村晃( 福岡ソフトバンクH)
8 平田良介(中日D)
25 筒香嘉智 (横浜DeNA)
55 秋山翔吾 (埼玉西武L)
基本オーダー
1(中)秋山翔吾
2(遊)坂本勇人
3(二)山田哲人
4(指)中村剛也
5(左)筒香嘉智
6(一)中田 翔
7(三)松田宣浩
8(右)平田良介
9(捕)嶋 基宏

1次ラウンド
オープニングラウンドである1次ラウンドは6チームごとのグループに分かれて、台湾で開催された。グループBの日本の開幕戦である韓国戦のみ、札幌ドームでの試合となった。色々と事情があるのだ。
第1戦:札幌ドーム(日本)
日本vs韓国
🇰🇷 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
🇯🇵 0 2 0 0 1 1 0 1 X 5
(韓)キム・グァンヒョン、チョ・サンウ、チャ・ウチャン、チョン・ウラム、チョ・ムグン ― カン・ミンホ
(日) 大谷、則本、松井 ― 嶋
【本】坂本(1号)
台湾開催の1次ラウンドだが、日本の開幕ゲームだけは札幌ドームで行われた。まあ、大人の事情である。先発は大谷翔平。今のところ、大谷が侍ジャパンとして出場した唯一の国際大会で、打者としての出場はなく投手のみでの出場となった。
トップチームとしては、伝説の2009WBC決勝以来の韓国戦である。
大谷は6回を無失点、被安打2、10奪三振という圧巻のピッチングでのトップチームデビューであった。一方の韓国代表は北京五輪、2009WBCでも対戦している左腕キム・グァンヒョン。
侍ジャパンは平田のタイムリー、坂本の本塁打などでリードを広げて開幕ゲームを勝利で飾った。
第2戦:天母球場(台湾)
日本VSメキシコ
🇲🇽 0 1 0 1 0 1 1 0 1 5
🇯🇵 0 2 2 0 1 0 0 0 1X 6
(メ)エンリケ・ガルシア、ヘラルド・サンチェス、ダニエル・ロドリゲス、アレクサンデル・カルデラ ― ウンベルト・ソーサ
(日) 前田、西、大野、牧田、増井、澤村 ― 嶋 、炭谷
【本】中田(1号)
先発は前田健太。5回2失点で降板で、後続も西、大野が小刻みに失点して接戦となった。9回には澤村が同点に追いつかれたが、中田のタイムリーでサヨナラ勝ちである。中田翔は3打数3安打5打点と大爆発。
第3戦:桃園野球場(台湾)
ドミニカ共和国VS日本
🇯🇵 1 0 0 1 0 0 0 2 0 4
🇩🇴 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2
(日)武田、小川、山﨑、松井 ― 炭谷
(ド) ダニエル・カブレラ、ジョエル・パジャンプス、ダニーロ・デ・ヘスス、ルイス・デラクルーズ、フランシスコ・ロンドン ― ミゲル・オリーボ
【本】
1次ラウンド第3戦、侍ジャパンの先発は武田翔太。ドミニカ共和国は元中日ドラゴンズのダニエル・カブレラである。
侍ジャパンは初回にドミニカのエラーで1点を取ると、4回に中田翔のタイムリーで追加点を挙げて有利に試合を運んでいく。
先発武田はカーブを武器にドミニカ打線を抑えていたが、足に違和感があり4回で降板。つづく小川泰弘は5、6回を三者凡退で抑えるが、7回にエラーのランナーを置いて本塁打を浴び同点に追いつかれてしまう。
だが直後の8回表に絶好調の中田翔の三塁線を破るタイムリーで逆転。侍ジャパンは3連勝となった。
第4戦:桃園球場(台湾)
アメリカVS日本
🇯🇵 0 0 0 1 0 0 4 5 0 10
🇺🇸 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2
(日)菅野、則本、山﨑、増井、澤村 ― 嶋、中村
(ア) ジャレット・グルーブ、セス・シモンズ、デイナ・イーブランド、コーディー・サッターホワイト、コーディー・フォーサイス、ケイシー・コールマン ― パーカー・モーリン
【本】中田(2号)、松田(1号)
先発の菅野は4回を2失点と不本意な結果であったが、後続の則本、山崎康晃、増井、澤村が無失点に抑えた。打線は中田翔と松田にホームランが飛び出し、筒香は3安打3打点と大爆発でアメリカに快勝である。
第5戦:桃園球場(台湾)
日本VSベネズエラ
🇻🇪 1 0 0 2 0 0 0 0 2 5
🇯🇵 0 1 0 1 0 0 0 2 2X 6
(べ)フレディ・ガルシア、ヘスス・マルティネス、ジョエル・エルナンデス、フェルナンド・ニエーベ、ジョスエ・カステラー ― ファン・アポダカ、リエラ・ジェペス
(日)西、大野、牧田、松井 ― 嶋、中村
1次ラウンド最終戦。
すでに決勝ラウンド進出を決めている侍ジャパン。先発は西勇輝だが、初回に先頭打者ホームランを浴びてしまう。4回にも2ランホームランを打たれ、4回3失点で降板。ベネズエラは元メジャーリーガーのフレディ・ガルシア。日本はこのベテランピッチャーに苦戦して、5回以降は三者凡退がつづき1点ビハインドのまま終盤を迎える。
ベネズエラの投手交代で流れが変わり、8回裏に中田翔のタイムリーで日本は逆転に成功する。だが、9回表に松井裕樹が打ち込まれ、再び逆転を許す。ここで諦めない侍ジャパンは最終回に中村晃のタイムリーで逆転サヨナラ勝ちを決めた。
1次ラウンドを全勝で終えた侍ジャパンは決勝ラウンドに進出。
準決勝で、あの、侍ジャパン史最大の黒歴史と言っても過言ではない、「東京ドームの悪夢」が待っているのだ。
👇️後篇へつづく👇️
👇️侍J歴代メンバー超完全版リスト👇️