アロー。
平成20年8月19日のスポーツニッポン。
2008年時点ではオリンピックでの野球競技実施は北京がラスト、ということになっていたので、日本野球界の力の入れようはかなりのものだったと思う。
「週刊ベースボール」でも、北京五輪開催の1年以上前から「北京への道」という星野ジャパンの連載記事を開始していた。
オリンピックでの金メダル獲得は、日本球界の悲願だったことがよくわかる。
というわけで、いきなり予選リーグ第5戦のカナダ戦である。「成瀬救った」とあるが、星野ジャパンはここまで予選リーグを2勝2敗と調子が上がらず、このカナダ戦に負けると予選敗退が濃厚になるという崖っぷち状態だった。
そこを成瀬善久が7回無失点の好投で日本を救ったのである。しかも打線は沈黙し、稲葉篤紀のホームランの1点のみ。まさに先発の成瀬、そして藤川、上原が完封リレーで日本を救ったわけである。
日本球界を救った、といっても過言ではない稲葉のホームランと藤川・上原の完全リレー。日本がオリンピックで予選リーグ敗退となれば当然のことに史上初であり、まさに黒歴史である。崖っぷちから這い上がった星野ジャパンだが、ここから巻き返しをはかることはできなかった。
四強入りもギリギリだった星野ジャパン。最終結果もまあ、頷けるといえば頷ける。