アロー。
平成21年3月20日の日刊スポーツ。
前回に引き続きの2次ラウンドのキューバ戦。前日の、この大会では3戦目となる韓国戦で敗戦した侍ジャパンは敗者復活戦にまわった。
なのでこのキューバ戦は、負けたら終わりの大一番となったのである。
崖っぷちの侍ジャパンの先発は岩隈久志。
前年は、北京五輪日本代表落選の悔しさをバネに21勝4敗という凄まじい成績を残して、文句なしで侍ジャパンに選出。先発3本柱に名を連ねた。
5回の追加点のチャンスにバント失敗のイチロー、心が折れかけたが、つづく中島、青木で得点をあげた。このチームの強さは何もかもがイチロー頼みではないところだろう。
この日は霧がたちこめる、幻想的な雰囲気で試合は進んだ。負けたら終わりの状況で、夜霧に包まれてマウンドに立つ岩隈久志は最高にカッコよかった。
その霧を味方にして、4回に小笠原のセンターフライがセスペデスのエラーを誘い先取点を奪ったのである。
それにしても「夜霧よ今夜もありがとう」という、炸裂する昭和センス。15年前とはいえ、まあそれがスポーツ新聞というものなのだが。